最後の幕が上がる。4年生にとっては最後の舞台となる定期演奏会・紫紺の集いが、今年度は12月23日に府中の森芸術劇場にて開催される。今回は引退を間近に控えた4年生に今の気持ちを伺った。バトン・チアリーディング部責任者を務める本村梨乃(法4=…

 最後の幕が上がる。4年生にとっては最後の舞台となる定期演奏会・紫紺の集いが、今年度は12月23日に府中の森芸術劇場にて開催される。今回は引退を間近に控えた4年生に今の気持ちを伺った。バトン・チアリーディング部責任者を務める本村梨乃(法4=狛江)のインタビューです。(この取材は12月14日に行われたものです)

――リハーサルを終えて感想をお願いします。

 「楽しいと感じてもらえるステージになっています。ただ、まだ詰められるところはたくさんあるという感触で、もう一つ上のレベルにいけるなと思うところがあるので、1週間でもっともっとレベルアップしたいと思います」

――バトン・チアリーディング部責任者として1年間、意識したことは何ですか。

 「一人一人に平等に接することです。チアはいろんな子がいて、簡単に前に出るのをためらわずにできる子もいますし、逆に前に出るわけではないけれど裏から力を発揮してる子もいます。チアなので確かに目立つ子は目立ちやすいですが、そういう子だけに目がいかないように裏で頑張っている子や、いろんな考えを持っている子にも平等に接して成長させてあげられるように注意していました」

――責任者になった理由は何ですか。

 「一番の理由は、私が3年間やってきた経験の中で、ジェスターズというチームが本当に好きで、私にとってはかけがえのない場所になっていたので、全員に私と同じようにこのチームを好きになってほしいという気持ちでこの立場になりました」

――今年のバトン・チアリーディング部のスローガンを〝愛〟に決めた経緯を教えてください。

 「〝愛〟というスローガンを立てたのは、まずは自分自身のことを好きになってほしいという思いからです。本当にみんな個性があって良さもあって素晴らしい子たちだと思います。ただ、その中でも自分の良さを見つけられていなかったり、良さを出せない子もいて、まずは自分を好きになるということが大切だと思いました。その次にチームや仲間、お客さんや頑張っている選手のことも好きになってもらえるようにということで、一番に浮かんだ言葉が愛だったので〝愛〟というスローガンにしました」

――責任者として大変だったことはありますか。

 「1年生が、たくさん入ってきて、私たち4年生は7人しかいなかったので57人の後輩ができた時はしんどかったです。人数が多いので、一人一人のことを見たいと思っていても見きれない後輩たちもいて、うまくいきませんでした。どうすればもっと一人一人が前に出てこれるのか、私たちの目もしっかり向けられるのかを考えていた5月6月くらいが一番大変だったと思います」

――それはどう乗り越えましたか。

 「8月の夏合宿を経て一人一人が良さを出して、ここに立っていることの大切さを教えたつもりです。最後の舞台でその成果が出ればそれを乗り越えたということになるのかなと思います」

――4年間を振り返ってみていかがですか。

 「周りの人に恵まれたなと感じます。チアだけではなくて応援団の同期や後輩、たくさん教えてくださって先輩など、本当に素敵なものを与えてくれた人たちで、私は応援団のこの人たちではなかったら4年間続けて来られなかったと思います。特に同期にはすごく感謝しています」

――本村さんの理想のチア像を教えてください。

 「しっかり自分の強みを持っていて、それが自分の中で完結しているのではなく、人に伝えられる者だと思います。見ているだけでこの子はこういうところが強いんだなとか、こういうところがいいところなんだなと伝わるような人が、人を応援する立場になれると思うので、そういうところでも強くなっていくのかなと思っています」

――当日はステージを目指しますか。

 「まずはステージを見た時に明るくて輝いているというというのを見せたいです。その中で、まとまりも大切だと思うんですけど、一人一人が自分を出してそれをもって64人でまとまっているという舞台を作りたいです」

――引退を前に後輩たちに伝えたいことはありますか。

 「みんなはあと1年、2年、3年とあって、時間は意外と長いけど、終わりは来るということを伝えたいです。私も今まで全然そんなことを考えてやってきたわけではないですけど、終わりが来るんだと考えるといろいろやりたかったことや、できなかったことが出てくるのでそういうところを4年間やりきって悔いなく終わってほしいのです」

――4年間共に過ごした同期にメッセージをお願いします。

 「同期には本当に感謝しかないです。私たちはどんなときでも同じ方向を向けていたなと思っています。たまたまそういう考えの人が集まったのか、この4年間の中で同じ考えにまとまるように私たちが成長したのかは分かりませんが、私にとってはすごくやりやすくていつでも力になってくれる同期だったので、感謝しています。本当にいい子たちなのでこれからもどんどん輝いてほしいと思っています」

――今年度の応援団のスローガンは〝応援とは〟ですが、本村さんにとって応援とは何ですか。

 「湧き上がる楽しさがあるものだと思っています。熱くなっている選手たちを見ているだけでも楽しいですし、それを応援して後押しして、応援そのものが本当に楽しいものなので、もっとそれが学生にも広がっていければなと思います」

――ありがとうございました。

[中野拓土]