全国4488チームの頂点は、青森山田が射止めた。15日、高校年代最高峰のリーグとされる「高円宮杯JFA U−18サッカープレミアリーグ2019ファイナル」が埼玉スタジアム2002で開催され、1万5223人のオーディエンスが戦いを見守った。決…

全国4488チームの頂点は、青森山田が射止めた。

15日、高校年代最高峰のリーグとされる「高円宮杯JFA U−18サッカープレミアリーグ2019ファイナル」が埼玉スタジアム2002で開催され、1万5223人のオーディエンスが戦いを見守った。

決勝カードは、プレミアリーグEAST代表・青森山田高校とプレミアリーグWEST代表・名古屋グランパスU-18の対戦。青森山田が3ー2で勝利を納めた。青森山田の黒田監督は、小さく微笑み試合後のピッチで喜びを表現している。

「1年間、厳しいトレーニングに耐えてきた選手たちを褒めてあげたい」

指揮官の言葉を受け止めるように、チームの主将を務めた武田英寿の言葉も印象的だった。

「優勝できて嬉しい、選手権に向けてこの喜びは今日だけ(味わいたい)」

高円宮杯2019撮れたて!SPBLフォトアルバムは、こちら(←クリックすると画像ページへジャンプします)

試合後に喜びを分かち合う青森山田高校の選手たち

前半11分までは、名古屋ペースでゲームコントロールされるも12分、青森山田の9番田中のゴールで流れを変える。27分、ゴール前の激しい競り合いから青森山田11番後藤の得点が記録された。

一方の名古屋は、41分村上の得点で追いつき、後半へ。53分過ぎには名古屋の果敢な攻撃力が炸裂するも、得点へは繋がらず。59分、名古屋の村上が2点目を叩き込む。

62分、青森山田の7番松木が逆転の一撃をゴールマウスに撃ち込んだ。65分過ぎからは、激しい一対一もみられ、ピッチで走り続ける両者の激闘が繰り広げられた。

そして、正ゴールキーパーのプレーも両チームの個性が光る。

名古屋の背番号1番・東ジョンは集中力を随所で発揮し、確実にボールをキャッチ。その的確で冷静なプレーは、かつて日本代表でプレーしたゴールキーパー楢崎氏を彷彿とさせるものだった。

対する青森山田のゴールキーパー・佐藤史騎は、埼スタのピッチを大胆なプレーで駆け回る。ゴールキーパーなのに大きな声で、時にはハーフライン付近まで自由に駆け回る佐藤をチームメイトは支え続けた。

ひやりとするシーンもディフェンスの選手がきっちりカバー。77分、豪快なシュートを手ではなく、なんと足で止めた青森山田の守護神は、決勝の埼スタを湧かせた。

来季の浦和レッズに加入が内定しているMF武田英寿(青森山田)と横浜FCへの加入が内定しているMF古宿理久ら擁する青森山田はリーグ最多得点・最少失点で3年ぶりにEASTを制覇。

名古屋グランパスU-18は、今年度ユース大会3冠を狙うトップ昇格を決めているGK三井大輝、DF石田凌太郎ら擁する強豪。名古屋グランパスU-18は、第17節まで11連勝を飾り初のWEST王者に輝いた。

埼スタのオーディエンスは15223人

東西のプレミアリーグ覇者が高校年代の真の日本一を懸けて競い合う、白熱のピッチ。高校生フットボーラー達の汗が光る決勝の大舞台において実力とメンタルは、ほぼ互角だった。

ほんの少しだけ、青森山田が上回った結果かもしれない。笛が鳴った瞬間、一斉にピッチに倒れ込んだ名古屋のイレブンの姿も、目に焼き付けておきたい光景だ。決勝の舞台でスタジアムDJを務めたゴン中山氏も、埼スタの空に祝福の声を響かせていた。

取材・文/スポーツブル 編集部

撮影/スタジオアウパ

___

高円宮杯JFA U−18サッカープレミアリーグ2019ファイナル(埼玉スタジアム2002)15日13時KO

青森山田高校 3-2 名古屋グランパスU-18

得点者/12分田中翔太(青森山田)、 27分後藤健大(青森山田)、41分村上千歩(名古屋U-18) 59分村上千歩(名古屋U-18)62分松木玖生(青森山田)

優勝杯を掲げるシーンも印象的だ