今年の「Nitto ATPファイナルズ」や「デビスカップ」も終了したことで、2010年代の男子テニス公式戦は幕を閉じた。イギリスのスポーツ専門チャンネル、Sky Sportsが、2010年代の…

今年の「Nitto ATPファイナルズ」や「デビスカップ」も終了したことで、2010年代の男子テニス公式戦は幕を閉じた。イギリスのスポーツ専門チャンネル、Sky Sportsが、2010年代の男子テニスで最も記憶に残る試合を独自に10試合選び、発表している。

■2012年「全豪オープン」決勝

○ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 5-7、6-4、6-2、6(5)-7、7-5 ●ラファエル・ナダル(スペイン)

フルセットに及んだこの試合は、5時間53分というグランドスラムの決勝として最長記録を誇っている。試合が終わったのは深夜の1時37分。疲労で立っているのも辛い二人のために、セレモニーでは椅子が用意されるほどの死闘を演じた両者の熱い戦いはもはや伝説となっている。

■2012年「全米オープン」決勝

○アンディ・マレー(イギリス) 7-6(10)、7-5、2-6、3-6、6-2 ●ジョコビッチ

マレーが5度目のグランドスラム決勝進出を果たすと、フルセットで前年優勝のジョコビッチを撃破。自身初のグランドスラム優勝を果たすと同時に、自身のグランドスラム100勝を達成した。

■2013年「全豪オープン」4回戦

○ジョコビッチ 1-6、7-5、6-4、6(5)-7、12-10 ●スタン・ワウリンカ(スイス)

前年覇者のジョコビッチにフルセットの末に敗れたワウリンカ。翌年の「全豪オープン」ではジョコビッチとナダルを破り、グランドスラム初の決勝進出で初優勝を成し遂げた。

■2013年「全仏オープン」準決勝

○ナダル 6-4、3-6、6-1、6(3)-7、9-7 ●ジョコビッチ

同大会3連覇中のナダルが、当時世界1位のジョコビッチとの4時間37分の熱戦を制した。ナダルはその勢いのままに、自身2度目となる4連覇を成し遂げ、クレーでの強さを改めて見せつけた。

■2013年「ウィンブルドン」決勝

○マレー 6-4、7-5、6-4 ●ジョコビッチ

ジョコビッチをストレートで破り、グランドスラム2勝目をあげたマレー。1936年のフレッド・ペリー(イギリス)以来となる、地元イギリス人選手の優勝者に会場が大きく沸いた。

■2014年「ウィンブルドン」決勝

○ジョコビッチ 6(7)ー7、6-4、7-6(4)、5-7、6-4 ●ロジャー・フェデラー(スイス)

3年ぶり2度目となる同大会優勝を果たしたジョコビッチは、これがグランドスラム7勝目。大会後のランキングで約10ヶ月ぶりに世界1位に返り咲いた。

■2016年「リオデジャネイロオリンピック」決勝

○マレー 7-5、4-6、6-2、7-5 ●フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)

マレーは2012年の「ロンドンオリンピック」に引き続き、同大会でも金メダルを獲得して2連覇を達成。「オリンピックでのプレーは本当に楽しい。チームの雰囲気も、国のために戦うこともいつも楽しいんだ」「だから東京でプレーしたい」と、米紙New York Timesに語っており、「東京オリンピック」に出場なるかが注目される。

■2017年「全豪オープン」決勝

○フェデラー 6-4、3-6、6-1、3-6、6-3 ●ナダル

両者とも怪我からの復帰を目指す中で迎えた決勝。当時35歳のフェデラーと30歳のナダルが繰り広げたハイレベルな試合は、まさしく名勝負となった。

■2018年「ウィンブルドン」準決勝

○ジョコビッチ 6-4、3-6、7-6(9)、3-6、10-8 ●ナダル

この日の第1試合でケビン・アンダーソン(南アフリカ)とジョン・イズナー(アメリカ)が6時間36分にわたる試合を行っていたため、ジョコビッチとナダルの試合は2日にわたって行われた。シーソーゲームを制したジョコビッチは、決勝でアンダーソンを破って3年ぶり4回目の優勝に輝いた。

■2019年「ウィンブルドン」決勝

○ジョコビッチ 7-6(5)、1-6、7-6(4)、4-6、13-12(3) ●フェデラー

フェデラーにチャンピオンシップポイントを2本握られたものの、ジョコビッチが奇跡の大逆転で2連覇。ジョコビッチは、試合後に「これは最もエキサイティングな決勝の一つと言えます。少なくとも3本の指には入るでしょう。歴史に残る最も素晴らしい選手と、このような素晴らしい試合ができて、本当に誇りに思います」と、お互いの健闘を称えた。

2010年から2019年までに行われた数多くの中から選ばれた10試合。歴史に残る名勝負ばかりだが、ここに選ばれていないものの中にも、数多くのドラマや素晴らしい試合がたくさんある。

来シーズン以降も多くの名勝負を見せてくれることを選手たちに期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2012年「全豪オープン」で優勝した瞬間のジョコビッチ(手前)

(Photo by Ryan Pierse-Pool/Getty Images)