文=佐保めぐみ 写真=鈴木栄一

「自分の強みとか迷ったりした時もありました」

バスケットボール女子日本代表は2月にベルギーで開催される東京オリンピック予選(OQT)へ向けた強化合宿を行っている。

いよいよオリンピックイヤーを迎えたが、町田瑠唯は「今年はいつも年明けにある皇后杯に出ていないので、ちょっと年が明けた感がないというか。いつもこのタイミングで気合いが入ってスタートするはずなんですけど、それがなかったので変な感じで年が明けてしまいました」と話す。

それでも例年とは違う年明けに「逆に良い意味で2020年ということを意識せずに練習に取り組めています」と、リラックスした表情で語った。

今回の合宿参加メンバーには初招集の選手や、ともにリオ五輪で戦った大﨑佑圭の電撃復帰もあり、東京オリンピックまでのカウントダウンが始まっても、選手選考は今も熾烈な戦いとなっている。

アジアカップでMVPを獲得した本橋菜子や現役復帰を果たした吉田亜沙美など、日本のポイントガードは層が厚く、「ポイントガードは本当に良い選手が多くて、焦りじゃないですけど自分の強みとか迷ったりした時もありました」と町田は言う。

「アジアカップでは一応スタートで出してもらっていたんですけど、結局自分で得点を取っていなくて。予選ラウンドはまだ自分らしいドライブやアシスト、トランジションからのパスなどは出せていました。でも準決、決勝あたりで自分のパスが得点に繋がらないことが多くて、リズムを作れませんでした。そこで菜子と変わって、彼女は自分で得点を取ることができるから、あの子の強みがすごくフィットして4連覇に繋がったと思っています。ただ、そこが今の自分に足りないところでもあるんです」

「自分の得点や外からのシュートがないと相手にとって怖くない」

指揮官トム・ホーバスはポジションに関わらず全員に3ポイントシュートを打つことを求めている。町田も「自分の得点や外からのシュートがないと相手にとって怖くないし、ディフェンスでも守りやすいと、トムさんからも言われていて、今は得点力をすごく求められています」と明かす。

そのため「若い選手もいるのでゲームマネジメントはしっかりやっていきたいですけど、今はシュートを意識して、入らなくても打ち続けていきたいです」と、課題改善へ向けて取り組み、この合宿中でも積極的にシュートを打つ町田の姿があった。

実際にリーグ戦でも昨シーズンは22試合で3ポイントシュート試投数51本中13本成功だったが、今シーズンはまだ14試合にもかかわらず試投数57本中20本成功と数字にも表れている。

それでも闇雲にシュートを打つのではなく、あくまでも「チームのリズムを崩さないように、リズムの中でしっかり打たなければいけません」と、チームファーストで取り組んでいる。

「自分らしくやらないと自分の良さが死んじゃう」

自分のプレーが思うようにできずに悩んだ時期もあったが、「結局は自分らしくやらないと自分の良さが死んじゃうなと思いました」と町田は言う。

「いろんなポイントガードがいるけど周りを気にせずに、自分は違うタイプのガードだと思うので、そこは誰かをマネするのではなくて、自分らしくプレーできるようにしていきたいです」

アシスト力とスピードが強みである町田に『得点力』も加われば、日本代表にとっても力強い武器になるに違いない。新たなことを取り入れるのは簡単ではないが、町田の成長は目標である東京オリンピックでの金メダル獲得へも大きな鍵となりそうだ。