「ジャパネット杯春の高校バレー」第72回全日本バレーボール高等学校選手権は11日、女子準決勝が行われ、古川学園が共栄学園を下した。  意地のぶつかり合いだった。最終セット14-12。古川学園のキューバ人エース、バルデス・…

 「ジャパネット杯春の高校バレー」第72回全日本バレーボール高等学校選手権は11日、女子準決勝が行われ、古川学園が共栄学園を下した。

 意地のぶつかり合いだった。最終セット14-12。古川学園のキューバ人エース、バルデス・メリーサ(2年)がライトからスパイクを放つ。返ってくると、また右手を振り上げる。息詰まる応酬を繰り広げた末、相手コート後方にスパイクを決め、熱戦に終止符を打った。メリーサは「最後まで頑張った」と顔をほころばせた。

 守備が光った。第1セットは相手の変幻自在の攻撃に翻弄されたが、2セット目以降は、とにかく拾い続けた。全員がボールに食らいつき、メリーサや野呂桃花(2年)ら得点源の選手につなげた。終盤には、磨いてきたブロックが決まり始め、ブロックポイントは相手チームの5点を上回る15点。前線で躍動した上沢沙織主将(3年)は、「『自分が止めてやろう』という気持ちだった。ブロックで勝てた」と喜んだ。

 絶対的エースを擁しながら、今季の古川学園は苦しんできた。昨夏の高校総体は準々決勝で下北沢成徳に敗れた。昨秋の国体は初戦敗退。エースの出来に大きく左右され、ミスが続いて自滅することが多かった。岡崎典生(のりお)監督は「メリーサに頼るな」と他選手の“自立”を促してきた。その成果が、この日の全員バレーに現れた。

 決勝は、2010年度の大会で優勝を阻まれた東九州龍谷。上沢は「ここまで来たら日本一」と力強い。9年前の借りを返しにいく。(久保まりな)