-Future Heroes 一覧はこちら-   中学3年生世代屈指のスラッガーでありながら、侍ジャパンU-15代表の中でも走力はトップレベルと、パワーだけでなくスピードも合わせもつ期待のホープ・海老根優大。11月22日から24日まで愛媛県…

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 中学3年生世代屈指のスラッガーでありながら、侍ジャパンU-15代表の中でも走力はトップレベルと、パワーだけでなくスピードも合わせもつ期待のホープ・海老根優大。11月22日から24日まで愛媛県で行われたU-15アジアチャレンジマッチ2019でも大会唯一の本塁打を放つなど大活躍を見せた。

【海老根優大(えびね・ゆうだい)・・・2004年9月11日生まれ。千葉県出身。京葉ボーイズ所属(中学3年生)。181cm83kg。右投右打。外野手。】

■大車輪の活躍

 打った瞬間に快音が鳴り響くと、海老根の打球はグングンと伸びて、プロ野球でも使用される松山坊っちゃんスタジアムのレフトスタンドに突き刺さった。

 アジアチャレンジマッチの初戦となった22日の松山市代表戦の5回、この海老根のソロ本塁打が打線爆発の導火線となり5点を奪うビッグイニングに。チームはコールド勝ちを収めた。

 試合後、海老根は「ストレートを狙っていましたし、走者もいなかったのでホームランを狙っていました。侍ジャパンで打つことを目指していたので嬉しいです」と満面の笑みを浮かべた。

 この開幕戦で勢いに乗った侍ジャパンU-15代表はフィリピンとチャイニーズ・タイペイのチームにもコールド勝ちし、3連勝で大会を制した。

 海老根はフィリピン戦こそ無安打に終わったものの、優勝のかかったチャイニーズ・タイペイ戦では、試合前の円陣でプレミア12決勝の松田宣浩(ソフトバンク)を模した声出しを行って盛り立てた。そして試合では逆方向の右中間を破るタイムリーを放ってチームの勝利に貢献した。

■父の教え

 父の恵太さんは2009年のKEIRINグランプリを制して賞金王にもなった競輪選手。その父が2011年に千葉競輪開設62周年記念のPRによりマリンスタジアムで始球式を行ったことが大きな転機となった。その試合にスタンドへ足を運ぶと、海老根少年は千葉ロッテマリーンズと野球の虜になった。ロッテ戦の多くに通うようになり、自身も野球を始めてマリーンズアカデミーに入った。

 小学6年時にはマリーンズジュニアに選出された。憧れのユニフォームを着て、主将としてNPB12球団ジュニアトーナメントに出場。活躍を遂げて4強入りに貢献した。

 そして中学時代は京葉ボーイズの主力選手として全国制覇も経験し、国際大会もこのアジアチャレンジマッチを含めて3回も経験した。もうひとつの憧れであった侍ジャパンのユニフォームを着ても、目標とする鈴木誠也(広島)のようなパワーとスピードで大きな存在感を放った。

 高校は親元を離れて関西の強豪校に進む希望を持つ。一流プロアスリートの父からの「必ず挫折はある。そこからどれだけ努力をするか」という言葉を大切にしている。

 恵まれた身体能力とそれに奢らぬひたむきな熱い思いを持って、次のステージでもさらなる高みを目指していく。

【ロッテ戦だけでなく侍ジャパンの試合にも多く足を運び、プレミア12も日本ラウンドを、アメリカ戦以外すべてチケットを買って観に行ったそうだ。】

文・写真=高木遊