2019年のATP世界ランキングは、1位ラファエル・ナダル(スペイン)、2位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)で終了した。それではサーフェスごとの戦績、勝率はどうだったのか。2019年サーフェス…

2019年のATP世界ランキングは、1位ラファエル・ナダル(スペイン)、2位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)で終了した。それではサーフェスごとの戦績、勝率はどうだったのか。2019年サーフェス別、そして総合の勝率ランキングを見ていこう。

クレーコート(最低10試合)

2019年、またしてもナダルがクレーコートでトップの戦績を残した。2つの大会で優勝し、3試合しか負けていない。クレーの最初の3大会では決勝戦まで進めなかったが、「ATP1000 ローマ」と「全仏オープン」で見事タイトルを勝ち取った。ナダルは、クレーコートで59タイトルというオープン化以降最多優勝記録を持ち、2位のギレルモ・ ビラス(アルゼンチン)の49個という記録に10も差をつけている。

注目すべきは、フェデラーのクレーコートへの返り咲きだろう。2016年の「ATP1000 ローマ」以来クレーでプレーしていなかったフェデラーだが、「全仏オープン」では準決勝まで進み、年間9勝2敗で3位につけた。

選手名:記録(勝敗)/勝率%

ラファエル・ナダル(スペイン):21勝3敗/87.5%

ノバク・ジョコビッチ(セルビア):15勝3敗/83.3%

ロジャー・フェデラー(スイス):9勝2敗/81.8%

ドミニク・ティーム(オーストリア):23勝7敗/76.7%

ブノワ・ペール(フランス):15勝5敗/75%

ステファノス・チチパス(ギリシャ):15勝5敗/75%

ハードコート(最低10試合)

ナダルは以前からハードコートでも良い成績を残してきた。オープン化以後の歴代ハードコート勝率12位で2019年シーズンに突入したが、今年は35試合中32勝と特に好成績を残し、その勝率はなんと91.4%。ナダルがハードコートのタイトルを1年に複数獲得したのは7回目で、今季は「ATP1000 モントリオール」と「全米オープン」で優勝した。

フェデラーとジョコビッチはそれぞれ勝率82.5%と81.4%でナダルに続く形となった。オープン化以降の歴代ハードコート成績でも、ジョコビッチは1位、フェデラーは3位と2人ともトップ3に名を連ねている。ダニール・メドベージェフ(ロシア)は、今年のハードコードの大会で4回優勝、46試合での勝利はともに最多。

選手名:記録(勝敗)/勝率%

ラファエル・ナダル(スペイン):32勝3敗/91.4%

ロジャー・フェデラー(スイス):33勝7敗/82.5%

ノバク・ジョコビッチ(セルビア):35勝8敗/81.4%

ケビン・アンダーソン(南アフリカ):8勝2敗/80%

ダニール・メドベージェフ(ロシア):46勝13敗/78%

グラスコート(最低5試合)

ジョコビッチの「全仏オープン」準決勝敗退からの立ち直りは早かった。今年は「ATP500 ロンドン」には参戦しなかったが、同じロンドンのグラスコートで自身5度目の「ウィンブルドン」優勝を果たした。トップシードで同大会に臨んだジョコビッチは、2セットしか落とさず決勝まで進出。決勝戦ではフェデラーに握られたチャンピオンシップポイントを2回も凌ぎ、勝利を収めた。

もしフェデラーがどちらかのポイントを取っていたら彼がグラスコート覇者となっていたが、結果、11勝1敗で2位となった。フェデラーは「ATP500 ハレ」でグラスコート19個目のトロフィーを勝ち取っている。

今年のグラスコートシーズンで特筆すべきは、マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)の躍進だ。「ATP250 シュツットガルト」参戦時、彼はまだ世界ランキング30位だった。しかし同大会優勝後、「ATP500 ハレ」で準決勝進出、そして「ウィンブルドン」で4回戦まで進んだベレッティーニは、後にトップ10に仲間入り。「Nitto ATPファイナルズ」への出場も果たした。

選手名:記録(勝敗)/勝率%

ノバク・ジョコビッチ(セルビア):7勝0敗/100%

ロジャー・フェデラー(スイス):11勝1敗/91.7%

マッテオ・ベレッティーニ(イタリア):12勝2敗/85.7%

ジョン・イズナー(アメリカ):5勝1敗/83.3%

ラファエル・ナダル(スペイン):5勝1敗/83.3%

インドアコート(最低10試合)

2019年、ナダルが首位となったもう1つのサーフェスがインドアコートだ。「デビスカップ」決勝ラウンドのシングルス5試合すべてで勝利したことが、インドアでの成績を急激に押し上げた。

左膝の手術より復帰したジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)は、世界239位で2019年をスタート。インドアコート勝率では7位に終わり、上位5名に食い込むことはできなかったが、インドアでの好成績が年末ランキングを29位まで押し上げる大きな助けになった。ツォンガは「ATP250 メス」と「ATP250 モンペリエ」で優勝、自身12番目と13番目のインドアコートでのタイトルとなった。

インドアコートで勝率4位のフェデラー(8勝2敗)は、「ATP500 バーゼル」で同大会10回目の優勝を遂げ、ツアー通算103個目のタイトルを獲得した。

選手名:記録(勝敗)/勝率%

ラファエル・ナダル(スペイン):11勝1敗/91.7%

ノバク・ジョコビッチ(セルビア):9勝2敗/81.8%

アレックス・デミノー(オーストラリア):13勝3敗/81.3%

ロジャー・フェデラー(スイス):8勝2敗/80%

アンドレイ・ルブレフ(ロシア):15勝4敗/78.9%

総合成績

2019年シーズンを世界ランキング首位で終えたナダルが、ATPツアー全体で最も良い成績を残したのは当然のことだろう。記録は58勝7敗で、勝率はほぼ9割だった。7敗のうち5試合はトップ10選手との対戦で、その他2試合もファビオ・フォニーニ(イタリア)とニック・キリオス(オーストラリア)という、危険な相手との対戦だった。

選手名:記録(勝敗)/勝率%

ラファエル・ナダル(スペイン):58勝7敗/89.2%

ロジャー・フェデラー(スイス):53勝10敗/84.1%

ノバク・ジョコビッチ(セルビア):57勝11敗/83.8%

ダニール・メドベージェフ(ロシア):59勝21敗/73.8%

ドミニク・ティーム(オーストリア):49勝19敗/72.1%

※写真は左から2018年全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン

(@Getty Images)

翻訳ニュース/ATPTour.com