オータムカップ2020は、新型コロナウイルスの影響で中止になった関東大学バスケットボールリーグ戦(リーグ戦)の代替大会として開催された。今年度初となった公式戦の対戦相手は、3年間勝ち星が挙げられていない日本大学。久々の大会ということからか…

 オータムカップ2020は、新型コロナウイルスの影響で中止になった関東大学バスケットボールリーグ戦(リーグ戦)の代替大会として開催された。今年度初となった公式戦の対戦相手は、3年間勝ち星が挙げられていない日本大学。久々の大会ということからか、多くの選手が試合前から不安と興奮の中にあり、思い描いたプレーができずに序盤から苦戦することとなった。前半は激しい攻めに対する守りのかたちが作れず、20ポイント以上のリードを許す。第3QではF宮本一樹(スポ3=神奈川・桐光学園)とC兪龍海(スポ1=神奈川・桐光学園)を中心に反撃。一時は主導権を握り、点差を縮める。しかし、終盤じわじわと点差を離され、53-84で試合を終えた。初戦は課題が多く残るかたちとなった。

 第1Qは両チームともに激しく攻め合い、11-11の接戦を繰り広げる。しかし、後半はリバウンドを取ることができず、反撃に転ずることができなかった。積極的な選手交代で攻めの体制を作りたかったが点差をつけられ、第1Qは18-28で終える。流れを変えたい第2Q、相手の攻撃にディフェンスで苦戦する。「まずディフェンスのところは今まで意識していたところはできなかったですし、簡単なシュートを相手に打たせてしまいました」(G柳川幹也、スポ4=京都・洛南)と相手の得点チャンスを阻止することができず、大量失点を許してしまう。試合は25-48で折り返しを迎える。


積極的にゴールへ切り込む宮本

  第3Qは一転して反撃に出ることに成功。6回のフリースローを獲得し強気の攻めを見せることができた。F宮本一樹が攻め上がり、C兪龍海はダンクシュートを放つなど、13点を獲得。点差を縮め、38-57で第3Qを終える。
逆転への最後のチャンス、第4Q は前Qの良い流れを断ち切りたくないと奮戦。星川堅信(スポ1=京都・洛南)が先制し、序盤は点を取り合う激戦に。果敢に攻めるが、隙を突かれ相手のフリーの選手をつくってしまい、そこを起点とされた失点が目立った。得点を重ねるも日大の猛攻の前に点差を縮めることができず45-65でラスト5分へ。土家大輝(スポ2=福岡・福大大濠)と宮本一樹、兪龍海が得点するも、相手の正確なスリーポイントシュートに苦しむ。失点が重なり、53-84で試合の幕が閉じた。


フリースローを決める兪

  G柳川幹也(スポ4=京都・洛南)は「今までにない苦しい状況」と現在の部について話す。キャプテンのC小室悠太郎(社学4=石川・北陸学園)のけがによる不在、今年度から平久江監督(平59卒)に代わり、学生コーチの森一史(スポ3=東京・西)の指揮での試合。男子バスケ部はコロナ禍に加えて、以前とは大きく異なる状況にある。試合では、「自分達のバスケ」をすることができず、終始多くの失点を許してしまった。しかし、「3Qは、自分達のバスケットが少しできたのかなと思います」と柳川は新体制での手応えを露わにしている。
イレギュラーな中での初戦、全員バスケの理念のもと、積極的に選手を交代するという新たな作戦で臨んだ。宮本はキャプテン不在のため試合での負担が大きくなる中、「数十秒でも代えてもらうことでリフレッシュできて、フレッシュな気持ちで試合に出られる」と新しい作戦での成果を感じている。「それぞれのプレイヤーの良さが40分をかけていろいろなところに出るようにしたい」と目標を語った森は、試合を振り返り、「よくない部分がたくさん出た。直せるところは全部直したい」と新体制を支え作っていく意気込みを話した。
今回見つかった多くの課題を伸びしろに、2回戦では勝利を目指す。

(記事 岸祥太郎、写真 早稲田大学バスケ部提供)

オータムカップ2020
  1Q2Q3Q4Q合計
早大18131553
日大28202784
F#7 宮本一樹(スポ3=神奈川・桐光学園)
G#8 土家大輝(スポ2=福岡・福大大濠)
F#14 星川堅信(スポ1=京都・洛南)
G#38 柳川幹也(スポ4=石川・北陸学院)
C#41 兪龍海(スポ1=神奈川・桐光学園)
コメント

G柳川幹也(スポ4=京都・洛南)

――コロナ ウイルスの影響で初めての公式戦となりましたが、どのような気持ちで試合に臨まれましたか

日本大学さんにはここ3年間勝てていなかったので良い思い出はあまりなかったのですが、そのような意味では自分達のバスケットを続けようという気持ちで試合に臨みました。

――この試合で思うようにできたところ、できなかったことを教えてください

試合を通して九割は自分達のバスケットはできませんでした。まずディフェンスのところは今まで意識していたところはできなかったですし、簡単なシュートを相手に打たせてしまいました。逆に3Qは、自分達のバスケットが少しできたのかなと思います。ここは次に向けて修正しなければいけないところではあります。

――きょうの試合で分かったチームの強み、弱みは何ですか

毎年そうなのですが、ずば抜けたエースプレーヤーというのはいなくても、チーム一丸となって戦うことができる点が強みです。しかし、コートでそれが体現できない時は、苦しい状況になってしまいます。その点については、もっと練習から伸ばしていかなければいけないです。逆に言えば弱みというのも同じで、全員バスケをやっている分、一つの歯車が狂ってしまうとチームが噛み合わなくなってしまいます。その中でも、チーム一丸となってやるというのは早稲田の大きな強みです。

――チームを引っ張る立場としてどのようなお気持ちですか

今、小室がコートに立てていない状況で、例年以上に声を出していかなければいけませんし、小室もプレーでないでチームを引っ張ろうとしています。今までにない困難な時期ですけれども、その中でもできることはあるので、そこをしっかり自分の中でが考えてたいです。

森一史学生コーチ(スポ3=東京・都立西 )

――学生コーチとしてきょうの試合はいかがでしたか

単純に出だしが苦しい試合になりました。それ以外の感想はないですね。

――練習でどのようなことを心掛けているのですか

監督が変わったからダメになったよねということは言われたくないので、そこは常に気にしています。体制変わって、こういう良さもあったんだねと思ってもらえるように、見ていただきたいと思ってます。いろんなプレーヤーが取っ替え引っ替え出て、それぞれのプレーヤーの良さが40分をかけていろんなところに出てくるようにしたいと考えているところです。プレータイムがない選手がいないように心がけています。

――今年の強みは何ですか

昨年よりサイズが上がったことと昨年よりも走れるようになったことです。190オーバーの1年生二人がチームに入ってくれたところや、柳川さん、土屋(G土屋大輝、スポ2=福岡・福大大濠)、神田(G神田誠仁、社2=静岡・浜松開誠館)のガード陣がスピードでかき回すところですね。

p>――次の試合まで時間が空きますが、どこを修正していきたいですか

ほぼ全部ですかね。よくない部分はたくさん出て、落ちるところまで落ちたので、直すところを全部直したいです。

C宮本一樹(スポ3=神奈川・桐光学園 )

――ご自身は前半から当たっていましたが、どのような印象ですか

公式戦もインカレぶりだったので、昨日の夜から不安とわくわくが両方よく分からないくらいありました。きょうは会場に入った時からシューティングの手応えもあったので、前半からやってやろうという気持ちでした。相手の4番プレーヤーも僕からすればアタックできる相手だったことに加え、コーチからも攻めていけという指示があったので、思い切りできました。きょうも後半のスリーポイントやフィニッシュで決められるところは多くあったので、まだまだ改善の余地はあると思います。

――前半、ディフェンスやリバウンドにミスが多く見れられました

コディフェンスのところで全部受けてしまって、フニッシュの後に全部引いてしまったときに簡単に決められてしまうシーンが多かったので、そういうところはハーフで修正しました。「前半たくさん点を取られてしまったけれど、後半同じくらい取れば追いつくからもっと思い切ってやれ」と言われ3Qに入りました。そこで切り替えられたと思います。これは試合展開としては良くないことですが、きょうはそんな試合でした。

――小室選手らの復帰状況がまだ分からない中で、F兪龍海(スポ1=神奈川・桐光学園)選手や宮本選手にはハードワークが求められます

きょうもフルで40分出ることはなくて、数十秒替えてもらうだけでもリフレッシュできるので、きょうは30分ほど出ているのですが、4番5番の僕と龍海が30分以上出ることはほぼ確実です。プレータイムは長いですが、」僕らが先頭を走るくらいの勢いでいこう、ガード陣もかき回してくれる()ということをきょうは話していました。何度かいい部分は出たのでそこは継続していきたいです。龍海も練習試合では爆発していたのですが、初の公式戦ということで緊張していたのかなと思います。フィニッシュまでは行けていたのですが、そこでミスが目立っていました。本人も反省していたので、次からは大丈夫です。