弓道が帰ってきた。新型コロナウイルス感染症の影響により、例年秋に行われていた東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)が中止になり、その代替大会が開かれた。今年は例年と形式が異なり、オンラインでの開催だ。そんな普段とは違う難しさがある中、125中…

 弓道が帰ってきた。新型コロナウイルス感染症の影響により、例年秋に行われていた東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)が中止になり、その代替大会が開かれた。今年は例年と形式が異なり、オンラインでの開催だ。そんな普段とは違う難しさがある中、125中―98中で東工大に勝利。早大は矢内健(人4=東京・広尾学園)が主将として初めて臨んだ公式戦を勝利で飾った。

 序盤、早大は不安定な立ち上がりとなった。1立目では壱ノ立・弐ノ立合わせて32射中21中。続く2立目でも32射中22中と流れに乗れないまま3立目を迎える。ここで早大は弐ノ立で落を務めていた内田稔己(基理4=福岡大大濠)に代わり、阿部悠理(教4=宮城・仙台一)を投入する。すると代わったばかりの阿部は皆中。この立では全体でも32射中26中と立て直すことに成功する。


途中出場ながら12射11中の阿部

 早大は3立目で立て直した勢いままに、4立目で流れに乗った。壱ノ立では4名中2名皆中。弐ノ立では4立目から出場の善村泰成(教育3=東京・早実)を含め、4名中3名が皆中で底力を見せた。これにより4立目は全体で32射中30中。5立目も安定した射的を続け、125中―98中で東工大に勝利した。


20射18中の活躍をみせた長沼

 今年の早大弓道部のスローガンは『黎明』。そのスローガンの通り、新しい時代の幕開けにふさわしい試合となった。最初から最後まで好調を保ち、チームを支えた長沼俊太郎(社3=東京・早大学院)が「自分のやるべきことを意識して、最後まで引き切ることを実践できた」と話す。公式戦初出場となった1年生の田沼翔太(スポ1=東京・桜修館)の活躍もひかり、実力を示すことができた。このままの勢いで早大弓道部は連勝を飾ることができるか。

(記事・記事 荻原亮)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

壱ノ立
大前 田沼 20射17中

弐的 大森青馬(政経4=千葉) 20射15中

落前 長沼 20射18中

落  千葉智広(先理3=東京・早大学院) 20射18中

弐ノ立
大前 村岡晃輔(文構2=群馬・高崎) 20射16中

弐的 大澤暢(創理2=東京・早実) 12射5中

   善村 8射中8中

落前 眞武希光(社3=東京・早実) 20射14中

落  内田 8射3中

   阿部 12射11中

コメント

矢内健主将(人4=東京・広尾学園)

――主将に就任して初めての公式戦でしたが、どのような心持ちで試合に臨んだのか教えてください

そうですね、僕自身が公式戦だからといって、変に緊張したり今までと違うことをやったりすると部員全員が緊張してしまうと思ったので、できるだけ普段通りを意識してやっていこうと思っていました。

――自粛期間を明けての公式戦だったと思いますが、その間どのような練習を行なってきましたか

そうですね。緊急事態宣言明けあたりは大学側からの制限があり、その期間は正式な全体練習という形ではなく、できるだけ人数を分散しての練習を行い、そこで教え合う練習をしていました。だんだん規制が緩和されていくにつれて、ある程度人数が集まれるようになると、全員で集まって練習という形をしました。

――矢内主将は選手としては参加していませんでしたが、本日のオンライン開催という形式が、試合にどのような影響を与えたのか聞かせてください、

そうですね。例年とは違った形式なので、選手も裏方も慣れない部分が多い中緊張しているところはあったと思います。でもみんな比較的臨機応変に動いてくれたので今日はうまく試合を行うことができたと思います。

――最後に主将として今後弓道部をどのようにしたいか聞かせてください

そうですね。やっぱりまだ弓道に向き合う姿勢というのが人によってバラバラな部分があるので、それを日本一という目標に向けて、全員が弓道に専念できるような環境づくり主将としてやっていきたいなと思います。

長沼俊太郎(社3=東京・早大学院)

――本日の試合では20射18中という成績を残されましたが、その好調の要因を教えてください

今までの試合では緊張した場面で弱い自分が出てしまい、(弓を)抜いて安心してしまう自分がいたので、徹底的にそれと戦って(自分に向けて)今持っている一本は絶対当てるという意識を持って臨んだので、その結果が出たのかなと思います。

――壱ノ立が最後までチームとして好調を保っていましたが、その要因を上級生としてみてどう思われますか

特に初立にいた4人が特にチームの流れとかを変に意識することもなく、自分のやるべきことを強く意識して、それを最後まで引き切るということを実践できたのが好調の要因だと思います。

――リモート開催となり普段と違ったところややりにくさを感じたところはありますか

リモートだとどうしても対戦校との通信のやり取りでペースが崩れていまい、今立ち入るんじゃないかとかの感覚の空きがまちまちになってしまうので、緊張を保つのが難しい部分があったのでそこが普段と違ったところです。

――感覚がまちまちになってしまうところはどのようにして緊張感を保っていましたか

そうですね、間隔がはやいと自分の場合はあまり反省できないので、もうさっきのことは忘れて次の一本、次の一本と先のことを考えるようにしていました。

田沼(スポ1=東京・桜修館)

――今日が新体制となって初の公式戦でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか

そうですね、やはり最初の試合で勝つというのはここから5週ある戦いの中で重要だと思ったので、1年なので、少しでも部に貢献できればという思いで引きました。

――今日は1年生として唯一の出場でした

結局1年とは言っても試合に出れば学年というのはあまり関係ないので、メンバーに入ったからには全力で20射引こうと考えていました。

――壱ノ立の大前というポジションについてはどう思われますか

今日は最初の矢を抜いてしまったのですが、早稲田の壱ノ立は他大学と比べても引くのが早いほうだと思うので、自分の初矢から始まって、どれだけ当ててプレッシャーをあたえられるかというのも役割の一つだと思っているので、その1本目を、チーム鼓舞する意味も込めて、いかに当てるかというところを頑張りたいと思います。

――早大弓道部はご自身にとってどのような場所でしょうか

大学がオンライン授業で、実際に人に会えるのがここだけなので、自分の居場所でもありますし、高校と比べても先輩や指導陣の方も多く、レベルも高いので得るものも大きいと感じます。

――今後のリーグ戦意気込みをお願いします

今日ももっと当てたかったですが、抜いたものは仕方がないので、できれば残りの20射×3戦を全部当てたいです。1本1本に集中して、やるべきことを引き切ればいいかなと思います。