写真:吉田雅己(岡山リベッツ)/撮影:ラリーズ編集部

Tリーグの見逃せない名勝負をラリーズ編集部独自の視点で解説する【T.LEAGUE 名場面解説】。
今回は12月7日に行われた岡山リベッツ(以下岡山)と木下マイスター東京(以下KM東京)との一戦から、第2マッチの吉田雅己と大島祐哉の試合にスポットライトを当てる。

この試合は、前日、木造勇人(琉球アスティーダ)に敗れてしまった吉田と故障明けの大島にとってチームの勝利はもちろんのこと、自身のプレーを取り戻すためにも互いに負けられない一戦となった。試合は1ゲーム目を吉田が逆転で奪うと、すぐさま2ゲーム目を大島が取り返す白熱した展開から、勝負の3ゲーム目を制した吉田が流れをつかみ4ゲーム目も連取、3-1で吉田が大島を下した。

1ゲーム目、3ゲーム目と重要なゲームを逆転で奪った吉田はどのような戦術で勝利したのか。

ノジマTリーグ 岡山リベッツ対木下マイスター東京:吉田雅己VS大島祐哉

詳細スコア

○吉田雅己 3-1 大島祐哉
11-10/10-11/11-10/11-3

1.攻めのタイミングを見逃さない勝負勘で大逆転に成功




図:9-10での吉田の攻めの展開/作成:ラリーズ編集部

試合開始後、大島がサーブからの展開で優位に立ちスタートダッシュを決め、7-2とリードを広げていく。吉田もバックドライブで点数を重ねていくが、序盤開いた点差が縮まず、4-10とゲームポイントを大島に握られる。

次の大島の2本のサーブから流れが変わり始める。1本目は吉田のレシーブに対し大島が空振り、2本目は大島のサーブが甘くなりそれを見逃さず吉田が決め6-10とする。そして、大島のレシーブミスで7-10と吉田がポイントを重ねる。

このチャンスを吉田は見逃さず、積極的なプレーで大島にプレッシャーをかける。回り込みドライブやフォアフリックなどで9-10まで追いつく。流れを切るためにKM東京サイドがタイムアウトを使用したが、流れを変えることはできず最後は吉田のロングサーブに対し大島のレシーブがオーバー、吉田が7連続ポイントで第1ゲームを大逆転で奪った。

序盤多かった凡ミスを減らしつつ、最後は強気の攻めで逆転したこのゲームから吉田の高い修正能力と攻めのタイミングを見逃さない勝負勘を見て取ることができる。

2.多種多様なレシーブ技術で相手の読みを惑わす




図:吉田のレシーブ技術/作成:ラリーズ編集部

2ゲーム目を大島が取り、振出しに戻った勝負の3ゲーム目。序盤は一進一退の攻防が続き、中盤7-5と大島がリードするものの吉田が大きなラリー戦を制し追い付く。1、2ゲーム目同様に10-10までもつれ、最後は吉田のサーブが大島の空振りを誘い3ゲーム目を吉田が奪う。

吉田がゲームを奪った要因としてラリー戦の強さはもちろんのこと、多種多様なレシーブ技術にある。大島の短いサーブに対し、3ゲーム目内だけでも吉田はバックならチキータ、ストップ、そしてフォア側なら流し、フリック、ストップなど多様なレシーブを使用する。そして台から出るサーブに対してもしっかり回転をかけ返すことができている。それに対し大島はチキータの威力はあるものの、吉田がラリー戦で優位ということもありチキータ以外からの展開が難しくなっていった。

結果4ゲーム目では、流れに乗った吉田がサーブ・レシーブの展開から優位に立ち点数を重ね、吉田が大島を3-1で下した。

まとめ

今回の試合では1ゲーム目が最も重要なゲームとなった。吉田が4-10から7連続ポイントで大逆転をした背景には、ゲームが終盤になるにつれミスが減っていく修正能力と大島が守りに入ったタイミングを見逃さず攻撃的な姿勢を見せた勝負勘が見て取れる。

3ゲーム目でも終盤の粘りに加え、多種多様なレシーブ技術で接戦を制し、その流れを離さず押し切る形となった。

岡山リベッツを引っ張る吉田が、今後どのようにそのプレーを見せるのか目が離せない。

文:ラリーズ編集部