「春の高校バレー」として行われる第72回全日本バレーボール高等学校選手権大会(産経新聞社など主催)は5日、武蔵野の森総…

 「春の高校バレー」として行われる第72回全日本バレーボール高等学校選手権大会(産経新聞社など主催)は5日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で開幕する。男子では新潟県の佐渡島にある佐渡高が42年ぶりに出場する。中学時代に全国の舞台を経験した1、2年生だけの若いチームは、離島の不利を乗り越えた。北村宏樹主将(2年)は「明るく、自分たちらしく、見た人に感動してもらえるプレーをしたい」と、活躍を誓っている。

 昨年11月3日。日本海に浮かぶ人口約5万4千人の島に吉報が届いた。新潟県大会決勝で前年覇者の東京学館新潟を3-1で破り、全国切符をつかんだ。部員14人は全員が佐渡育ち。源氏篤史監督は「選手たちは島の宝物」と目を細める。

 学校から新潟市内まではフェリーも含め3~4時間かかる。練習試合は泊まりがけになる。費用面から遠征は月に2回が限度。最高峰の試合を見る機会も少ない。離島ならではの悩みを抱える。

 逆境をはね返した源泉は、島内で築いた中高一貫の強化体制だった。

 発端は2014年。小学6年だった北村たちの世代が島内の小学生クラブ「かないJr」で、佐渡初の全国大会に出場した。中学進学後はメンバーがまとまって活動できるチームは島になかった。各選手は進学した中学校の部活動などで細々とバレーを続けた。

 2016年、転機が訪れた。源氏監督、佐渡総合高バレー部の石川賢監督らを中心に、中高生を対象としたクラブ「佐渡レッドシーブリームス」が発足した。

 中高生一緒の練習が特徴で、石川監督は「中学生は生きた手本を参考にでき、高校生は見られることで練習効果が倍になる」と話す。北村たちは中学3年だった2017年の全国ヤングクラブ大会で準優勝を果たした。

 注目が集まり、複数の選手が県内外の強豪校から誘われる中、多くが佐渡高に進んだ。セッターの斎藤亘孝(2年)は、「佐渡のみんなと春高に出たかった」と明かす。

 島内では全国大会出場を知らせるのぼり旗が目立つ。部には連日差し入れが届く。5日の初戦は島民ら650人が応援する予定。まずは42年前に挙げられなかった1勝を目指す。「自分たちはどのチームよりも一緒に過ごした時間が長い」と北村。培った結束力で大舞台に挑む。(川峯千尋)