全日本高校選手権第2日(6日、調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ) 「ジャパネット杯春の高校バレー」第72回全日本バレ…

 全日本高校選手権第2日(6日、調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ) 「ジャパネット杯春の高校バレー」第72回全日本バレーボール高等学校選手権の男女2回戦が行われた。男子の名門、東亜学園(東京第1)は井上麟太郎(3年)が奮闘し、鹿児島工を2-0で下した。7日は男女3回戦と準々決勝が行われる。

 サラサラと前髪をなびかせ、春高1勝をもぎ取った。背番号2の東亜学園・井上が、初戦の2回戦で攻守ともにチームを引っ張る活躍。連続失点など苦しいときにスパイク、ブロックでメンバーを鼓舞し、チームの16強入りを後押しした。

 「1試合目だったので体が軽かった。チームとしては連係が取れていない部分もあったけど、相手をしっかり研究できていた」

 15年連続36度目の出場で、4度の優勝を誇る伝統校だが、部に厳しい規則はない。頭髪を短くするなどの決まりはなく、井上は丸刈りや短髪の多いバレーボール男子らしからぬ? サラサラヘアが特徴だ。「丸刈りはいかつく見えるし、(整髪を)何もしなくていいのは逆に楽をしている気がする。寝ぐせなんて問題外だし、身だしなみもしっかり整えてこその東亜ブランド」と持論を展開し、プレー以外でも伝統校のエースとしての自覚を持つ。

 千葉や静岡の砂浜でボールをつなぐ練習や、校舎の外にある坂道で腰にチューブをつけて走り込むなど、チームは基礎練習に時間を割いてきた。昨年12月30日から休みはなく、初詣など正月らしいことはできなかったが、「人生にお正月は何度もあるけど、春高のある正月は3回しかない」と井上はさらりと言い切る。

 7日の3回戦で、優勝候補の東山(京都)と対戦する。「目標はベスト4。相手が東山でも変わらない」。中身にも見た目にもこだわるサラサラヘアのエースが、準決勝から立てるセンターコートへ突き進む。 (角かずみ)

井上 麟太郎(いのうえ・りんたろう)

 2001(平成13)年4月8日生まれ、18歳。東京・武蔵村山市出身。小3にバレーボールを始め、サレジオ中2年時に全国中学選手権に出場。ウイングスパイカー。185センチ、62キロ。最高到達点315センチ。