東京、代々木国立競技場で開幕した全日本選手権。大会初日は女子ショートプログラム(SP)の試合が行われた。選ばれし者のみが出場できるこの大舞台で、永井優香(社3=東京・駒場学園)は64.78点でシーズンベストを更新し、第8位でフリースケー…

 

 東京、代々木国立競技場で開幕した全日本選手権。大会初日は女子ショートプログラム(SP)の試合が行われた。選ばれし者のみが出場できるこの大舞台で、永井優香(社3=東京・駒場学園)は64.78点でシーズンベストを更新し、第8位でフリースケーティング(FS)に臨む。

 


繊細かつ雄大に、気品あふれる舞いを披露した永井

 

 「本当に始まる、曲が鳴る直前まではすごく緊張していたのですが、曲が鳴ったらすごく集中できて」と語るSP。本番直前の練習で、ジャンプの最終確認を済ませ、永井優香は真剣な表情でリンクの中央に立った。会場全体が緊張に包まれる中『白夜を行く』が流れ演技が始まる。最初のトリプルトーループ-トリプルトーループの連続ジャンプを鮮やかに決めると、前大会でステップアウトになってしまったトリプルルッツも綺麗に着氷。しなやかでのびのある滑りを見せ、流れが途切れることなく次の技につなげていく。最後のジャンプ、ダブルアクセルが決まった時には、すでに観客を引き込み、会場が一体となっていた。演技終了前の2つのスピンでは最高評価のレベル4を獲得。丁寧なスケーティングはとても繊細に音を捉え、指の先まで力のこもった演技は全日本選手権でも輝いていた。点数は64.78点でシーズンベストを更新。カメラにWピースと笑顔を見せFSへの切符を手にした。「ショートばかり練習してきたので、フリーは少し怖いのですが、でも滑れることはすごく嬉しいので本当に最後は力を振り絞って楽しんで滑れればいいかなと思います」とFSについて意気込んだ。

 
 

 SPでは圧巻の滑りを見せ、技術点は36.15点と全体の3位。演技終了後にはたくさんの拍手とスタンディングオベーションを受けた。続くFSでも、自身が納得いく形で大会が終わることを願う。

 
 

(記事 岡すなを、写真 犬飼朋花)

結果

▽女子SP


永井優香 8位 64.78点



 

コメント

 

永井優香(社3=東京・駒場学園)※囲み取材より抜粋

 

――ご自分で演技を振り返っていかがですか

久しぶりに全日本という舞台で納得のいく演技ができたのですごく嬉しいです。

 

――公式練習から調子が良さそうでした

悪くはなく、すごく転ぶわけでも1回転になってしまうわけでもなかったので、あとはもう運に任せて縮まらないで思い切り滑ればできるかなと思ってやりました。

 

――試合に臨む前はどのようなお気持ちでしたか

調子はまあまあ良かったのですが、最後の最後まで不安で。でもいくらやっても不安がなくなることというのはないと思って、あとは練習を信じて思いっきりやろうと思ってそれが実行できた感じです。

 

――先生にはなんと送り出されたのですか

「楽しんでね」という風に言ってもらいました。

 

――楽しめましたか

楽しめたこと、あとは去年すごく悔しい思いをしたのですが、そこで支えてくださった方とかのことを思い出したらなんだかすごく勇気が湧きました。

 

――リンクの中央に立った時はどんな気持ちでしたか

本当に始まる、曲が鳴る直前まではすごく緊張していたのですが、曲が鳴ったらすごく集中できて。あとはあまり覚えていないです。

 
 

――鈴木明子さんの振り付けだということですが、どんなところを気をつけてなどは言われていますか

最初の方などはゆっくりめな曲なのですが、そこで余韻を、少し遅れるぐらいの感じで音を捉えようということです。強く手を出すところは強く出そうとか、色々教えてもらいました。

 

――どうしてこの曲にしようと思ったのですか

曲は前々から滑っている方が何人かいらしていたと思うのですが、すごく素敵な曲だなと思っていて。冬にちょうどドラマを一気に見た時があったのですが、それですごく引き込まれて、ぜひこの世界観で滑れたらいいなという風に思いました。

 

――明子さんの振り付けはいかがでしたか

自分ができているかは別として、すごく繊細で女性らしい振付をたくさん入れてくれたのですごく素敵な仕上がりになって、練習のモチベーションもすごく上がりました。

 

――勉強になったことなどはありますか

明子さんはどの動きも素敵なので、ビデオを撮らせてもらって家でずっと見ていました。

 

――苦しい思いをしたと思うのですがどのように気持ちを立て直してきょうに臨んだのでしょうか

きょねん本当に終わった直後がすごく悔しかったですし、落ち込んでいる期間などもあったのですが、それも学びの1つなのかなと捉え方を変えたらすごく前向きになれました。あとは本当に支えてくださった方がたくさんいらしてくれたので、失敗してよかったなという言い方はおかしいかもしれませんけど、一つの通過点としてはすごく自分のためになった経験だったと思います。

 

――東京開催の全日本選手権ですがいかがでしたか

友達や親族一同、ショートとフリーで分かれて結構来てくれているので、まずフリーまでちゃんと進まなきゃなという気持ちと、あとはいいものを見てもらいたいなという気持ちで滑りました。

 
 

――フリースケーティングではどのように演技したいですか

正直「ショート(プログラム)通りたい」という思いでショートばかり練習してきたので、フリーは少し怖いのですが、でも滑れることはすごく嬉しいので本当に最後は力を振り絞って楽しんで滑れればいいかなと思います。