元謙太(げん けんだい)●守備 外野・遊撃・三塁・投手 ●身長・体重186cm・85kg●生年月日2002年5月17日●所属 中京学院大中京高●球歴 岐阜東濃シニア ●出身地 岐阜県●投打 右右【写真提供=共同通信】 昨夏の甲子園、ベスト4…

元謙太(げん けんだい)
●守備 外野・遊撃・三塁・投手 ●身長・体重186cm・85kg
●生年月日2002年5月17日●所属 中京学院大中京高
●球歴 岐阜東濃シニア ●出身地 岐阜県●投打 右右
【写真提供=共同通信】

 昨夏の甲子園、ベスト4まで勝ち上がった。「ミラクル中京」は終盤に逆転するゲームが続いた。
 元謙太は熱いものを持ってる。そしとスター性。高校の先輩、松田(ソフトバンク)を継ぐのはこのポテンシャルの塊だろうか。

 去年、2年生の準々決勝、作新学院戦では7番で出場。八回にレフトへの逆転満塁ホームランが強烈だった。
「詰まったんですが、飛んでくれました。バッターボックスの後ろに立つことで、少しでも長く球を見ようとしてました」。球速の伸びを感じたので打つポイントを修正したという。その咄嗟の観察力、センスはプレーヤーとして大事な能力だ。

 今年の岐阜県独自大会、背番号1をつけて、マウンドに上がれば140キロを投げて、優勝は成らなかったが準優勝。去年より球速が7,8キロ速くなったという。

 そして打っても打率6割2分5厘、3ホームラン。広い長良川球場の芝生席に叩き込んでいて、打球が清原和博(元西武など)のよう、と表現もされる。

 昨秋の県大会2回戦、自らの押し出し死球でサヨナラ負けを喫した。また夏の独自大会決勝も2点のリードを守れず、同点ホームランをゆるした。10回6失点と満足のいくものではなかった。そんなこともあってか、将来は打者一本で勝負と決めている。昨年は主にレフト。ファースト、サードもやったが今年は中学でやっていたショートに戻った。華のある大型内野手を目指す。

 小学校6年でドラゴンズジュニアに選ばれた。中学のシニアでは首脳陣に「ドラフト3位でプロに行ける」と言われたそうだ。体を大きく、とにかく食べたという。

 中京の橋本監督が素質に惚れ込み、何度も勧誘に出向いたそうだ。1年生で背番号18でベンチ入りしている。

 昨秋、食事を増やし、筋力トレーニングを重ね、さらに体を大きくした。
「この1年で体重が10キロくらい増え、70~80パーセントくらいの力でも打球が飛んでいく」ミートすれば打球が飛んでいくという。高校通算14本だが芯でとらえた時の飛距離がある。そして遠投は100m、50mを5秒9で走る。

 バッティングフォームは長身でゆったりと大きいので懐が深い。トップに行くまでの動きも小さく、バットはヘッドが投手方向に傾いたりせず、無理がないのでスムーズに動く。足の運びもすり足気味で動きが小さく軸がぶれない。

 あるスカウトは言う。
「体幹が強いから、ツボにはまれば飛ぶ。巨人の坂本と岡本を足して2で割ったような選手」

 身体能力が高く、半端ないスケール感。数年後には内野の要。貴重な右の大砲候補でクリーンアップを打っているだろう。本人の憧れは鈴木誠也だ。