文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「もっとパーフェクトにしていきたい」

アルバルク東京は昨日のサンロッカーズ渋谷戦に勝利し、秋田ノーザンハピネッツに敗れた宇都宮ブレックスに23勝7敗で肩を並べた。

出だしで2桁のリードを奪うも、その後に逆転を許したA東京だったが、最終クォーター中盤に15-0のビッグランを作るなど、勝負どころのパフォーマンスが勝因となった。

10得点2アシスト3スティールを挙げた田中大貴は、このランの中で須田侑太郎のスティールから点差を2桁に乗せる3ポイントシュートを成功させ、珍しく感情を爆発させた。この試合、ターンオーバーから6得点しか挙げられなかったことを考えれば、非常に大きな3点だった。

「このまま行きたいという思いは正直ありましたが、そこまで勝ったとは思ってなかったです。4分くらい残ってましたし、SR渋谷のスタイル的に前から当たられてターンオーバーをすれば、すぐに差が詰まるのは過去の対戦でも分かっていたので」と、田中はその場面を振り返る。

もちろん油断などない。それでも田中が予想したように、SR渋谷の強烈なオールコートディフェンスに対応しきれずターンオーバーを連発し、最終的に79-78と肉薄されて試合を終えた。それでも競り勝ったことで田中は自信を深めている。

「SR渋谷はやるべきことを全員が分かっていて、それを遂行して天皇杯を取ったと思っています。シェアしながら全員がプレッシャーをかけてくるので、簡単にはいかないと思っていました。彼らと試合をかさねるごとに良くなっていると思いますし、攻略していけば今日みたいに15点アップだったり20点アップまで持っていけると思います。もっとパーフェクトにしていきたい」

チャンピオンシップを見据えた勝利の意味

SR渋谷は先日の天皇杯を制したチームであり、今最も勢いのあるチームと言っても過言ではない。「天皇杯とリーグ戦はちょっと違う」と前置きしながらも、田中は「激しいディフェンスで天皇杯を取った相手にこうやって上回れたのは、自分たちに力がないわけじゃないということ」と、あらためてチームの強さを再認識した。

指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチは試合後の会見で「東地区のライバルチームとのビッグゲームでした。激戦区なので勝つことができて本当に良かったです。この勝利は後になって大きな意味を持つ」と話し、いつも以上に喜びを表した。

「ワイルドカードを含め、今のところ東地区から4チームがチャンピオンシップに行く可能性が高い」とチャンピオンシップをすでに見据えているからこそ、ルカコーチは上機嫌だった。

昨日の勝利でA東京はSR渋谷との対戦成績を3勝1敗とした。田中も「もう1試合勝てば、並んだ時は自分たちが上に立ちます。60試合のうちの1試合ですけど、今日の勝利に関してはもっと大きな意味合いがあった」と話し、しっかりと3連覇への道筋を立てている。

チームを支える田中の安定感

田中はここまで平均10.7得点、5アシストと高値安定のパフォーマンスを続け、強豪チームを支えている。大黒柱のアレックス・カークが平均18.6得点を挙げているが、基本的にA東京は得点の偏りは少なく、こうしたスタイルだからこそ勝ち続けられているとも言える。それでも、エゴじゃないところでのレベルアップが必要と田中は言う。

「もっと安定して引っ張っていければ、それに越したことはないです。今まで自分とアレックスのところでうまく機能していたところが、今シーズンはあまり機能しなくなってきています。それは相手が対策してきているからで、それを上回りたいという思いはあります。でもチームバスケットを展開したいので、もっと点数を取りたいとかは思いません。ただ自分には、もっと勝つためにやらなきゃいけない部分があると思っています」

小島元基のケガや馬場雄大のアメリカ挑戦など、不測の事態に見舞われても高勝率をキープし続けているA東京。3連覇達成を目指し、田中は静かに闘志を燃やしている。