写真:安藤みなみ(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ高校大学と良き指導者に恵まれ、独自の卓球スタイルを構築した安藤みなみ。ワールドツアーで中国選手を下すなど、2019年5月には自己最高の世界ランク29位まで上昇した。現在所属する十六銀行でも、全日…

写真:安藤みなみ(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

高校大学と良き指導者に恵まれ、独自の卓球スタイルを構築した安藤みなみ。ワールドツアーで中国選手を下すなど、2019年5月には自己最高の世界ランク29位まで上昇した。

現在所属する十六銀行でも、全日本社会人準優勝、全日本卓球選手権ランク入りと個人戦で結果を出している。さらに団体戦ではチームの三冠に貢献し、世界でも実績を残す実業団トップ選手へと成長した。

この1年安藤は、年齢の近いチームメートはもちろん、バドミントンの“フクヒロペア”の福島由紀ら異競技のアスリートから刺激を貰っていたと打ち明けた。

手強かった相手が今は心強い味方に

「自分でもびっくりするくらい良い結果を団体戦で残すことができて、1年目からすごく良い経験をさせてもらったなと感じました」。安藤は十六銀行の選手としてプレーした1年間を満足げに振り返った。

2019年シーズン、三冠を成し遂げた十六銀行は、安藤みなみ、德永美子、加藤杏華の同期3人と、その1つ上の加藤知秋、山本怜の計5選手が2学年に集まるチーム構成となっていた。この「年齢の近さ」がチームの好調に繋がったと安藤は分析する。




写真:安藤みなみ(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

「年齢が近くて明るい性格の人が多いので、練習後にお互い話すのが楽しいです。人数が少ない分、みんなで相談し合うこともあります。そのため、チーム自体が良い雰囲気で、誰が負けても私が勝つんだという気持ちで全員試合できたと自分自身含めて感じました」。




写真:十六銀行メンバー/撮影:ハヤシマコ

また、幼少期から全国で活躍しお互い何度も対戦経験があるため、実力を理解し認め合っている。

「徳永選手とは大学のときに何回も対戦しました。同じチームになって、ファイナル4のラストだったり大事なところでチームを勝たせる場面を何度も見せてくれて、刺激をもらえました。加藤杏華選手に関しては、小学生のとき何度も対戦してます。長く実業団でやっているから学ぶことが多いし、経験もあるので苦しい中でどう勝つかを知っている。加藤知秋選手、山本選手は2人とも大事な場面でいつも感動する試合をしてくれる。自分にはできないなって見てて思います」。

手強かったライバルが今は心強い味方となっている。

バドミントンの世界トップ選手とも交流

さらに安藤は、バドミントン女子ダブルス世界ランク2位の“フクヒロペア”の福島由紀とも交流を持っている。




写真:安藤みなみ(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

「同じ岐阜のチームにいて、十六銀行の小塩コーチが仲良かったのと、福島選手が青森山田出身です。そこのチームに他にも青森山田の知り合いがいて、一緒にご飯行こうと言われてから交流があります。ちょっと話を聞くだけでも楽しいし、すごい刺激になりますね。特にバドミントンのコーチの方と1度真面目な話をさせてもらって、『選手のときはミスしたらいけないという気持ちでやっていたから、練習するのが試合より緊張していた』と言っていたのが印象に残ってます。まだまだ足りないところがたくさんあるなと感じました」。

世界の第一線で活躍するアスリートやその指導者から新たな気づきを得た安藤は、更なる飛躍を誓う。

「直近での目標は、団体戦は全部優勝して総なめにすること。個人戦は、全日本選手権で引退するまでに表彰台に上がってみたい。世界選手権も出てみたいです。でもまだまだ先は長い、上はたくさんいるんで」。




写真:安藤みなみ(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

世界を狙う逸材にはどこか共通した要素がある。

飽くなき向上心、独自のプレースタイル、刺激を受けながらも周囲への感謝。

安藤みなみが、近い将来、世界上位の階段を駆け上がっていっても、何ら不思議はない。

取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)