いよいよ6月19日に開幕を迎えるプロ野球。各球団の1試合目のマウンドを任される投手の中で、今季のさらなる飛躍を期待…

 いよいよ6月19日に開幕を迎えるプロ野球。各球団の1試合目のマウンドを任される投手の中で、今季のさらなる飛躍を期待されているのが、オリックス・バファローズの山岡泰輔(24歳)だ。

 プロ3年目の昨季も開幕投手を担い、キャリアハイとなる13勝(4敗)を挙げて最高勝率のタイトルを獲得。侍ジャパンのメンバーにも選出され、プレミア12での世界一に貢献した。

 6年ぶりのAクラスを目指すチームのカギを握るエースが、今季にかける思いを語った。


2年連続でオリックスの開幕投手を務める山岡

 ©ORIX Buffaloes

――チームでの練習が行なえない期間などはどんなトレーニングをしていましたか?

「トレーニング自体は、普段から個人でやっているトレーニングを継続していました。この期間でいろいろなことを見つめ直すこともできましたね。具体的な選手名は言えないんですが、ほかの選手がSNSなどで紹介している練習方法を取り入れたり、普段だとなかなか聞けないことを電話などで確認したり、といったこともありました」

――約3カ月遅れての開幕になりますが、調整は順調にできましたか?

「開幕がいつになるのかわからなかったので、常に気を張って調整し続けるのが難しかったです。ただ、チーム練習ができるようになって、僕自身の調子も上がってきていますし、開幕をいい形で迎えられそうです」

――昨季は最高勝率のタイトルを手にするなどブレイクしました。それまでの2年間(2017年:8勝11敗、2018年:7勝12敗)と何が変わったのでしょうか。

「投げ方などを変えたわけではなく、これまでに積み上げてきた練習によって、ボールの質がよくなったという印象です。打線の援護にも助けられましたし、その結果が数字に表れたんだと思います」

――ボールの質をよくするために取り組んできたことは?

「1年目から体を強くするトレーニングをしてきたことで、安定感も増したように感じます。実際に投げる時には、フォームのバランスとボールへの力の伝え方を強く意識しています。僕はあまり体が大きくない(172cm)ので、自分の能力を100パーセントに近い状態で出したいですから」

――長いシーズンの中で調子が悪い時もあったと思うのですが、どのように切り替えていますか?

「全球種が悪いことはほぼないので、どの球種が使えてどの球種が悪いかを早めに掴むことを心がけています。調子が悪いのに無理に力を入れて投げると、もっと調子が悪くなってしまうので、どのボールを使えばバッターを抑えられるかを、試合の序盤で探っています」

――キャッチャーとも試合中に確認するんですか?

「キャッチャーとは、試合前のブルペンで各ボールの良し悪しをある程度共有しておきます。試合が始まってからは、バッターの反応をよく見ますね。自分が『ダメだ』と思っていたボールでも、バッターが打ちにくそうにしていれば、それを使います。そうして失点をゼロに抑えていけば、自然と調子も上がってくるんです」

――昨年は、シーズンで活躍したあとに侍ジャパンのメンバーとして「プレミア12」を戦いました。普段とは違うリリーフでの登板はいかがでしたか?

「ブルペンに立つまでの準備の仕方が違うので難しさもありましたが、楽しさとやり甲斐を感じました。もう一度リリーフをやってみたいとも思いましたけど、もちろん先発でも投げてみたいです」

――海外チームのバッターと戦って、印象に残っている点は?

「パワーはもちろん、反応も違いますね。速いボールだけでなく変化球にもしっかり反応してうまく拾う。日本では詰まるようなボールでも、海外のバッターはホームランにする能力があるなと思いました」

――「プレミア12」では、山岡選手の憧れでもある楽天の岸孝之投手とも一緒に戦いましたね。

「すごくうれしかったです。いろいろなことを話すことができて、練習方法や、少しですが変化球の投げ方なども教えていただきました」

――チームメイトの山本由伸投手も侍ジャパンに選ばれて活躍しました。山岡選手から見てどんな投手ですか?

「まだ21歳なのに本当にすごいボールを投げますし、僕も勉強になるところがたくさんあります。由伸とは普段から一緒にいることが多くて、野球のことだけでなく趣味の話もしますよ。オフにはゴルフにも行きます」

――ゴルフの腕前はどちらが上ですか?

「まだ僕かなと思いますが、由伸がうまくなってきているので負けるかもしれません(笑)。またコースに出られるようになったら勝負したいですね」

――今季、2年連続で開幕投手を務めることが決まった時の心境はいかがでしたか? 昨年は日本ハムを相手に8回3失点。勝敗はつきませんでしたが、チームはサヨナラ負けを喫してしまいました。

「リベンジの機会をもらえてうれしいです。(昨年の結果を受けて)開幕投手に対しての思いも強くなりましたし、『今年こそ』とここまで準備をしてきました。チームがいいスタートを切れるようなピッチングがしたいですね」

――パ・リーグは同一カード6連戦が主になりますが、対策を練っていますか?

「1週間に1回投げる先発投手にとっては、大きな影響はないんじゃないかと思っています。ただ、同じチームとの対戦でリリーフ陣の登板が多くなると、対応もされて厳しくなるかもしれない。そういった負担を少しでも減らすために、僕もできるだけ長い回を投げたいですね」

――今シーズンの個人、チームとしての目標を教えてください。

「個人としては、毎年キャリアハイを目指してやっているので、昨年を上回る投球をしたいです。もともと数字にこだわりはありませんが、今年は試合数が違うこともありますし、意識せずに1年間を投げ切りたいです。チームの勝ちが増えることだけを考えて、結果的に自分の成績もよかったら最高ですね。

 チームとしては、まずはAクラスに入ること。上位争いをして、クライマックスシリーズ、日本一を狙えるシーズンにしたいです」

■山岡 泰輔(やまおか たいすけ)
1995年生まれ/投手/右投左打/身長172cm/背番号19
広島県出身。瀬戸内高校から社会人野球・東京ガスを経て、2016年ドラフト1位でオリックス・バファローズに入団。1年目から先発ローテーションに定着し、2019年には13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得。侍ジャパンに選出され、プレミア12での世界一に貢献した。