劇的なサヨナラ勝ちに喜ぶ早大ナイン。早慶戦に勝利して3位でリーグ戦を終えた 早大が劇的なサヨナラ勝ち。熱戦の末、4対3で完全優勝を狙った慶大を退けた。 1勝1敗で迎えた早慶3回戦。全勝優勝を逃した慶大は、前日の2回戦で3回3失点、50…

劇的なサヨナラ勝ちに喜ぶ早大ナイン。早慶戦に勝利して3位でリーグ戦を終えた

 早大が劇的なサヨナラ勝ち。熱戦の末、4対3で完全優勝を狙った慶大を退けた。

 1勝1敗で迎えた早慶3回戦。全勝優勝を逃した慶大は、前日の2回戦で3回3失点、50球を投げた森田晃介(2年・慶應)が2日連続の先発。対する早大は、2回戦に2番手に登板して1回0/3を2失点だった今西拓弥(3年・広陵)が、小宮山悟監督から「昨日の不甲斐ない投球を取り返すのは今日しかない」と先発マウンドへ。再び秋晴れとなった神宮で、今季最後の戦いが始まった。

 試合は序盤から点の取り合いとなった。慶大が1回表、1死1、2塁から4番・郡司裕也(4年・仙台育英)のセンター前タイムリーで1点を先制したが、早大がその裏、2死1、2塁から5番・檜村篤史(4年・木更津総合)の2点タイムリー2塁打で逆転。しかし、2回表に慶大が四球から送りバント、内野ゴロ2本という攻撃を展開した中で、早大野手陣がミスを連発。2つの悪送球がそのまま失点に繋がり、慶大が3対2と再逆転に成功した。

6回から3番手としてマウンドに上がった早大・早川が力投を続ける

価値ある同点ソロを放った早大・岩本。後ろから被弾した慶大・高橋佑が見つめる

 その後、慶大が3回からリーグ通算16勝を誇る左腕・高橋佑樹(4年・川越東)がリリーフ登板して逃げ切りを図ったが、早大は諦めない。6回裏、2死走者なしから7番・岩本久重(2年・大阪桐蔭)が、カウント2ボールからの3球目を捉え、レフトスタンドへ放り込む自身リーグ戦初本塁打を放って同点。試合は3対3、両者譲らずに9回を迎えた。

 迎えた9回表、慶大が無死1塁から2死3塁のチャンスを作ったが、6回から4番手で登板していた早大・早川隆久(3年・木更津総合)が踏ん張ってスコアは動かず。その裏、今度は早大が岩本の2塁打で無死2塁チャンスを作ると、慶大の3番手・津留﨑大成(4年・慶應)が何とか踏ん張って2死1、3塁までこじつけたが、最後は早大の金子銀佑(3年・早稲田実)が一二塁間を破るライト前ヒット。これが熱戦に終止符を打つ劇的なサヨナラ打となった。

9回裏2死1、3塁から早大・金子がライト前へ弾き返す

 これで早大は7勝6敗の勝ち点3で、立大を勝率で上回って3位。この日の勝利を「素晴らしい」と振り返った小宮山悟監督は、「来年の春に向けて、早稲田の泥臭さというものをもう一度取り戻したい」と力を込めた。一方の慶大は、早慶戦1回戦まで破竹の9連勝で3季ぶりの優勝を決めたが、その後の2連敗で全勝優勝だけでなく完全優勝も逃す結果となった。郡司裕也(4年・仙台育英)はこの日もタイムリーを放って、打率.394、2本塁打、10打点で、戦後14人目、慶大では1996年春の高橋由伸以来の三冠王に輝いたが、悔しい形でのリーグ最終戦となった。

優勝に続いて三冠王の栄誉を手にした慶大・郡司だったが、最後はグラウンドに膝をついた状態でリーグ戦を終えた

■慶應義塾大vs早稲田大3回戦
慶應義塾大 120 000 000=3
早稲田大  200 001 001x=4

【慶】森田晃、高橋佑、●津留﨑−郡司
【早】今西、森田、野口、○早川−岩本
本塁打・早稲田大・岩本《6回ソロ》

◎早稲田大・小宮山悟監督
「昨日の試合をもっと楽に勝てればよかったですが、今日は本当にいい試合だった。素晴らしい。今日は勝ちましたが、結果は3位。課題を一つ一つ潰して、気持ちを入れ替えてやって行かないといけない。今までと同じことをやっていてはだめ。今日もミスがありましたし、そういうところを含めて、全員が今までのままではだめ。OBの方々も歯がゆく思っている。来年の春に向けて、早稲田の泥臭さというものをもう一度取り戻したい」