今年で27回目を迎えた女子部の早慶定期戦(早慶戦)。今回まで女子部は慶大相手に12連覇を達成しており、令和になって初めての早慶戦は13連覇を懸けて臨んだ。第1クオーターにDF橋本が先制点を奪いリードする。第3Qで同点に追いつかれるが、再び…

 今年で27回目を迎えた女子部の早慶定期戦(早慶戦)。今回まで女子部は慶大相手に12連覇を達成しており、令和になって初めての早慶戦は13連覇を懸けて臨んだ。第1クオーターにDF橋本が先制点を奪いリードする。第3Qで同点に追いつかれるが、再び点を奪い2対1で勝利を収めた。見事早慶戦13連覇を達成した。

 早大のセンターパスで始まった令和最初の早慶戦。試合序盤で得点しようと話していたと試合後に選手たちが語ったように、早大は開始後から積極的に攻めていく。惜しい場面を演出するが、慶大もしっかりと守りゴールを奪うことはできない。しかし第1Q7分過ぎにペナルティーコーナー(PC)を獲得すると、「偶然だった」と振り返りつつもDF橋本実結(社3=東京・早実)が先制ゴールを決めた。1対0でリードしたまま突入した第2Qでは慶大に攻められる場面もあったが、しっかりと守り失点は許さない。終盤は両校ともに決定打を欠いたまま時間は進み前半を終えた。


先制点を決めたDF橋本(中央)

 1対0でリードし試合を折り返した早大。しかし第3Q開始直後、サークル内に攻め込まれると混戦の中で同点ゴールを決められてしまう。ゲームは振り出しに戻ったが、「1点決められた後も落ち着いて攻めることができた」(有賀)と冷静にゲームを展開していく。すると第3Qの序盤に再び早大が試合を動かす。PCを獲得するとDF有賀瞳(スポ4=東京・成城学園)が決勝点となるゴール決める。試合終了間際まで両校の激しいオフェンスが続いたが、1点差を守り切った早大が勝利を収めた。


決勝ゴールを決めたDF有賀

 『13連覇』。勝ち続けているからこそ負けられないという選手たちが感じる重圧は計り知れない。そんな重圧は跳ね返し、連勝記録を更新した早大。「勝ち切れて本当に良かった」(橋本)と試合後の選手たちには笑顔が浮かんだ。女子部は11月30日に秋季リーグ最終戦の順位決定戦を行う。現チームで戦える最後の試合で有終の美を飾れるか、負けられない一戦が待っている。

(記事 新藤綾佳、写真 小出萌々香、布村果暖、七澤拓未)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません


試合前の様子

結果
TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大
慶大


コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか

本当に勝てて、単独優勝できて良かったと思います。

――13連覇が懸かっていましたが、プレッシャーはありましたか

選手の方が、ずっと負けていないので勝たなきゃいけないというのは思っていたと思います。

――今季、慶大と対戦するのは今回が初めてだったと思いますが戦ってみての印象はいかがでしょうか

練習試合はさせてもらっていたので、低いディフェンスで守備を頑張っているというイメージは前からありました。

――きょうの得点の場面はいかがだったでしょうか

コーナーを練習していたので、そこで決めることができたのは良かったかなと思います。

――次週に控えた順位決定戦へ向けての意気込みをお願いします

最後、東農大戦で春(春季リーグ)と同じになります。人数が少なくてけが人も多いのですがチームワークでしっかり得点を取って勝てるようにしたいです。

DF有賀瞳(スポ4=東京・成城学園)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか

始まるまでみんな緊張していていました。ですが当日になったら、いけるなという思いがなぜかみんなに宿っていました。1点決められた後も落ち着いて攻めることができました。絶対に勝てると確信していましたので、のびのびプレーできたかなと思います。

――13連覇が懸かる試合ということでプレッシャーはありましたでしょうか

結構ありました。先輩たちが築いてきて、13年目というのが本当に重くてここで途切れさせてはダメだと思っていました。試合が始まってすぐに1点取って、チームの士気を盛り上げようという目標がありました。それを達成できて貢献できたかなと思います。

――慶大とは今季初めての対戦でしたが、いかがでしたでしょうか

この前練習試合をした時に人数が私たちが1人少ないという中で0対2で負けてしまっていたので、それ以降絶対に勝つという気持ちでやってきました。ただこの1年で対戦したことがなかったので緊張しました。

――戦ってみての相手の印象を教えてください

慶応のチームは攻め方が特徴的というか、パターンがわかるようになっていたのでそこを封じれば絶対に抑えられると思っていました。そのパターンをしっかりディフェンスが囲い込んで追い詰めていたというのが勝因かなと思います。

――決勝点となったご自身の得点シーンを振り返ってみてはどうでしょうか

ボールがいつ来てもいいようには準備していました。ですが自分が決められとは思っていなかったので、すごく嬉しかったです。

――順位決定戦への意気込みをお願いします

それが最後の試合になるので悔いのないように。きょうの余韻に浸りつつも、次に向けて切り替えて3位を維持できるように頑張ります。

DF橋本実結(社3=東京・早実)

――早慶戦終わっての今の率直な気持ちを聞かせてください

始まるときにキャプテンの詩帆さん(GK高橋詩帆主将、スポ4=栃木・今市)が絶対に1クオーターから2点取ろうとおっしゃっていて、その言葉を聞いて自分に(ボールが)回ってきたらしっかり点数を取ろうとやっていました。(得点した場面は)自分のところに(ボールが)来る予定ではなかったのですが、たまたま来て、たまたま入ったという感じです。ですが、初得点だったので嬉しかったです。その後1対1に追いつかれましたが、瞳さん(DF有賀瞳、スポ4=東京・成城学園)が取ってくれて、勝ち切れたのは本当に良かったと思いました。

――きょうの勝因としては何が考えられますでしょうか

攻められた場面もあって失点もしてしまいましたが、ディフェンス陣を含めMFやFWの人たちも戻ってきてくれて、攻められている場面でも守って1失点に抑え勝ち切れたのが良かったのかなと思いました。

――長年の連覇というのはプレッシャーだったでしょうか

(プレッシャーは)感じていました。結構人数も少なくて、けがをしてる選手も多く、万全の態勢ではなかったと思います。そういった不安があって勝ち切れるか心配もあったのですが、前日にもみんなでやり切ろうという話をしていて強い気持ちで挑めたので良かったと思います。

――対戦してみての慶大の印象はいかがでしたでしょうか

プレッシャーなども速くて、勝ちにくる気持ちも強かったと思います。ですので最初から気は抜けないなという場面もありました。

――最後に順位決定戦が控えています。意気込みの方をお願いします

4年生と戦える最後の試合になります。(3年生の)私たちが一番長く一緒にやってきてもらったので、その分を恩返しというかしっかり自分も活躍をして、チームで勝って3位を絶対に獲りたいなと思います。