3月12日からシーズン中断していたNBAが7月31日に再開する。 上位22チームがフロリダ州オーランド近くのESPNワ…

 3月12日からシーズン中断していたNBAが7月31日に再開する。

 上位22チームがフロリダ州オーランド近くのESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックスに集まり、レギュラーシーズン各8試合ずつと、必要なら各カンファレンス8位と9位のチームの間でプレーイン・トーナメントを戦い、プレーオフ進出チームとシード順を決める。



ユニフォームを交換するザイオン・ウィリアムソン(左)とジャ・モラント(右)

 再開後、プレーオフに入る前の注目のひとつが新人王争いだ。

 NBAドラフト1位指名のザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ/SF)と2位指名のジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ/PG)。八村塁(ワシントン・ウィザーズ/PF)と同期のふたりは、どちらも新人とは思えない活躍でチームを引っ張り、リーグを盛り上げた。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 現在ウェスタン・カンファレンス8位のグリズリーズと10位のペリカンズは、報じられているスケジュールどおりなら8試合の間に2試合対戦する可能性が高い。間違いなく注目のカードだ。

 現時点で新人王のトップ候補は、モラントのほうだ。ここまで65試合のうち59試合に出場して平均17.6得点、6.9アシストは、どちらも今季のルーキーの中で首位。シーズン前にはプレーオフ圏外と予想されていたグリズリーズがプレーオフ圏内にいるのは、間違いなくモラントの存在あってのことだ。

 一方のザイオンは、出場した試合では平均23.6得点、6.8リバウンドと、期待に違わぬ活躍を見せている。ただ、開幕から1月下旬まで故障離脱したため、これまでに出場したのは64試合のうち19試合だけ。そのためスタッツも試合数不足で対象外となり、新人王争いでも一歩後れを取っている。

 それでも、試合でのインパクトは大きかった。もしもチームをプレーオフに導くことができれば、モラントから新人王の票を奪うことになるかもしれない。

 今となっては遠い昔のように感じるが、2月のオールスターウィークエンドに行なわれたライジングスターチャレンジの試合では、ふたりは同じチームでプレーし、この試合後、一緒にプレーできてうれしかった選手は誰かと聞かれたモラントは、迷うことなくザイオンをあげた。

「ザイオンとまた一緒にコートに立つことができたのはよかった。前とまったく同じというわけではなかったけれど、よかった。みんなも楽しみにしていたことだと思う。彼は本当に特別な選手だ。僕らの息は今もまだぴったりだ」

 一方のザイオンも、試合中、一番よかった場面はモラントとのアリーウープ・プレーだったと振り返った。

「9年生だった時を思い出したよ。まったくクレイジーだ。あれを決めたあとに交代して下がった時、僕らのホーネッツ時代のことを思い出していたんだ。あの頃は、こんなふうになるなんて思ってもいなかった」

 ザイオンが言う「ホーネッツ」とは、NBAのシャーロット・ホーネッツのことではなく、ふたりが6年前の夏に所属していたサウスカロライナ州のAAUチーム(クラブチーム)のサウスカロライナ・ホーネッツだ。

 ともにサウスカロライナ育ちのふたりは、モラントが10年生(日本の高校1年)、ザイオンが9年生(日本の中学3年)になる前の夏にチームメイトだったのだ。

 まだふたりとも、全米に名前が知れわたる前のこと。サウスカロライナ自体がそれほど多くのNBA選手を輩出してきた土地ではなかったため、当時の彼らは、将来はNBAに入り、サウスカロライナのバスケットボールのことを全米に知らしめたいと思っていたという。

「それが僕らの目標だったんだ」とモラント。

 1月31日にふたりがNBA選手として初めて対戦した試合は、その点で大きな意味を持っていた。その記念にふたりは試合後、ユニフォームを交換している。

「1位と2位でドラフト指名されて、(NBAの舞台で)対戦して、試合後にユニフォームを交換するなんて思ってもいなかった」とザイオンも感慨深く言った。

 新型コロナウイルス感染拡大によるシーズン中断で、2度目、3度目の対戦は延期になっていた。この3カ月のことを考えると、シーズンが再開できることもだが、注目のふたりの対戦がまた見られるというのは、奇跡のようでもある。

 そういえば、最初の対戦の前に、ザイオンはこんなことを言っていた。

「俺らはこの先、ライバルになる。お互いに負けたくないというのはサウスカロライナの人間の性分だからね。でも、コートを離れれば大好きな仲間だ」

 ふたりの戦いと、試合後の笑顔が待ち遠しい。