全日本高校選手権第4日(11日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)男女の準決勝が行われ、女子は前回大会準優勝の…
全日本高校選手権第4日(11日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)男女の準決勝が行われ、女子は前回大会準優勝の東九州龍谷(大分)が大会3連覇を狙った金蘭会(大阪第1)をフルセットの末に破った。
得点しても笑わない小さなエースが大暴れだ。東九州龍谷は2連覇中の金蘭会を3-2で下し、3年連続で決勝進出。162センチの室岡莉乃(2年)が両チーム最多の36得点で立役者となった。
「小さいけど、大きい相手に絶対負けないという気持ちで戦いました」
2時間14分の激戦を制した。相手は2018、19年とチームの優勝を2年連続で阻んだ宿敵。小さなアタッカー室岡を警戒し、174センチの宮部愛芽世(あめぜ、3年)や181センチの吉武美佳(1年)らが立ちはだかろうとするも、最高到達点297センチの跳躍力とスピードで圧倒。次々とブロックを突き破った。
大きな相手にも動じない。その度胸は主将の荒木彩花(3年)のおかげで身についた。チーム内の練習試合では、世界ジュニア選手権日本代表で世代ナンバーワンミドルブロッカーと呼ばれる184センチの荒木が攻撃を阻む。「練習では目の前にいつも荒木さん。1人でも止められてしまう」と怖いものはなくなった。
扇城高時代を含めて最多7度目の頂点まで1勝。「高さに負けず、粘り強く。精度の高いバレーを見せたい」。小さなエースが大舞台で輝きを放つ。
室岡 莉乃(むろおか・りの)
2002(平成14)年6月16日生まれ、17歳。熊本市出身。5歳上の姉の影響を受け、小学2年からバレーボールを始める。東九州龍谷高では1年時から春高に出場。昨年9月の世界ユース選手権(U-18)日本代表。あこがれの選手は169センチながら日本代表として活躍した菅山かおる。162センチ、55キロ。最高到達点297センチ。