世界中の才能ある選手を発掘することはそう簡単ではないが、FCバルセロナのようなクラブにおいて、強化部門への若手選手の発掘のプレッシャーは非常に大きい。 アルベルト・プッチは、2003年からラ・マシアでスカウト、コーチ、ダイレクターを務め、F…

世界中の才能ある選手を発掘することはそう簡単ではないが、FCバルセロナのようなクラブにおいて、強化部門への若手選手の発掘のプレッシャーは非常に大きい。
アルベルト・プッチは、2003年からラ・マシアでスカウト、コーチ、ダイレクターを務め、FCバルセロナの若手選手育成に携わった。この間、プッチはアンス・ファティ、リキ・プッチ、久保建英ら数多くの才能ある未来のスターと契約した。
アルベルト・プッチは、フランス誌『France Football』のインタビューで教え子達との当時の記憶を次のように語っている。
「アンスとリキはどちらも素晴らしい選手で、輝かしい将来がある。リキには多くの才能があったが、フィジカルな点からトップチームへの抜擢に不安があった。短期的には即戦力にはならないかもしれないし、トップチーム加入が彼の成長にブレーキをかけるかもしれないと思った」
「アンスの場合はまた違った。彼は純粋な才能があり、トップチームへの加入の議論の余地はなかった」
「久保が採用されたのは、日本におけるバルサアカデミーの一つをコーディネートしているオスカル・エルナンデスのお陰だった。彼は私に『才能ある日本人選手がいる』と話し、久保の家族もスペイン行きを支持していた。私はエルナンデスと選手を信頼し、久保も1週間の間テストを受けにバルセロナへ来てくれた」
「最初に何回かボールに触れるのを見た時から、この少年の才能は並々ならぬことを実感した。そして私は彼と契約した。久保はフィールドにおいてリスクを取ることを躊躇しないメンタルの強い少年だった。非常に個性的で、テクニックがあるのは明らかだった」
2020年のシーズンからアルビレックス新潟の監督として初の挑戦を楽しんでいるアルベルト・プッチは、チアゴ・アルカンタラやマルク・ククレジャ、ダニ・オルモといった選手らのバルサ移籍をも実現している。
「私はイ・ガンインやブラヒム・ディアス、セルジ・ロベルト、ムニル、オリオル・ロメウ、イニャキ・ペーニャ、アダマ・トラオレ、ジョン・トラル、フアン・ミランダ、パブロ・モレノ等の選手らも忘れられない。彼ら全員に歴史があり、彼ら全員との素晴らしい思い出がある」
「本質的なことは選手を発見して契約することではなく、これらの将来性のある選手らを訓練し、教育し、指導することだ。成功への道のりは長く、難しく、非常に多くの外的要因が絡んでくる。しかし、全ての基本は純粋な才能だ」とプッチは続けた。
アルベルト・プッチはバルセロナの未来であるアンス・ファティとリキ・プッチを発掘した時の思い出についてこのようにも話している。
「アンスが9歳の時、彼はアフリカから到着したばかりだったが、ダイヤモンドの原石のようで、彼のプレーは喜びにあふれていた」
「リキがプレーするのを初めて見た時、彼は11歳だった。年々進化していく姿を見て、14歳になった時にマシアに連れ行く時期が来たと判断した。彼の大きなハンデはフィジカル面だったが、ある意味そのおかげで彼は精神的に強くなり、戦術的により良い選手になるきっかけにもなった」