侍ジャパンにとって、今大会の初戦の相手となるのは強豪ベネズエラだ。アメリカ、ドミニカに次ぐメジャーリーガー輩出国ではあるが、メジャーリーガーが参加しない今大会の陣容は、メキシカンリーグでプレーする選手とアメリカのマイナーリーガーの混成チー…

 侍ジャパンにとって、今大会の初戦の相手となるのは強豪ベネズエラだ。アメリカ、ドミニカに次ぐメジャーリーガー輩出国ではあるが、メジャーリーガーが参加しない今大会の陣容は、メキシカンリーグでプレーする選手とアメリカのマイナーリーガーの混成チームとなるため、侍ジャパンにとっては格下と言えるだろう。しかし、そのパワーは折り紙付きで侮れない相手であることは間違いない。
 

【写真提供=Gettyimages】フェリックス・ドゥブロン

 投手陣では、メジャー4シーズンで31勝を挙げているフェリックス・ドゥブロンが先発の柱になるだろう。今シーズンは、メキシカンリーグのプエブラとサルティージョで先発ローテーションの一角を担い、8勝を挙げている。昨年はロッテジャイアンツ(韓国)で先発投手として6勝を挙げており、アジアの野球を知っているのも脅威だ。

 ブルペン陣の中心は、メジャーで4シーズンの経験があり、2012年には広島でもプレーしたミゲル・ソコロヴィッチ(カラカス)。となる。今シーズン、メキシカンリーグのオアハカで23セーブを挙げており、クローザーを任されるものと思われる。また、今シーズンをA級の最上級、フロリダステートリーグと2Aで過ごしたツインズのリリーバー、アンソニー・ビスカヤ(マガジャネス)にも注目したい。

【写真提供=Gettyimages】アンドレス・ブランコ

 打線では、2015年には、フィリーズで106試合に出場しているなど、メジャー歴10年のアンドレス・ブランコ(マガジャネス)が一番の実績者だろう。今シーズンはブレーブスの3Aで19ホーマー、61打点を残した。クリンナップには、彼とともに、今シーズン、マイナーで27ホーマーを放ったロッキーズのプロスペクト、ルイス・カストロ(マルガリータ)、タイガースで4シーズンのメジャー経験をもつディクソン・マチャド(カブス3A)あたりが座るものと思われる。

 外野には、今シーズン、メキシカンリーグのプエブラでプレーしたヘルリス・ロドリゲス(スリア)が控え、また、日本にゆかりのある選手としては、今年、メキシカンリーグのレオンで正三塁手として.334、24ホーマーの好成績を残したカルロス・リベロ(ララ)も、2014年にヤクルトでプレーしている。

 ベネズエラ代表チームは、メキシコ・プエブラで合宿を行い、当地でメキシコ代表とのテストマッチを行ったが、この試合では、ジャイアンツの傘下のA級チームでプレーする若干20歳のディエゴ・リンコン(マルガリータ)がホームランを含む3打数2安打の大暴れ。スカウトに向けてアピールに燃えるマイナーリーガーは、国際大会で実力以上の活躍をすることがままあるので、要注意だ。

※(  )はベネズエラ・ウィンターリーグでの所属先。

文=阿佐智