見栄、闘争心と無縁 見習うべきところを素直に見習う姿勢

■西武 8-7 ソフトバンク(27日・メットライフ)

 西武の山川穂高内野手が27日、ソフトバンク戦の7回にバックスクリーンへ劇的な逆転4号3ランを放ち、チームに貴重な勝利をもたらした。だが、試合後の報道陣の取材では、自分のこと以上に、初回にバックスクリーンへ先制2ランを放っていたソフトバンク柳田悠岐外野手のことを称賛した。

「ギータさん(柳田)は僕の中で“違う人”というか、同じ土俵で戦っていると思えないほど凄いです。僕もああいう風に野球をやりたい。打って、投げて、走って……背も高いし、顔もかっこいい。ああいう選手に僕もなりたかった。絶対勝ってやるというより、ギータさんスゲーな、かっこいいなという憧れが強い。いちファンみたいな思いです」

 山川が他球団の主砲をこんな風に絶賛するのは初めてではない。3月のオープン戦で広島と対戦した際、東京五輪で侍ジャパンの4番の座を争うライバルとしての対抗意識を探ろうと、相手の4番である鈴木誠也外野手について聞くと、意外にも「単純にバッターとして凄い。後輩だけど見習うべき所がたくさんあります」と心中を語った。

 さらにバッティングで見習うべき点も口にした。「体の使い方、作り方が凄い。よほど強く意識していないと、ああいう体はつくれませんよ。バッティングも、シンプルに強い打球を弾き返しています」と、鈴木の日頃のトレーニングにまで想像を広げて褒め上げ、侍ジャパンの4番については「誠也がいいと思うし、彼なら結果を出すと思います」と言い切ってしまった。

 プロのスター選手というと、お山の大将、唯我独尊、自分が1番……というイメージが強いが、山川はそのイメージとは大きく異なる。自身の目標は「シーズン本塁打の最多記録(60本)は、不可能な数字ではないと思う」などと大きく掲げることがあるが、他球団のライバルに対しては、見栄や闘争心のバイアスをかけない。率直に分析し、見習うべきところは見習うことによって、自身の成長につなげているように見える。

“超人ギータ”こと柳田、今季3冠王の可能性を取り沙汰される鈴木、そして抜群の飛距離を誇る山川。いずれ劣らぬ、日本を代表するスラッガーだが、山川に頭の中には「競い合う」という意識は薄いようだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)