e交流戦後節はeBASEBALLプロリーグ初の地方開催となった。開催地は広島だ。   eBASEBALLプロリーグのカープ代表はe交流戦後節が始まるまで1勝7敗1分と苦しい戦いを強いられていたが、この2日間は多くのカープファンが会場で観…

 e交流戦後節はeBASEBALLプロリーグ初の地方開催となった。開催地は広島だ。 

 eBASEBALLプロリーグのカープ代表はe交流戦後節が始まるまで1勝7敗1分と苦しい戦いを強いられていたが、この2日間は多くのカープファンが会場で観戦に来ていて、ホームといってもいい雰囲気の中で戦いに臨んでいたように見えた。 

 地元開催で初戦の舞台に上がったのは今シーズン未勝利の大寺(プレイヤーネーム:ゴジラ)選手。ファイターズ木滑(ビッシュ)選手相手に再三ピンチを招く苦しい展開だったが、3回に西川選手のレフト前ヒットを皮切りに内野安打2本を重ね、犠牲フライで先制。最終回には1死満塁の一打逆転サヨナラ負けの場面を迎えたが、ショートへの併殺打で凌ぎ切って初勝利。地元での開催でカープはまず1つ勝ち星を挙げた。 

 続くカープの2戦目はこちらも未勝利の伊勢家(泉川れい)選手。初回に松山選手のセンター前タイムリーで先制すると2回には長野選手で完璧な当たりのホームランで追加点。4回にはホークス大石(ナオピー)選手の放った右中間への大飛球を野間選手のアクロバティックなファインプレーで阻止すると、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。その後は伊勢家(泉川れい)選手の持ち前の投球技術を活かしてホークス打線をシャットアウト。試合後は「広島のあったかい雰囲気、すごいいい雰囲気で試合できたのが勝ちにつながった」と語った。退場の際には会場から「いいぞ伊勢家!」の声も上がっていた。 

 後節2日目に行われたカープの3戦目はキャプテンの倉前(カイ)選手と17年チャンピオンのライオンズ前田(マエピー)選手のマッチアップ。一進一退の攻防で0-0のまま迎えた4回、菊池選手の右中間へのホームランを皮切りに奪った3点を守りきり、3試合連続の完封勝ちで3連勝。ここまで苦しんできたカープはホームタウンの試合で息を吹き返す形となった。 

 私の所属するドラゴンズはと言うと…。交流戦では1勝もできずにリーグ最下位へと沈んでしまった。自分自身の試合も2本のホームランで優位に試合を進めながらも守備のミスで同点に追いつかれて引き分け。2試合続けて勝ちきれないもどかしい試合結果になってしまった。 

 初めての広島での開催は、普段の東京での開催よりも観客が多かった。カープの堂林選手ら4名の現役選手や引退を表明した赤松選手、岩本選手などのゲストを目当てに来場した方もいたと思う。カープ戦では一際歓声も大きかったため、単純にカープの応援に来ていたという方もいたはずだ。そんな中で私の出番だった2日目の最終試合、舞台に上がった時に多くの方が残って観戦している姿が目に入ってとても嬉しかった。SNS上では「初めて生で見たけど凄い熱気だった!」といった声もあり、それぞれの選手のパフォーマンスの熱量が伝わっていた結果だと感じられた。 

 「もっと地方開催を増やして欲しいなぁ」「また見たい」という声もあったし、試合後にカープの選手たちが観客に写真やサインをねだられている姿を見ると、来年以降も広島や他の会場で開催しても盛り上がりそうだと思う。運営側にとっては大変だと思うが、来年は是非とも複数の都市でeBASEBALLプロリーグを開催してもらって、もっと多くの人に私たちの熱量を伝えていきたい。そう思った初の地方開催だった。

 

文・菅原翔太(eBASEBALLプロリーグ2019シーズン中日ドラゴンズ代表選手・キャプテン)