全日本高校選手権第4日(11日、調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)ジャパネット杯「春の高校バレー」第72回全日本バレ…

 全日本高校選手権第4日(11日、調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)ジャパネット杯「春の高校バレー」第72回全日本バレーボール高等学校選手権は11日、男女の準決勝を行い、女子は古川学園(宮城)が共栄学園(東京第3)を破り9年ぶりに決勝へ進出した。キューバからの留学生バルデス・メリーサ(2年)が注目される中、同学年のアタッカー野呂桃花が相手に的を絞らせない活躍で貢献。決勝で8年ぶり7度目の王座奪還に挑む東九州龍谷(大分)と対戦する。

 サンショウは小粒でもピリリと辛い。168センチの野呂が相手守備陣を惑わせる活躍で、流れを古川学園に引き寄せた。勝利を決めると、あどけない表情で笑った。

 「相手のブロックをよく見て、冷静に打ち込むのが自分のモットー。今日はすごくできたと思います」

 攻撃の中心は183センチ、最高到達点320センチを誇るメリーサ。中国からの留学生で187センチの共栄学園・付欣田(ふ・しんてん、3年)と迫力ある打ち合い“合戦”となり、相手ブロックのマークはメリーサに集まる。そのすきに、野呂が速い動きからのスパイクで得点を重ねた。

 第3セットには強打で相手ブロックをはじいたり、ジャンプしてのパスでブロックの上を越すトリッキーな攻撃を見せたりで、相手を突き放す5連続得点を演出。最終第5セットでは12-10で付欣田の移動攻撃を1枚ブロックで仕留め、決定的な得点を挙げた。計18得点は38得点のメリーサに続くチーム2位だった。

 岡崎典生監督(50)は「メリーサに頼るな」と指導してきた。「能力のある選手がいると高校生はどうしても気が抜けるが、頼ったら負ける。(他が)いかに自立してやれるか」。昨夏の高校総体は8強、秋の国体は初戦の2回戦で敗退。「メリーサがいるから、余計に他がポカしてしまう」と、精神的な自立を求めてきた。

 その課題について野呂は「メリーサに、いかに(いいボールを)持っていけるかと、セッターが振ったボールを(自分たちが)どれだけ強気に打てるか」と受け止めた。「一人一人がエースと思ってやってきた」と胸を張る。

 9年ぶりの決勝進出。当時敗れた相手が東九州龍谷だった。岡崎監督は「勝ちきって、優勝旗を持ち帰りたい」。1999年以来21年ぶり4度目の優勝で、古豪が完全復活を遂げる。 (只木信昭)

指のバンデージに「240%」と書いて出場し両チーム最多の38点を挙げた古川学園のバルデス・メリーサ「ここまで120%でやってきたけど、それじゃ少ないので(倍の)240にした。明日は500で!」

野呂 桃花(のろ・ももか)

 2002(平成14)年4月6日生まれ、17歳。青森・三沢市出身。4歳上の姉の影響で5歳からバレーボールを始め、三沢市立堀口中1、3年時に全国中学大会、3年時にJOC杯全国都道府県対抗中学大会に出場。古川学園高1年で全日本高校選手権出場(16強)。168センチ、61キロ、最高到達点285センチ。

古川学園高

 宮城・大崎市の私立高。1954(昭和29)年、古川商業専修学校として創立され、56年に古川商高に改称。2003年に現在の校名となった。1961年創立のバレー部は71年に全国高校選手権初出場。地元開催の90年に初優勝し、98、99年と優勝3回。選抜優勝大会(旧春の高校バレー)では優勝4回。佐藤あり紗、田代佳奈美、大野果奈・果歩姉妹ら日本代表やVリーグ選手を輩出。生徒数834人。俣野聖一校長。