「ジャパネット杯春の高校バレー」第72回全日本バレーボール高等学校選手権は11日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で男女の準決勝計4試合が行われた。都代表の男子・駿台学園は清風(大阪)に3-1で勝利。女子・共栄学園は古川学園(…

 「ジャパネット杯春の高校バレー」第72回全日本バレーボール高等学校選手権は11日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で男女の準決勝計4試合が行われた。都代表の男子・駿台学園は清風(大阪)に3-1で勝利。女子・共栄学園は古川学園(宮城)に2-3で惜敗した。駿台学園は12日に行われる決勝で、東山(京都)と対戦する。

 駿台学園 攻守に底力

 高い攻撃力が持ち味の両校。手に汗握る熱戦が繰り広げられたが、駿台学園が底力を見せつけ、決勝に駒を進めた。

 第1セットは、駿台学園の猛攻と清風の堅守がぶつかり合う一進一退の攻防。終盤に染野のブロックが決まり、流れを引き寄せた駿台学園がセットを先取した。

 第2セットは一転、先行を許す苦しい展開。ユース日本代表でもある伊藤主将の強打などで食らいついたが、徐々にリードを広げられ、セットを落とす。続く第3セット、多彩な攻撃を見せる相手に対し、駿台学園は時間差攻撃などで着実に加点。最後は金田の強打でセットを奪った。

 勝負の第4セット、序盤に山崎の巧打などで差を広げるものの、中盤で同点に追いつかれる。それでも、染野、森居の2枚ブロックで攻撃を阻むと、相手のミスも重なり、一気に突き放す。最後は伊藤の強打で熱戦を締めくくった。

 ○駿台学園・梅川大介監督「自分たちの力を発揮して、いい試合を見せられたと思う。決勝もチーム一丸ですばらしい試合にしたい」

 ○駿台学園・伊藤吏玖(りく)主将「危ないゲームだったが、勝ち切ることができてうれしい。ブロックで相手のミスを誘う作戦で、優勝したい」

 共栄、フルセット力尽く

 高校総体準優勝の共栄学園は第1セット、3連続得点で幸先良くスタート。「クイックがうまく決まった」という付(ふ)の攻撃や、高いブロックなどで着実に点を稼ぐ。最後は、村田主将のライト攻撃で締めくくり、25-20で先取した。

 第2セットは一転、序盤から苦しい展開。じわじわと差を広げられ、小山の強打などで巻き返しを図るが、14-25でこのセットを落とした。続く第3セットも相手の高さのある攻撃に苦しめられ、連取される。

 後がない第4セット。「打て! の気持ちはスパイカーに必ず伝わる」という菊地のトスワークがさえた。的を絞らせないコンビバレーで相手を翻弄。時間差攻撃など多彩な攻撃で突き放し、試合を振り出しに戻す。

 最終セット、古川学園の左右からの力強いスパイクに守備を崩される。共栄学園は付の緩急自在の攻撃や、小山の移動攻撃などで食らいつくが一歩及ばず、12-15で涙をのんだ。小山は「大事な場面で決められなかった」と悔やんだ。

 ●共栄学園・中村文哉監督「2セット目以降、コンビネーションが合わない場面があった。課題は安定感。練習するしかない」

 ●共栄学園・村田果捺(かな)主将「下級生に助けられた試合。相手は粘り強いチームだった。気持ちで負けないという部分が足りなかった」