プロ野球中継の「配球当てゲーム」では驚異の的中率8割を誇る 秋季首都大学野球リーグが開幕し、連日ドラフト候補たちにスカウトの熱い視線が注がれている。20日に行われた東海大戦の8回に登板し、2回を1安打無失点に封じた村木文哉投手は、184セン…

プロ野球中継の「配球当てゲーム」では驚異の的中率8割を誇る

 秋季首都大学野球リーグが開幕し、連日ドラフト候補たちにスカウトの熱い視線が注がれている。20日に行われた東海大戦の8回に登板し、2回を1安打無失点に封じた村木文哉投手は、184センチ87キロの恵まれた体格を誇る最速147キロ右腕だ。

 同点に追いつかれた直後の8回、2番手としてマウンドに上がった村木は立ち上がりを3者凡退。9回には先頭打者に長打を浴びるも後続を抑え、短期決戦の今リーグで貴重な1勝を挙げた。

 もともと科学的な指導での球速アップを目標に、先進的な指導を行う筑波大に進学した村木だが、コロナ禍での自主練習中も毎日のように川村監督にフォームを動画で送り、自粛明けには最速を更新するなどスケールアップした姿で帰ってきた。

 チームメイトも驚くのが野球に対する意識の高さだ。あるナインは「道具の扱いとか、グラウンド整備とか、技術以外の面でも野球に対する意識がすごく高い。グラブとかは毎回乾かしたり、磨いたりと手入れを怠りませんし、整備も毎回必ず村木が仕上げを担当する。普段からマウンドを気にしてますし、やれることをすべて整えてから試合に臨む準備ができている」と舌を巻く。

 また、寮では毎晩食事の時間にテレビのプロ野球中継が流れるが、村木がよくチームメートに持ちかけるのが配球当てゲーム。「『お前だったら次何投げる?』と聞いてくるんです。村木の予想が外れることは滅多にない。予想が当たった後は、得意げにその理由を解説してくれるので、チームとしても助かります」(ある選手)。日常的に各投手や捕手の傾向を分析しており、的中率は驚異の8割越えを誇るという。その的中率から、中には「投手にしておくのがもったいない」との声まで。

 すべてを野球のために捧げてきた4年間。春のリーグ戦は中止となってしまったが、最後の秋にその集大成をアピールする。(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)