5日間にわたって行われた今大会。男女共に決勝進出は舵手なしクォドルプルのみ。満足できる結果とはいかなかった。2週間後に迫った全日本大学選手権(以下インカレ)に向け、この戦いをばねにする。◆10・7~11 第98回全日本選手権(戸田ボートコ…

 5日間にわたって行われた今大会。男女共に決勝進出は舵手なしクォドルプルのみ。満足できる結果とはいかなかった。2週間後に迫った全日本大学選手権(以下インカレ)に向け、この戦いをばねにする。

10・7~11 第98回全日本選手権(戸田ボートコース)

▼男子シングルスカル(S博田)――準決勝4位

▼女子ダブルスカル(S増田B種田)――順位決定戦3位

▼男子舵手なしフォア(S道端3佐藤2辻B小野田)――敗者復活戦4位

▼男子舵手なしクォドルプル(S門馬3平野2和田B東坂)――決勝4位

▼女子舵手なしクォドルプル(S林原3西田2村岡B岡田)――決勝4位

▼男子舵手つきフォア(S山本3鈴村2藤井B小林C東)――順位決定戦1位

▼男子エイト(S岡本7木村6鎌原5茂見4佐々木3境2河畑B武藤C対比地)――準決勝5位

▼女子エイト(C佐藤S磴7田口6黒沼5山吹4塩田3樋口2田草川B中山)――順位決定戦3位

 攻め抜くことができなかった。決勝に進出し、優勝争いも期待された女子舵手なしクォドルプル。他艇のスタートが速いことを予想した明大は、最初の500メートルで攻めの漕ぎを試みる。すると900メートルを過ぎたあたりで、徐々に4人のタイミングが合わなくなり「自分たちの思うようにできなかった」(村岡美晴女子部主将・農4=日田三隈)と全5組中4位でのゴール。それでも「乗り始めた頃よりはとても良い感覚がある」(西田結惟・文3=加茂)と〝本番〟として位置付けるインカレに向け好感触を得た。

 男子舵手なしクォドルプルは、敗者復活戦を勝ち抜き決勝に進出。決勝に残ったことについては多少の手応えを感じたが、相手は全クルーが大学生。「インカレにもつながるので絶対に勝ちたかった」(門馬健将・政経2=会津)。500メートル地点は3位で通過するも、その後は他大学に圧倒され「力不足を感じた」(門馬)と1位から13秒遅れの4位でゴール。インカレまで残り2週間と時間は限られている。技術面での向上はもちろん「レースに挑む姿勢から他大を倒す気持ちで臨む」(門馬)と心技体を1つにし、ラストスパートをかける。

 長い自粛期間を終え、ようやく全体練習が始まったのは7月の上旬。全日本選手権、インカレの開催が無事決まり「残り3ヶ月で自分たちに何ができるか、調整しなければならなかった」(佐々木心主将・商4=田名部)。限られた時間の中での練習を強いられた。個人種目とは違い、クルーボートでは仲間と息を合わせて漕ぐことが重要になってくる。全体練習ができない期間があった分、時間はいくらあっても足りない。しかし「まずは大会が開催されることに感謝をしたい。どの大学も条件は一緒なので、与えられた時間を有効に活用できるかが勝利のカギになる」(佐々木)。選手達が口を揃えて目標に掲げるインカレでの〝男女総合優勝〟。チーム一丸となって、向かい風にも懸命に前へ漕ぎ進める。

[佐藤慶世]

試合後のコメント

門馬

――今回のクルーはご自身以外1年生でしたがいかがでしたか。

 「彼らは全員熊本出身なので、1年生同士馴染みがあってやりやすかったか気がします。自分は引っ張っていく立場なので3人がまとまってくれていたことはありがたかったです」

――クルーリーダーとして意識していたことはございますか。

 「上級生として、彼らに最初の大会を良い結果で飾らせてあげたいと思っていました。高校と大学のレベルは全然違うので、相手のレベルは自分たちが思っているより一段上だということは伝えていました」

村岡

――学年が変わって心境の変化はありましたか。

 「最上級生として、競技に対して後輩が先輩に言いにくい環境を絶対に作りたくなかったです。女子部の主将になってからは、これまでは壁を作りやすい環境だったのでまずはそこから変えようと思いました。1年生のこともこき使うのではなく、女子部にとってはインカレ等で下から支えてもらう必要な力なので、先輩と後輩が近づけるようにさまざまなルールを見直しました」

――インカレに向けて意気込みをお願いします。

 「チーム全体では男女総合優勝というのが1番の目標です。女子部の主将としては、女子部の全クルーが決勝の舞台に立ち、あとはやるだけという目標を立てました」

西田

――インカレに向けての課題を教えてください。

 「もとのパワーや力強さといったそれぞれのポテンシャルはどこよりも高いと思っています。あとはスタートの改善、無駄な動きを削り、オールを入れるタイミングを合わせるという意識を持って練習していきたいと思っています。細かいところまで、最後の1週間で仕上げをかけていきます」