アンディ・マレー(イギリス)にとって、体力を消耗する“夏”はまだ終わっていない。  16日に始まるデビスカップ準決勝「イギリス対アルゼンチン」(9月16~18日/イギリス・スコットランド・グラスゴー/室内ハードコート)。 彼の…

 アンディ・マレー(イギリス)にとって、体力を消耗する“夏”はまだ終わっていない。  16日に始まるデビスカップ準決勝「イギリス対アルゼンチン」(9月16~18日/イギリス・スコットランド・グラスゴー/室内ハードコート)。

 彼のこの夏、最後の任務は、デ杯のシングルス2試合とダブルス1試合の合計3試合になる予定だ。この対戦は、母国を2年連続のタイトルに続く道に留まらせるための大事なミッションである。  「この週末、僕は全力を尽くして戦い、可能な限りチームを助けられるようトライする」とマレーは言った。「休みは、そのあとにとるよ。僕には休息も必要だからね」。  5月以来、マレーはウィンブルドン、リオ・オリンピック、イタリア国際、クイーンズで優勝し、さらに全仏オープンをはじめとする3大会で決勝に進んでいる。  しかし、デ杯はマレーにとってとても大事なものであり、ウィンブルドン後に行われた準々決勝の対セルビア戦では、試合は欠場したもののチームに帯同して応援し続けた。そして、この準決勝でふたたびコートに戻り、戦うことになった。  マレーは、故郷スコットランド・グラスゴーで行われる準決勝の初日に、まずフアン マルティン・デル ポトロと第1シングルスを戦う。第2シングルスでは、イギリスのカイル・エドマンドがギド・ペラを迎え撃つことになった。

 土曜日には、マレーは兄ジェイミーとペアを組み、フェデリコ・デルボニス/レオナルド・メイヤーとダブルスを戦う。

 そして日曜日には、初日のシングルス2試合の対戦相手が入れ替わり、マレーがペラと、デル ポトロがエドマンドと戦うことになる。  「彼は非常に頑健な男だ。肉体的にも、精神的にもね」とイギリス代表チームの監督、レオン・スミスは、マレーにかかる負担を理解しながらこう言った。「だから、彼がそれをやってのけるのを見ても、驚かないでくれよ」。  マレー兄弟は、デ杯をプレーすることにより、金曜日に行われる祖父の葬儀に参加できなくなった。  昨年の11月に79年ぶりのデ杯優勝を果たしたイギリスは、1936年以来の2連覇達成に挑戦しようとしているところだ。  「これは、本当にタフな週末になるだろう。僕らにとって、この対戦に勝つことは容易ではないが、チームの皆がこのラウンドを勝ち抜きたいと思っており、それは僕ら皆にとっての大きなゴールなんだ。ふたたびデビスカップ決勝に進むことができたら、それは素晴らしい成就だ」とアンディ・マレーは言った。  「ここ数ヵ月に多くの重要な大会があり、そのすべてを優先するのは難しかったが、長い夏の終わりに、もしこのラウンドを抜けることができたら、僕らはふたたび優勝するチャンスを手に入れる。だから僕らはこの週末に、すべてを出し尽くして頑張るよ」  マレーとデル ポトロは、それぞれの国のトッププレーヤーであり、通常なら日曜日のエース対決となるカードだ。しかし、デル ポトロは、故障した手首の手術とその後の長い休養から戻って間もないため、ランキングを著しく下げており、一時は100位台中ほどだったランキングを、今は64位まで上げてきたところだ。  「彼の復活はテニス界にとってよいことだ」と、アルゼンチン代表監督のダニエル・オルサニックは言った。「だから我々アルゼンチンにとって、それが何を意味するのか、想像がつくだろう」。  もうひとつの準決勝は「クロアチア対フランス」だ。金曜日の第1シングルスはリシャール・ガスケ(フランス)と19歳のボルナ・チョリッチ(クロアチア)、第2シングルスはフランスのライジングスター、ルカ・プイユとクロアチアのエース、マリン・チリッチが対戦する。  フランスはダブルスで、はっきりとしたアドバンテージを持っている。ニコラ・マウとピエール ユーグ・エルベールは現在、世界1位のダブルスペアだ。彼らが対戦するのは、イバン・ドディグ/マリン・ドラガニャとなった。  そして日曜日の相手を入れ替えたシングルスでは、ガスケがチリッチと、先の全米でラファエル・ナダル(スペイン)を破り準々決勝に進んだプイユが、19歳のチョリッチと対戦する予定となる。

 フランスは、全米の準決勝に進出したガエル・モンフィス、そしてジョーウィルフリード・ツォンガという、ふたりのベストプレーヤーなしで戦わなければならない状況だ。ふたりは膝の故障に苛まれている。(C)AP