10月12日、東京六大学野球秋季リーグの第4週2日目が行われ、第1試合では、明大が5対0で法大に2日連続の快勝。竹田祐(3年・履正社)が5回まで完全、7回2死までノーヒットノーランの快投を演じた。4回裏、2点を先制して盛り上がる明大ベンチ…

 10月12日、東京六大学野球秋季リーグの第4週2日目が行われ、第1試合では、明大が5対0で法大に2日連続の快勝。竹田祐(3年・履正社)が5回まで完全、7回2死までノーヒットノーランの快投を演じた。

4回裏、2点を先制して盛り上がる明大ベンチ。前日に続いて試合の主導権を握った

 前日の同対戦をエース・入江大生(4年・作新学院)の完封で勝利した明大は、リーグ通算4勝4敗の竹田が今季初先発。一方、前日のリベンジを果たしたい法大は、リーグ通算3勝3敗で今季防御率0.50を誇る左腕・鈴木昭汰(4年・常総学院)が今季4度目の先発。秋空が戻った神宮球場で試合が始まった。

 序盤、明大は走者を出しながらも無得点。3回表2死2塁から4番・上田希由翔(1年・愛産大三河)が放ったセンター後方への打球も、中堅手・岡田悠希(3年・龍谷大平安)の好捕に阻まれた。しかし、4回表に先制点を奪う。2死から7番・陶山勇軌(3年・常総学院)、8番・西山 虎太郎(2年・履正社)の連打で1、3塁のチャンスを作ると、9番の竹田がカウント2-2からしぶとく三遊間を破るタイムリー。続く1番・日置航(2年・日大三)も、追い込まれながらもレフト前へ運んで2対0。明大が前日に続いて先制点を奪った。

 マウンド上では、先発の竹田がリズムの良いピッチングを続けた。序盤3回を内野ゴロ6個、三振3個とパーフェクトな立ち上がりを見せ「公家さんに3回でいいから抑えろと言われていたので押さえられて良かった」と竹田。その後も「1アウト1アウトを大事に」と、両コーナーに投げ分けながら打たせて取り、5回まで1人の走者も許さずに打者15人でピシャリ。6回に死球で初めての走者を許し、盗塁で無死2塁、さらに1死3塁のピンチを背負ったが、代打・中原輝也(3年・尽誠学園)、1番・岡田を連続三振に仕留め、渾身のガッツポーズを披露。すると直後の7回表に、4番の上田が2死2塁から「打ったのはインコースのストレート。狙っていた」と右中間を破るタイムリー3塁打で貴重な追加点。竹田のノーヒットノーランは、7回2死から4番・村田雄大(4年・横浜)にレフト前ヒットを打たれて途切れたが、そこから髙橋聖人(3年・小諸商)、磯村峻平(3年・中京大中京)と繋ぎ、最後はエース・入江が締めて完封リレーを完成させた。

敗れた明大は、先発の鈴木が6回を8安打2失点と粘ったが、前日無得点に終わった打線がこの日は2安打のみとさらに沈黙。最終回に前日先発した高田孝一(4年・平塚学園)がマウンドに上がったが、明大の1年生4番・上田にタイムリーを浴びて2失点。「重症です」と青木久典監督。2日連続での完敗だった。

明大の先発・竹田は6回2/3、86球を投げて無失点。1安打1死球で8奪三振という文句なしの内容だった

■明治大vs法政大2回戦
明大 000 200 102=5
法大 000 000 000=0
【明】○竹田、髙橋、磯村、入江-植田
【法】●鈴木、三浦、山下輝、高田孝-大柿

◎明治大・田中武宏監督
「昨日は入江1人に任せましたけど、今日は入江を含めてピッチャーを7人入れて繋いで行こうと考えていた。竹田がこの2週間で修正してくれて、本来の力はまだ出し切っていないとは思いますけど、いいピッチングをしてくれた。上田は誰が見ても4番。入部してから彼の技術を見たら(4番は)当然だと思う」

◎明治大・竹田祐(3年・履正社)
「ストレエートが良くて、他の変化球も全部生きた。ストレートが良かったのが一番。コントロールが良かった。(完全試合、ノーヒットノーランは)意識はしなかった。一人一人、1アウト1アウトずつ取ることを意識していた。春のリーグ戦はチームにすごく迷惑をかけたので、今日、チームを勝たせるピッチングができて良かったです。いい感じで試合に入れた。守備陣もうまく守ってくれた」

◎明治大・上田希由翔(1年・愛産大三河)
「(2安打3打点の活躍に)いいところを見せようとは思っていなくて、1打席1打席、チャンスでまわしてくれるので、それに応えようと、集中して打席に入りました。オープン戦から打てなくても監督さんがずっと使ってくれたので、その期待にも応えたい。昨日は崩された形での2本だったけど、そこから練習で修正できた。次もチャンスで回って来ると思うので、1本打ってチームに貢献したい」

◎法政大・青木久典監督
「今日も朝、早出で打ち込ませたんですけど、なかなかうまく行かないですね。ファーストストライクから積極的に打って行きなさいと言ったんですけど、まだ重かった。ようやく後半になって振れて来ましたけど…、ちょっと重症ですね。竹田君には要所要所でインコース真っ直ぐを投げられて、打者がなかなか踏み込めなかった。コーナーを使って、丁寧に投げられた。ここまでは結果がすべて。1週空くので、その後にどう巻き返すのかということで今は頭がいっぱいです」

◎法政大・鈴木昭汰(4年・常総学院)
「昨日負けていたので、どうしても相手に流れを与えたくなかった。状態は悪くなかったんですけど、(4回に)2点を取られてしまったところに悔いが残ります。2アウトから繋げられたので、どこかのバッターで途切れさせていれば、と。踏ん張り切れなかった。ストレートで押すピッチャーだとは思っていないので、もっと打者とのタイミングをずらしていかないといけない」