秋のGIシリーズ、古馬中距離戦線のステップレースとなるGIIオールカマー(中山・芝2200m)が9月27日に行なわれる…

 秋のGIシリーズ、古馬中距離戦線のステップレースとなるGIIオールカマー(中山・芝2200m)が9月27日に行なわれる。

 過去10年の1番人気の成績は、3勝、2着3回、3着1回、着外3回。比較的安定して結果を残しており、大波乱が少ないレースと言える。ちなみに、勝った1番人気の馬は、単勝2.0倍以下の馬。断然人気の馬がいれば、馬券の軸と考えていいだろう。

 しかし今年は、1番人気が予想されたフィエールマンが直前で回避。代わって、1番人気に推されそうなのは、昨年のGI秋華賞(京都・芝2000m)、GIジャパンC(東京・芝2400m)で2着となったカレンブーケドール(牝4歳)か、昨年の2着馬で今春のGI天皇賞・春(5月3日/京都・芝3200m)で3着となったミッキースワロー(牡6歳)か。

 どちらにせよ、単勝オッズが2.0倍以下の支持を得られるかどうかは微妙。軸にするには、心許ない存在と言える。現に、日刊スポーツの太田尚樹記者はこう語る。

「カレンブーケドールは、牝馬ながら牡馬相手に安定した成績を残していますが、今回は開催が中止となったドバイ帰りで、およそ7カ月ぶりの実戦。昨秋、3カ月以上の休み明けで臨んだGIII紫苑S(中山・芝2000m)でも3着に敗れていますし、目標はまだ先ですから、絶対視はできません。昨春のスイートピーS(東京・芝1800m)以来、勝ち切れていないという事実もありますからね」

 片や、ミッキースワローについては、「2200mという非根幹距離がドンピシャな条件。上位人気が予想されますが、重視すべき存在でしょう」と、スポーツ報知の坂本達洋記者。軽視しすぎるのは禁物か。

 その他の有力どころはどうか。坂本記者はこう分析する。

「前走でGIII七夕賞(7月12日/福島・芝2000m)を快勝したクレッシェンドラヴ(牡6歳)も有力視されていますが、カレンブーケドールも含めて、これら実績馬にとって、今回は先にある大舞台を見据えての叩き台。ここが"メイチの勝負"ということはないように思います」



オールカマーでの大駆けが期待されるセンテリュオ

 こうした状況を踏まえて、太田記者が穴馬候補に挙げたのは、センテリュオ(牝5歳)だ。

「今の中山は馬場が荒れているとはいえ、良馬場なら、面白い存在と見ています。昨秋のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)で4着と健闘し、前走のGIIIマーメイドS(6月14日/阪神・芝2000m)ではトップハンデの55kgを背負いながらも2着と好走。やや重の馬場で、前残りの展開だったことを考えれば、勝ちに等しい内容だったと思います。

 全兄トーセンスターダムはオーストラリアに移籍後、6歳になってからGI2勝を挙げました。遅咲きの血統で、これからまだまだ期待できます。同馬を管理する高野友和調教師も『馬体が充実してきて、もっと上を目指せる』と、今後に向けての手応えを口にしていました。

 また、今回はコース適性を見込んで、あえて牡馬にぶつけてきました。10月にある牝馬限定のGII府中牝馬S(東京・芝1800m)に臨むことも視野に入れていたと思いますが、『(東京のような)直線がダラ~ッと長い左回りで走るイメージがない』(高野調教師)という見立てもあっての選択のようです」

 太田記者はもう1頭、推奨馬を挙げる。

「ステイフーリッシュ(牡5歳)です。何より手堅さが魅力。2200mという距離も、過去4戦して1勝、2着2回、3着1回と適性が高いです。

 特に年明けのアメリカジョッキークラブC(2着。1月26日/中山・芝2200m)では、勝った1番人気のブラストワンピースを最後まで苦しめました。それに、同レースでは今回有力馬に挙げられるミッキースワロー(4着)にも先着しています。時計がかかる今の中山の馬場も合うと思います」

 一方、坂本記者が狙うのは、長期休養明けの2頭だ。

「1頭はジェネラーレウーノ(牡5歳)。右前脚の浅屈腱炎で、1年8カ月の長期休養を強いられました。それでも、先週の1週前追い切りでは、美浦の坂路で50秒6-12秒0の一番時計をマーク。終(しま)いもきっちり伸ばして、脚力健在をアピールしました。

 3歳時には、今回と同じ舞台のGIIセントライト記念を完勝。持ち前の先行力とスピード持久力を生かせるコースとの相性は抜群です。時計のかかる今の馬場も、この馬向き。今回は少頭数で、マイペースの逃げも叶いそう。他に行く馬がいなければ、まんまとハマる逃走劇が見られるかもしれませんよ」

 坂本記者が推すもう1頭も、ジェネラーレウーノと同世代の馬だ。

「オウケンムーン(牡5歳)です。脚部不安によって、ジェネラーレウーノよりも長く戦列を離れていましたが、3歳時にはGIII共同通信杯(東京・芝1800m)を制すなど、もともと力のある馬でした。

 ジェネラーレウーノが勝ったセントライト記念では、メンバー最速タイの上がりをマークして5着に食い込みました。距離と舞台は合っている印象があります。トニービン系のオウケンブルースリを父に持ち、母の父エリシオという血統から、時計のかかる馬場も合いそうです」

 同馬を管理するのは、国枝栄調教師。人気のカレンブーケドールとの2頭出しとなるが、坂本記者がこちらに目を向ける理由は何なのか。

「美浦の坂路での1週前追い切りでは、カレンブーケドールをあおる勢いの動きを見せていたからです。国枝調教師も『馬体の感じは(休養前と)変わらないが、無駄肉がついていないし、仕上がりはいい。長期休養明けで甘くはないが、動きはいい』と評価していました。ハマれば、一発あってもおかしくありません」

 いよいよ本格化していく秋競馬。これから迎える大舞台を前にして、驚きの激走を見せてくれる馬は登場するのか。ここに挙げた4頭に、そんな期待を託してみるのも悪くはない。