新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中断を余儀なくされているモータースポーツの世界で前代未聞の替え玉事件が発覚した。 eレースで替え玉事件を起こしたダニエル・アプト(フォーミュラE提供) ・今すぐ読みたい→ファンを楽しませるためのバーチャ…

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中断を余儀なくされているモータースポーツの世界で前代未聞の替え玉事件が発覚した。

 

eレースで替え玉事件を起こしたダニエル・アプト(フォーミュラE提供)

 

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 電動車の国際シリーズ・フォーミュラeが23日に開催したバーチャルの公認eレース「フォーミュラEレース・アットホーム・チャレンジ」の第5戦で3位に入ったアウディのダニエル・アプト(27)=ドイツ=がレース中に自身の代わりにプロのeスポーツレーサーにコントロールさせていたことが判明した。

 24日に主催者側はアプトを失格処分とし、獲得ポイントを剝奪するほか、賞金1万ユーロ(約117万円)の慈善団体への寄付を命じた。アプトは不正行為を認め、「フォーミュラE、すべてのファン、私のチーム、仲間のドライバーに外部の助けを求めたことを謝罪したい。このシリーズには真剣に携わっていなかった。不正行為によって後味を悪くさせてしまったが、悪気はなかった」とコメントした。

 告発したのはレースに参加したメルセデスのストフェル・バンドーン(ベルギー)だ。SNSで「アプトがドライブしていなかった。彼が全てを台無しにした。ばかげている」と訴え、主催者がIPアドレスの調査を開始。不正の証拠が得られたという。

 アプトはフォーミュラE初年度の2014年から参戦している古参選手で、過去にシリーズ2勝を挙げている。

 

 

ダニエル・アプトが実際にドライブするフォーミュラEのマシン(フォーミュラE提供)

 

 米国ではNASCARが2カ月半ぶりに再開されたものの、F1は3月に開幕戦オーストラリアGPが中止となって以降、中断が続いており、7月からの開幕を目指している。その間にファンサービスを兼ねて各団体が実施しているのがeレース。F1、NASCAR、インディカーのほか、日本のスーパーフォーミュラでも公認eレースが開催された。

 ただし、eレースでは不祥事が起きたばかりだ。4月にはNASCARでeレース中に人種差別発言をしたとして日系米国人のトップドライバー、カイル・ラーソンがレギュラーシーズンの無期限停止処分を科され、所属チームからも解雇された。

 選手にとっては実際のレースを走ることが仕事で、eレースは余興と捉えていてもおかしくないが、フォーミュラEのeレースでも3位には100万円以上の賞金が出ていたのだから、アプトの替え玉行為はシリーズの看板を汚した意味でも重罪に値する。近く再開されるはずの実戦でのペナルティーも考慮した方がいいかもしれない。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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