春季オープン戦でのけがや新型コロナウイルスの影響によって思うように活動ができなかった中、副将に就任してから初めての東京六大学リーグ戦(リーグ戦)を迎える吉澤一翔副将(スポ4=大阪桐蔭)。日本一を目指す彼に、けがの期間の取り組みや春季リーグ…

 春季オープン戦でのけがや新型コロナウイルスの影響によって思うように活動ができなかった中、副将に就任してから初めての東京六大学リーグ戦(リーグ戦)を迎える吉澤一翔副将(スポ4=大阪桐蔭)。日本一を目指す彼に、けがの期間の取り組みや春季リーグ戦に向けた意気込み、優勝への熱い思いを伺った。

※この取材は8月1日に行われたものです。

「野球ができる喜び」


オンラインで質問に答える吉澤

――延期されていた春季リーグ戦がいよいよ始まりますが、現在の心境はいかがですか

 いよいよやなって感じです。

――3月に行われた春季オープン戦の序盤では、出場した全試合で安打を放つなど好調な様子を見せていました。振り返っていかがですか

 スタメンで出たら1本は最低打たなあかんっていうのはあるので、そこに関しては達成できたのですが、自分の場合はチャンスでの1本というのが求められているので、もうちょっと打てたのかなというのはありました。

――冬の期間に意識して取り組んだことはありますか

 全体的にパワーアップすることはもちろんなのですが、確実性が自分には欠けていたので、 ティーであったり、バッティング練習であったり、常に内容を良くというのは考えてやりました。

――それは実際に試合で生かせましたか

 1日1本なのでまだまだやとは思うのですが、前よりは良くなっているかなと思います。

――その後けがをされてしまいましたが、その時の心境をお伺いできますか

 正直きつかったです。当たった瞬間は折れてへんかなと思っていたのですが、結果折れていて、仕方ないなというのはありました。(けがをしたのは)腕なので、下半身をその間に鍛えてパワーアップして戻ってこようと思っていたのですが、なかなかうまく治らずに結局3カ月経って、結構自分的にはつらかった期間でした。

――けがが治るまでの期間はどのように過ごされていましたか

 右腕は全く使えず、上半身のトレーニングは全くできなかったので下半身中心に鍛えていたのですが、スイングもできないし、特にやることはほぼなくて。骨折する前は結構体が出来上がっていたので、3月、4月はそこからなるべく落とさずにとにかく筋力を維持して、うまくいけばもっと強くなるということをイメージしながらやりました。

――新型コロナウイルスの影響で活動ができない期間に、何か取り組んでいたことはありますか

 自粛期間はギブスも取れていてトレーニングはやりやすくなりましたが、素振りはできなかったので、とにかくウェイトトレーニングをやっていました。

――全体練習ができない中、副将として心掛けていたことはありますか

 寮生だけになるのですが、寮の中で自主練なので、どれだけ個人で追い込めるかというのが大事になってきて。それは言葉でやれよと言っても伝わらないので、自分が骨折している中で1番練習する姿を見せていればみんなも動いてくれるのではないかなと思って、自分が積極的にトレーニングをやっている姿を見せたりして、みんなの気持ちを奮い立たせるようなことを自分の中では意識してやっていました。

――その後、全体練習が始まってからはいかがですか

 野球ができる喜びというか、そういうのを噛み締めた感じでしたね。

――技術面で意識して取り組んだことはありますか

 とにかく確実にバットの芯で捉えるというのを意識して、毎日バッティング練習をやりました。

――冬から春先は一塁を守っていましたが、最近は二塁を守っていると思います。守備面の状態はいかがですか

 セカンドはやっぱり難しいので、とにかくたくさんノックを受けて、経験積んで、元気出してやるだけかなと思っています。

「全力疾走」


昨秋の法大2回戦で左前打を放つ吉澤

――副将として迎える初めてのリーグ戦ですが、心境の変化はありますか

 最上級生になったので自分勝手なプレーはできないですし、チームのためにという思いがさらに強くなったので、普段のオープン戦も2、3年のときよりも緊張しますし、一つの行動に対して責任を持たないといけない立場なので、結構緊張感はあります。

――プレッシャーは感じていますか

 プレッシャーというほどではないのですが、もうがむしゃらにやるだけやなと思っています。

――新型コロナウイルスの影響で例年とは状況が違うと思いますが、ご自身としてもチームとしても何か影響はありますか

 自粛期間があったので、やっぱりみんな野球ができる喜びみたいな、楽しさみたいなのがあるので、練習態度も全然いつもと違いますし、泥臭くというか、そういうのはコロナの影響でよくなったと感じます。

――以前の新体制対談の際に、「日本一のチームをつくりたい」とおっしゃっていましたが、それは今の時点でどのくらい実現できているとお考えですか

 リーグ戦もまだ始まっていないので、まだまだやっぱりわからないですが、日々日本一というのを掲げてみんなやっているので、マイナスな方向には行っていないと思います。

――今のチームの雰囲気はいかがですか

 オープン戦が入ってきて、今日も立正大、その前のセガサミーとなんとか2連勝できています。残り3試合あるのですが、そこでなんとか勝って、勢いつけてリーグ戦に持っていきたいと思っています。

――期待している選手はいますか

 早川(隆久主将、スポ4=千葉・木更津総合)ですね。早川はキャプテンになって、いつもと違う早川が見られるのでないかなと思っています。

――吉澤選手にとっての大学ラストイヤーですが

 2年のときにそこそこの活躍をして、そこからうまくいかなくてという期間があって、4年ではやっぱりその分も返したいという思いも結構あるので、とにかく全力疾走で頑張りたいなと思っています。

――来年以降の進路は現時点でどのようにお考えですか

 自分は社会人野球の方でやらせてもらう予定です。

――春季リーグ戦で注目してほしいポイントがあれば教えてください

 全力疾走です。

――その心は

 今やっているのが、守備位置まで全力疾走とか、細かいところなのですが、そこでチームをなんとかいい方向に持っていけたらなと思っているので、全力疾走です。

――春季リーグ戦での目標はありますか

 もちろん優勝で、夏なので暑いし、いろいろ違った部分があると思うのですが、とにかくみんなが同じ方向を向いて、一戦一戦の戦いなので食らいついて勝つだけやと思っているので、とにかく勝つということを目標にして頑張りたいなと思います。

――個人としてはいかがですか

 やっぱり打点王を掲げて、達成したいなと思っています。

――最後に春季リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

 走って守って勝ちたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 芦澤りさ)

◆吉澤一翔(よしざわ・かずと)

1998(平10)年5月29日生まれ。172センチ、77キロ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投右打。新型コロナウイルスの影響を受けた活動停止期間後には、野球ができる喜びを実感した吉澤選手。最上級生、そして副将という立場になり、責任感、緊張感を持って日々取り組んでいます。けがを乗り越え、副将としてチームを引っ張る吉澤選手の全力疾走に注目です!