第37回全日本女子大学駅伝対校選手権大会10月27日(日)弘進ゴムアスリートパーク仙台~仙台市役所前市民広場総合11位 東洋大 (38.1km)2:10'511区 (6.6km)田浦英理歌 21'42(4位通過・区間4位…

第37回全日本女子大学駅伝対校選手権大会

10月27日(日)弘進ゴムアスリートパーク仙台~仙台市役所前市民広場


総合11位 東洋大 (38.1km)2:10'51

1区 (6.6km)田浦英理歌 21'42(4位通過・区間4位)

2区 (3.9km)後藤藍子 13'09(7位通過・区間12位)

3区 (6.9km)渡辺早紀 24'19(11位通過・区間20位)

4区 (4.8km)山口いずみ 16'45(11位通過・区間7位)

5区 (9.2km) 和田美々里 30'40(9位通過・区間6位)

6区 (6.7km)伊東明日香 24'16(区間19位)


シード権を逃し悔しさをにじませる選手たち


1区・田浦は区間4位の好走


第2中継所 2区・後藤(左)→3区・渡辺


第3中継所 3区・渡辺(左)→4区・山口


第4中継所 4区・山口(左)→5区・和田


第5中継所 5区・和田(左)→6区・伊東


11位でゴールテープを切った伊東


チームをまとめる原子主将

 

 第37回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(以下、全日本女子)が行われ、東洋大は11位でフィニッシュ。本調子でない4年生の多くをメンバーから外し下級生中心のオーダーで挑んだ。1区・田浦(食2=ルーテル学院)が4位と好発進するなど、エース白川(食4=常総学院)抜きのメンバーでそれぞれの意地を持って戦ったが、5位以内を目標に臨んだだけに選手たちは悔しさをあらわにした。

 


 1区に起用されたのは田浦。スタート直後から中大の五島が速いペースでレースを引っ張り、田浦は大きな塊となった5位集団で様子をうかがう。後半になるとペースが落ちてきた前の選手を捉え、5km手前で2位集団に。ラストスパートでスピードのある選手に抜かされるも、大健闘の4位で2区の後藤(食1=須磨学園)へ。先月の関東大学女子駅伝に引き続き、1年生ながらメンバー入りした後藤。最短3.9kmのスピード区間ではあるが、アップダウンのあるコースで落ち着いた走りを見せる。順位を3つ落としてしまうも、シード圏内の7位でタスキを先輩たちに託した。3区は渡辺(食2=新潟中央)が出走。各大学のエース級の選手がそろうなか、渡辺も負けじと食らいつく。しかし5km過ぎから脱水気味になり、区間20位と満足のいく走りではなかったが、この経験が渡辺を成長させるだろう。



 4区11位でタスキを受け取ったのは、唯一の4年生山口(食4=順天)。けがで走れない他の4年生の思いも背負い、山口は1つでも順位を上げようと走る。順位を上げることは叶わなかったが、前との距離を詰め5区・和田(食3=順天)へとつないだ。最長のエース区間を任された和田は、シード圏内へと順位を押し上げるため、必死の追い上げを見せた。順位を2つ上げ、前の8位との差は7秒。9位でアンカーの伊東(食2=順天)へ。駅伝で5km以上を走ったことがなく、距離に対して不安があったという伊東。シード権を獲得すべく、前のチームを懸命に追うも、後ろから他大の猛追もあり11位でゴールテープを切った。



 今回1、2年生中心のメンバーとなり「負担をかけてしまった」と原子主将(食4=錦城学園)は振り返った。永井監督はこの悔しさを次につなげ「富士山は確実に入賞を」と意気込む。年末の全日本大学女子選抜駅伝競走大会(以下、富士山駅伝)は今のメンバーで走れる最後の大会。全日本女子の悔しさを晴らすため1つでも上を目指していく。



◾️コメント

・永井監督

1区の田浦がいいスタート切ってくれて、1年生の2区起用した後藤もいい流れで落ち着いて走れていた。1、2区の序盤は思った通りの展開だったが、3区起用した渡辺が5km過ぎから脱水気味でなかなか思うように力を出せなかったっていうところは、チーム全体として3区というエース区間に渡辺を起用せざるを得ないチーム状況というのが彼女にプレッシャーを与えてしまったのかなと。渡辺も5kmまでの走りはすごく良かったので次に向けて頑張ってくれるのではないかと、この経験を生かしてくれるんじゃないかなと思う。そこから4区5区とシードに近いところまで取り戻してくれて、6区では遅れてしまったが今の東洋大学の力っていうのは出し切れたのかなと思う。走った選手だけじゃなくて、サポートに回った選手も含めて全員で駅伝ができたのかなと思うが、故障者もいたのでその辺を修正したいと思う。(11位という結果について)シード取れなかったら9位も10位も11位も変わらないと思ってはいるが、ただ昨年より順位を落としてるのでそれはもう監督の責任だと思う。(下級生中心のオーダーだったが)4年生が元気で下級生中心ということなら問題ないが、やはり故障からのなかなか体調が上がってこないエース白川を抜いて、しょうがなく1、2年生で組んだというオーダーで、これが昨年まで白川に頼っていたチームだったので、そこからは1人1人自覚して、田浦だったり和田だったり伸びてきた選手もいるので、そこをまた富士山に向けて整えていきたい。(来年の全日本に向けて)また4年生が抜けて、新入生が入ってきてメンバーが入れ替わるので、また新チームということで今日経験した3年生以下がこの駅伝の難しさ、大変さっていうものを新入生に伝えていって、今年の悔しさを忘れずにまた1年過ごしたい。(富士山駅伝に向けて)富士山は確実に入賞を。故障者も戻ってきてるし、関東女子の時より今全日本の方がだいぶ体調も上がってきてるし、故障してた1年生たちもだいぶ元気になってきたので、富士山の方がしっかり戦える準備はできていると思うので、あと2カ月準備して今度は入賞できるように頑張りたい。


・原子主将(食4=錦城学園)

今年はこのチームが始まってからけが人とかが結構多くて、4年生も全然思うように走れない部分があった。そういったところで目標はブレずにやっていくという形でチームとして全員でやってきたが、4年生が引っ張れていなかったことが大きくて1、2年生中心で走ってもらって、そこが負担になってしまったかなというふうに思っている。(レースを振り返って)1区からの流れはいいものをつくれたというところがあると思うが、そこから少しずつ下がってしまって後半の2年生だったり長い区間に回ってもらった子に、結構負担をかけてしまったかなというふうに思う。(富士山に向けて)2ヵ月あるのでしっかりここからもう一度立て直して、チーム全体で最後は笑顔で終われるように頑張りたい。


・1区 田浦英理歌(食2=ルーテル学院)

監督からは最後の上りの橋のところで前に出てスパートをかけてほしいと言われたが、自分で判断してその前でかけたがやっぱり最後はもともと速い人たちに負けて、1秒でも早くタスキを渡すことが自分の目標だったので悔しかった。(納得のいかないレースだった)自分がもっといけていたらもっと結果は違っていたのかなと思っている。(レースプランは)前半は落ち着いて後半を徐々に上げていけるようなレースにしようと思っていた。(大きな目標としていた大会が終わって)やっぱり目標が5位だったので11位という結果はとても悔しいし、また、1年頑張って出直してきたいと思う。(富士山に向けて)今回悔しい思いをした分、5位という目標を掲げていたのでそれを達成できるように頑張りたい。


・2区 後藤藍子(食1=須磨学園)

チームの目標としている5番を狙うというところで自分は2区で1区の先輩から3番で受け取って、スピード区間ということで自分がスピードに自信を持ってスタートを切れたわけではなかったが、少しでも前との差を維持して前につなげたかったが自分の力不足だなと思った。(レースプランは)前半は坂で後半は下りというコースだったが前半はしっかりと粘って、後半は攻めてスピードの選手たちに対応できるようにという考えだった。(関東女子からどのような準備をしてきたか)実際に関東と全日本では距離はあまり変わらなかったが、どこの区間を任せてもらってもしっかりと走れるようにしようと思って、この1ヵ月間は距離を踏むことを自分のなかで意識して練習してきた。(大きな目標としていた大会が終わって)今年大学に入って初めてのことばかりで正直杜の都というのもいまいちどういうものかわからない感じだったが、今回4年生が最後の杜の都ということでその気持ちをもっと発して結果にもつなげたかったという悔しい気持ち。(富士山に向けて)関東と今回で2回走らせてもらって今回はリベンジという部分も自分のなかではあったが、チームのあまり力になれなかったのでこの2ヵ月また今回の反省をしっかりとして、次の富士山に向けて4年生も最後の駅伝になると思うので次はしっかりと結果を残せるように、自分自身もまた一から頑張っていきたい。


・4区 山口いずみ(食4=順天)

(全日本を迎えるにあたりどのような準備をしてきたか)夏合宿は予定通り越えられたが、9月の二次の夏合宿で足の痛みを出してしまい思うように走れなかった。9月29日の関東女子駅伝では1番長い距離を走る予定だったが、そこで外れ3週間半くらいはまともに走れなかった。(本日のレースを振り返って)個人としては4年目の仙台で、そして1人しか入らなかった4年生として。来た順位は11位だったので、前を1つでも押し上げるような走りをしたかった。前との距離をつめることは出来たが、抜かせなかったので悔しい。でも自分として今できる走りはできたと思う。(チームとしては)今年はけが人が多く、1番しっかりしないといけない4年生が3人も抜け、関東でも全日本でも走れずという状況が多かった。4年生として情けない状況だが、後輩が沢山走った駅伝となり初めて駅伝を走った子も多いので、その経験を来年に生かしてもらいたい。(富士山女子駅伝も控える中での意気込みは)監督も仰っていたように、今日負けたチームに何としてでも富士山では1つでも多く勝ちたい。富士山はシード権などはないが、1つでも上の順位で最後このチームで笑って終えられるようにしたい。


・5区 和田美々里(食3=順天)

(関東女子を終えてから全日本までどのような準備をしてきたか)特に変わったことはしてなくて、いつも通りの流れで練習をしてきた。(11位でタスキをもらって9位まで順位を上げたが、実際のレースを振り返って)やはりシード権の8位が前に見えていたが、そこまで押し上げることができなかった。悔しい思いしか残っていない。シード権まで押し上げたりする力が自分にはなかったのでまだまだである。(富士山女子駅伝に向けて)全日本がこのような結果になってしまい、応援してくださってる方に結果で恩返しできていないという状態が、自分が1年生の時から続いている。本当に今度こそは時間もあるので、チームの流れを変えられるような力をつけていってその走りで恩返しすることが出来るような選手になりたい。


・6区 伊東明日香(食2=順天)

(関東女子を終えてから全日本までどのような準備をしてきたか)特別なことはやってないがシード権、チームの目標に向けて少しでも貢献できるように練習してきた。(6区に選ばれた時の心境は)今まで5kmまでしか走ったことがなく、距離に対して不安があった。(実際のレースを振り返って)最初は飛ばしすぎず、それでもしっかり前を追おうと思っていた。実際に走ってみると、下りに苦手意識が強かった。上りにはついていくことができたが、下りで流れに乗ることができなくてそのまま離れてしまった。(シード権獲得に向けてあと1歩だったが足りなかったものは)距離に対する不安がやはり大きかった。今回の距離を自信を持って走ることができなかったこと。(富士山女子駅伝に向けて)今回は自分が最後あと1歩順位を上げられずシードを逃してしまった。富士山では少しでもチームに貢献できるような走りをしたい。


TEXT=両角あずさ    PHOTO=稲村真織、小島敦希、両角あずさ、水越里奈