「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM 」は、WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)が共同で立ち上げた、5年にわたる大型プロジェクト。世界最高峰のアスリートに迫る大型シリーズとして、2016年10月22日(土…
「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM 」は、WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)が共同で立ち上げた、5年にわたる大型プロジェクト。世界最高峰のアスリートに迫る大型シリーズとして、2016年10月22日(土)から毎週土曜日、夜9時00分に好評放送中だ。12月17日(土)には今シーズンの最終回、車いすテニスの「国枝慎吾」が放送される。
【番組情報】
パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM
出演◎国枝慎吾(日本/車いすテニス) 12月17日(土) 夜9時~
この放送に先立ち、15日(水)にWOWOWで行われた同番組試写会を国枝が訪れ、メディア・インタビューに応えた。
Q 番組の感想をお聞かせください。
国枝「今までの自分自身のテニスキャリアがつまった作品になっています」
Q リオ・パラリンピックを終えて、現在の気持ちを教えていただけまますか。
国枝「ダブルスでは銅メダルを獲りましたが、苦しい一年でした。結果には満足していません。リオのあと、大会には出場しましたが、右肘の痛みが再発し、今はテニスを休養しています。来年1月末まで様子を見て、肘の回復に努めます。3月を目途に大会に復帰したいと思っています」
Q 今回のドキュメンタリーのオファーを受けたときのことを教えてください。
国枝「オファーを受けたのは昨年末ですが、肘痛めた時期だったので、厳しいドキュメントになるかと思っていました。ただ、普段からグランドスラムの放映でお世話になっているWOWOWに追っかけていただくことは非常に光栄に感じました。テニスの資料を駆使して番組を作っていただければ、よいものができると確信していました」 Q 2017年はどのような年にしたいですか?
国枝「チャンピオンではできない挑戦をしたいと思います。(自身から)チャンピオンの看板が下りたことにより、車いすとテニスフォームの見直しを考えています。もちろん肘の回復が最優先。回復してからのいろいろな変化を頭でイメージできているので、それらを試す予定です。全豪オープンには間に合いませんが、全米オープンくらいまでには、よい状態にもっていきたいです」
Q 肘の診断は?
国枝「肘の腱を傷め、ドクターより3ヵ月の休養が必要との診断を受けました。2017年1月末までは休養する判断をしています」
Q 若手選手が登場してきて、車いすのプレースタイルが変化し始めています。どのようにお考えでですか?
国枝「若手選手はパワフルで、攻撃的なショットを選択するケースが早いです。それに対抗するためにも、自分自身も、より攻撃的になる必要があると考えています。まずは万全な状態にして対戦したいです」
Q 10年近く「俺は最強だ」の信念のもと、世界ナンバーワンとして戦ってこられました。ここ最近の思いを教えていただけますか。
国枝「従来通りの思い(俺は最強だ)でよいのか、自分でも問い詰めています。今はすべてを見直そうと考えていますが、(その言葉は)未だにそう思っていますし、ラケットにも貼ってあります。ただ、これから新しいスタートを切るからには、メンタルを含め、自分自身と相談したいです。万全な状態であれば、まだまだ活躍できると確信していますが、今年一年はそれを確かめることができなかったので、来年は体を万全な状態にすることが最優先です」
Q 2020年東京パラリンピックに向けての目標をお聞かせください。
国枝「今年は、苦いパラリンピックになりました。東京パラリンピックでは、ホームでもありますので、最大の目標はもちろん金メダルです。まずは万全な状態で、コートに上がることが大事と思います」
Q 2020年東京パラリンピックでのシングルス4連覇は果たせなくなってしまいましたが、その東京で、金メダルまでの距離をどう考えていますか。
国枝「以前よりは遠いと感じていますが、万全な状態でプレーすれば、どうなのかと気になっています。新しい構想もあり、それをどううまく回していくかを考えているところです。来年のグランドスラムで目にしていただいたときに、いろいろな部分が変わったと感じてもらえると思っています」
くにえだ・しんご◎東京都出身。9歳の頃、脊髄腫瘍を発病し、車いす生活を送ることに。2年後、母のすすめで車いすテニスと出合う。高校に入ると国内大会で頭角を現し、その後、海外遠征を経験。以降、築き上げたキャリアは枚挙に暇がない。2004年パラリンピック・アテネ大会ダブルス金メダル、アジア人初の世界ランキング1位、車いすテニス史上初の年間グランドスラム、前人未到のパラリンピック・シングルス2連覇(北京&ロンドン)、シングルス連勝記録「107」など。2020年東京オリンピック・パラリンピック招致のアンバサダーを務め、パラスポーツ普及のキーパーソンでもある
(WOWOW)