この4学年で臨む最後の公式試合・全日本学生優勝大会(全日本)が開催された。試合は7人制のトーナメント方式によって行われる。同ブロックには昨年大会の覇者である強敵・中大が名を連ねていた。過去に幾度もこの全日本の場で中大から黒星を喫し、悔しい…

 この4学年で臨む最後の公式試合・全日本学生優勝大会(全日本)が開催された。試合は7人制のトーナメント方式によって行われる。同ブロックには昨年大会の覇者である強敵・中大が名を連ねていた。過去に幾度もこの全日本の場で中大から黒星を喫し、悔しい思いをしている早大。因縁の相手との戦いに向けて鍛錬を重ねてきた。しかし結果は、まさかの1回戦敗退。9年ぶりの日本一を目指し臨んだ早大だったが、あっけなくも夢破れた。


次代を託される藤田

 1回戦の相手は高知大。「思い切って試合ができた」と先鋒・大串快晴(スポ1=愛知・星城)が相次いでメンを決め勝利、幸先の良い出だしを切る。続く次鋒戦では鈴木涼也(社2=佐賀・龍谷)がコテを先取するも、同じくコテを取り返され引き分けに。その後の五将戦、中堅戦も引き分けが続き、なかなか良い流れを引き寄せられない。そしてここから悪夢が始まった。三将の中嶋優樹副将(法4=東京・國學院久我山)、副将の藤田啓人(スポ3=東福岡)が相次いで一本を取られてしまう。チームの主軸2人の思わぬ敗戦にチーム内での緊張感が高まる。そしてリードを許した状況で迎えた大将戦、試合開始早々に秋山健太主将(スポ4=福岡大大濠)はメンを先取。「一本ビハインドの状況は自分の中では得意な分野」と語るように持ち前の勝負強さを発揮した。その後も冷静な試合運びを見せ、早大は総本数の差でなんとか勝利を収めるように思われた。しかし開始終了直前、秋山は2回目の反則が審判から下され、相手大将に一本が入る。悪夢再来。何とか取り返そうと猛攻を仕掛けるも審判の旗は上がらず大将戦の結果は引き分け。早大は総本数の差で破れ、早すぎる敗退となってしまった。選手たちはうなだれ、肩を落とした。


相手を揺さぶる秋山

 「情けないとしか言いようがない」(中嶋)。中大撃破、そして全国制覇を目指してきた早大にとっては勝たなくてはならない一戦だった。4年生にとって今大会は最後の公式戦、次に控える早慶戦をもって引退となる。ライバル慶大には予選で惜しくも代表戦の末に破れてしまっている。「しっかりと借りを返せるように頑張りたい」(藤田)、「大将の僕が負けなければチームは負けない」(秋山)。今度こそ宿敵を打ち負かし、笑顔で引退を迎えたい。

(記事、写真 湯口尊)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

1回戦 ●早大1(4)―(4)2高知大
先鋒 大串  メメ―    本城

次鋒 鈴木   コ✕コ   竹元

五将 藤本    ✕    寒川

中堅 岡田    ✕    銭谷

三将 中嶋    ―メ   福田

副将 藤田    ―コ   瀧澤

大将 秋山   メ✕反   西原



早大 1回戦敗退

コメント

秋山健太主将(スポ4=福岡大大濠)

――本日の試合を振り返っていかがですか

立ち上がりがとても悪く、流れを持っていかれてしまいました。

――試合前にはどのような話し合いをされましたか

2回戦に勝ち進むと中大が対戦相手ということで、自然とそっちばかりに意識が向いてしまうので、監督と選手皆で1試合目から気合を入れて油断しないようにしようと雰囲気作りをしました。しかし、心のどこかで少し油断をしていて、残念な結果につながってしまったのかもしれないです。

――今大会に向けて準備してきたことは何ですか

技のつながり、打ち合いの中で負けないような剣道を目指して稽古に励みました。つながりの技を得意としている中大に意識をおいて練習してきたのですが、その成果を出すことはできずということでした…

――大将戦一本ビハインドの状況で試合に臨まれていかがでしたか

一本ビハインドの状況は自分の中では得意な分野というか、好きな試合状況です。勝てる自信はあったんですけど、一本先取した後に反則2回ということで、もう一本取れれば良かったなとは思うんですけど、しょうがない部分もあったかと思います。

――最後に、早慶戦に向けて一言お願いいたします

最後の試合、4年生がしっかりと機能して頑張りたいです。勝ち抜き戦なので大将の僕が負けなければチームは負けないので、全力で戦いたいと思っています。

中嶋優樹副将(法4=東京・國學院久我山)

――本日の試合を振り返っていかがですか