「2010年 世界選手権 男子シングル」写真:AP/アフロ

2019年の全日本選手権でシングル競技から引退し、アイスダンスに転向した高橋大輔(※「高」は正しくは「はしご高」)。今年1月には、自らが座長を務めるアイスショー「ICE EXPLOSION 2020」で村元哉中とのステップを初披露するなど、目標に掲げる北京五輪へ向けて動き出している。

「ISUフィギュアスケートアーカイブ」がオンエア中のJ SPORTSでは、6月は高橋が表彰台の頂点に立った「2010年 世界選手権 男子シングル」と「2011年 四大陸選手権 男子シングル」が放送され、彼の雄姿を再び見られることになった。そこで、高橋大輔がスケーターとしてなぜ"レジェンド"と呼ばれるに至ったか、改めてその競技歴を振り返ってみたい。

■日本初、アジア初、世界初...歴史に名を刻むまでのキャリア

倉敷市の自宅近くにリンクがオープンしたことをきっかけに、8歳でスケートを始めた高橋は、中学2年生でスロベニアでの国際大会で初優勝を飾る。ジュニア時代も国内大会での活躍はもちろん、国際大会でも頭抜けた才能を発揮し、2001年には全日本ジュニア選手権を、2002年には日本人男子として初となる世界ジュニア選手権にも優勝するという快挙を達成した。シニアデビュー後も、全日本選手権には2005年から3連覇を達成して国内トップに君臨したものの、2008年10月に右膝前十字靱帯断裂および半月板を損傷。1年のリハビリを経て復帰を果たすと、2010年のバンクーバー五輪において、日本男子選手として初となる銅メダルを獲得した。

さらに、その勢いのままに出場した同年、トリノで行われた世界選手権では、ショート、フリーともに1位の完全優勝を達成。男子シングルでは、アジアの男子選手として史上初の世界チャンピオンに輝いた。なお、フリーの冒頭で4回転フリップに挑戦し、惜しくも回転不足に終わったが、これは世界初のチャレンジとして歴史に名を刻んでいる。


「2011年 四大陸選手権 男子シングル」写真:ロイター/アフロ

■現役引退から電撃復帰!"世界一のステップ"は今なお健在

その後は相次ぐ故障などに悩まされながらも現役を続行。2011年に台北で行われた四大陸選手権では、当時16歳の羽生結弦選手と並び、表彰台の頂点に。2012年のグランプリファイナルにおいては、7度目の挑戦で初優勝を果たすなど、世界のトップに君臨し続けた。

膝関節炎など複数の故障をおして出場した2014年のソチ五輪では、フリーでのジャンプのミスが響いて6位に終わったが、冬季五輪において3大会連続入賞を果たした日本人初の選手となり、新たな伝説を残した。

同年に惜しまれつつも現役を引退したものの、32歳で電撃的に現役復帰。4年のブランクがありながら、2018年の全日本選手権では宇野昌磨に続いて2位に入り、安定感のあるジャンプと、切れ味鋭いステップを披露。特に"世界一"と称された華麗なステップは健在で、変わらぬ表現力の高さでファンを驚かせ、まさに自らが"レジェンド"であることを証明して見せた。

■アイスダンスへの転向で期待される類い稀な表現力

2017年と2019年には、芸術性の高いアイスショー「氷艶」に出演し、圧倒的な存在感と艶やかな演技を見せた高橋。アスリートとしてばかりでなく、彼が"氷上のアーティスト"としても超一流であることは、疑う余地がない。世界一のステップと類い希な表現力は、氷上の社交ダンスとも称されるアイスダンスの領域でも、大いに彼を輝かせてくれるだろう。

新型コロナウィルスの影響で、練習もままならない日々ながら、村元との元気そうな様子はInstagramなどでも伝えられている。華やかな国際舞台で、また高橋の華麗なステップを--そんな希望を抱えつつ、今はコロナ禍の一日も早い収束を心から願い、フィギュアスケートを楽しめる日を心待ちにしたい。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

放送情報

ISUフィギュアスケートアーカイブ
2010年 世界選手権 男子シングル
放送日時:2020年6月7日(日)17:00~
2011年 四大陸選手権 男子シングル
放送日時:2020年6月20日(土)21:00~
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合があります