JR東日本カップ2019 第93回関東大学リーグ戦 第18節
早大1-2
0-1
流通経大
【得点】
(早大)38’梁 賢柱
(流通経大)23’オウンゴール、45’佐々木 旭、76’仙波 大志

 関東大学リーグ(リーグ戦)第18節、前節立正大に勝利(○2−1)を収めた早大は、二連勝中と波に乗る流通経大と対戦した。勝てば残留に大きく近づく大一番だったが、試合の大半で守勢を強いられる苦しい展開に。途中出場のFW梁賢柱(スポ3=東京朝鮮)の得点で一時同点としたが、要所で踏ん張り切れずに1−3で完敗。残留争いから抜け出すことはかなわなかった。


得点後ベンチに駆け寄る梁

 早大は前節に引き続き4−5−1の布陣を採用。目立ったメンバー変更もなくキックオフを迎えた。開始早々の3分、流通経大にこの日のファーストシュートを許すが、GK上川琢(スポ2=湘南ベルマーレユース)が難なく処理。直後の4分にはMF阿部隼人(社3=横浜F・マリノスユース)が相手陣内でボールを奪うと、裏へ抜け出したFW杉田将宏(スポ2=名古屋グランパスU18)へパスを通しチャンスメイク。序盤は主導権をめぐる両チームの激しい攻防が繰り広げられた。しかし、前線に多くの選手を並べて厚みのある攻撃を仕掛ける流通経大に押し込まれ、徐々に守勢を強いられる展開に。すると23分、左CKからオウンゴールを献上し、先制を許してしまう。
 先制点を挙げて勢いづく流通経大に後手を踏み、耐える時間が続く早大。カウンターを仕掛けようにも、DFアピアタウィア久(3年)のフィジカルを押し出したディフェンスに気圧され、前線に起点をつくることができない。36分、「ここで空気を変える」と早くも外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)が動く。左サイドのMF西堂久俊(スポ1=千葉・市船橋)に代えて梁を投入。直後の38分、その梁が早速結果を出す。左サイドでボールを持つと得意のドリブルで内側へ侵入し、角度のないところから左脚を一閃。強烈なシュートがネットに突き刺さり、試合を振り出しに戻した。するとその後はチームのベクトルが前に向き、流れは早大に。梁の交代をきっかけに推進力が生まれ、敵陣への侵入を繰り返した。しかし前半のラストプレー。不用意なボールロストから佐々木旭(2年)にミドルシュートを沈められ、再びビハインドを負う。つかみかけていた試合の主導権を自ら手放すかたちとなった。


試合後悔しい表情を浮かべる大桃主将

 何としても追いつきたい早大は、前半とは打って変わってボールを保持。主体的にゲームを動かそうとするが、5バック気味のブロックを形成する流通経大守備陣を崩せない。FW藤沢和也(商4=東京・早実)とMF金田拓海副将(社4=ヴィッセル神戸U18)の同時投入も試合の趨勢(すうせい)を変えるまでには至らず、時間だけが過ぎていく。それどころか76分、流通経大の鋭いカウンターを浴び、MF仙波大志(2年)に試合の行く末を決定づける追加点を与えてしまい万事休す。残留を争うライバル相手に完敗を喫した。

「自滅に近い負け方」という指揮官の評が、何よりも正確にこの試合を言い表している。前半終了間際の失点でつかみかけた試合の流れを自ら手放すと、終盤にはダメ押し点を献上。後半のシュート数も1本にとどまり、反撃の糸口すらつかめずに終わった。この『6ポイントゲーム』を落としたことで、2部降格圏との勝ち点差は4。佳境を迎えつつある残留争いにおいて、早大に重くのしかかる結果となった。それでも選手たちは、このショッキングな敗戦を受けながら「早稲田は逆境の方が力を出しやすい」(梁)、「相手チーム云々というより、自分たちの後期の目標(勝ち点15獲得)の達成に注力していきたい」(DF杉山耕二、スポ3=三菱養和SCユース)と必死に前を向いた。「無駄に落ち込んだり怯えていても何も生まれない」(外池監督)。リーグ戦も残り4試合。これまでの積み重ねを無駄にしないためにも、エンジイレブンはもう一度『歴史的残留』へ向けて歩みを進める。


スターティングイレブン

 

(記事 森迫雄介、写真 橋口遼太郎、大山遼佳)


早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK31上川 琢スポ2湘南ベルマーレユース
DF杉山 耕二スポ3三菱養和SCユース
DF◎3大桃 海斗スポ4新潟・帝京長岡
DF17工藤 泰平スポ3神奈川・日大藤沢
MF牧野 潤スポ4JFAアカデミー福島
MF鍬先 祐弥スポ3東福岡
MF栗島 健太スポ4千葉・流通経大柏
MF阿部 隼人社3横浜F・マリノスユース
MF杉田 将宏スポ2名古屋グランパスU18
→64分10金田 拓海社4ヴィッセル神戸U18
MF18西堂 久俊スポ1千葉・市立船橋
→36分35梁賢柱スポ3東京朝鮮
FW24鈴木郁也社3FC東京U18
→64分14藤沢和也社4東京・早実
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位大学名勝点試合数得点失点得失差
明大49181641+32
桐蔭横浜大3718113117+14
筑波大30182920+9
法大29182718+9
順天堂大28182120+1
立正大27183222+10
中大24182225-3
駒大21181730-13
専大2018103047-17
10早大1818102032 -12
11流通経大1418121933-14
12東洋大18131430-16
※第18節終了時点
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――試合を振り返っていかがでしたか

一番やってはいけないこと、注意していたことが出てしまったというのが正直なところです。その理由が残留に向けてのプレッシャーなのか、相手の圧力に屈したのかはわからないですけれど、前半終了間際の失点に代表されるように、自滅に近い負け方かなと。ああいう場面によって自分たちで(ゲームを)難しくしてしまった部分はあるので、まだまだ我々の現実はそこにあるのかなと思います。

――不用意なパスミスやボールロストで失点を喫し、ボールを握ってもシュートまで持ち込めない場面が多かった印象です

ピッチに少し粘りがあって、なかなかボールを前に運べない環境だったと思うのですが、適応しきれていない印象を受けましたし、その中で自分たちがやろうとしていることを徹底できなかったという部分が現実としてありました。幸い来週もここ(たつのこ)で試合ができるので、きょう出た反省点と向き合わなければと思います。

――前半36分に西堂選手を早々に見切り梁選手を投入しました。あれは守備面を考えてのことですか

守備面もそうですし、守から攻に移る時の部分でもなかなかフィットできていなかったので。前線の4枚はプレーをやりきるというか、前に出ていくチカラもそうですけれど、守備から攻撃に転じるというメッセージを常に持ち続けなければいけないポジションです。点を取られてからも苦しい時間が続いていたので、ここで空気を変えるというのと、タイプの違うFWを入れた方がハマるかなと思ったので、コンディションの良い梁を早めに出そうと決断しました。

――その梁選手が同点弾を決め、失点するまでは早稲田の時間帯でした

そこは狙い通りでしたし、そういうことが起こりうるとも思っていたので、早くゲームの流れを引き戻せたことには非常に大きな意味があったし、梁はよく期待に応えてくれたと思います。ただ(前半の)最後のところで、自分たちの首を絞めてしまうようなボールの失い方やその後の対応、時間帯も含めて(良くなかった)というところですけれど、後半にギアを上げきれなかった、迫力を出しきれなかった部分が、結果的に尾を引いてしまったと思います。

――ハーフタイムの雰囲気はいかがでしたか

あのタイミングで失点したことで、後半のゲームプランや戦い方を整理しなければならなくなったので、ロッカーに戻る前にスタッフを中心にコミュニケーションを取ってもらっていました。(勝ち点)0を1にしようという思いはみんなから感じましたし、後半も自分たちのやり方を徹底して糸口を見つけようとする姿勢を持つことはできていたと思います。けれどそれを自分たちのリズムでできず、結果として数少ないチャンスの中、3点目を献上してしまったというのは、(チームの)悪いところや弱さ脆さが出てしまったと思います。

――6ポイントゲームを落とし厳しい戦いが続くことになりましたが、どう立て直しますか

もう今年は厳しいと思っていましたからね。いよいよラスト1ヵ月、そこ(残留争い)に身を置いて向き合うことは、当然簡単ではないですけれど、我々はまだ(順位表では)上にいるということも事実としてあります。無駄に落ち込んだり怯えていても何も生まれないし、その現実も含めて認識をして、自分たちが目指すべきところに到達するというところが大事なので、そういう状況の中で何ができるかを意識したいですね。ハードルがある中でサッカーをやれるのは、一つの経験値を得る場としては貴重な機会だと思うので、その中で楽しんだり、高め合うことができるような空気を意識していきたいですね。

DF杉山耕二(スポ3=三菱養和SCユース)

――きょうの試合を振り返ってください

絶対に勝たなければならない相手、勝ち点が縮まったり広がったりするという大一番の中で、自分たちが恐れていた形というか、セットプレーでは絶対に失点してはいけないと思っていたし時間帯だったり、自分たちが先制点を取らなければきついという話をしていた中で相手に先制点を取られ、それがセットプレーだったというのも含めて難しい試合にしてしまった、自分たち自身で難しい試合にしてしまったかなという印象です。

――自身のプレーを振り返っていかがですか

自分自身声をかけてチームにいい雰囲気だったりをもたらすことが求められていたと思うのですが、前半のうちになかなかチームがうまく行っていない時間帯が多くあった中で、なかなか自分自身のプレーもそうですし自分自身の促しなどで貢献することができなかったなと思いました。

――きょうは先に先制点を与えてしまいましたが、セットプレーからの失点でした。

流経大さんは色んなことをやってくるというのが想定としてあった中で自分たちの不用意で、ではないですが難しい失点になったかなと思います。

――2失点目は前半の終了間際で相手のプレスからボールを奪われ失点してしまいました

梁(賢柱、スポ3=東京朝鮮)が交代で入ってきて勢いをもたらしてくれていい雰囲気があった中で終了間際での失点というのは、自分たちのミスではあったのですがしてはいけなかったし、あの時間本当に苦しかった中でプレーの選択のところでもう少しいい選択ができたのかなとは思います。

――3失点目、後半攻めあぐねていた中でのカウンターからでした

たぶん自分自身のスローインからのカウンターだったと思うんですけど、そう行った1つ1つ、パスアンドコントロールだったりスローインだったり、当たり前のことを当たり前にできなければああ行った失点の形につながってしまうなと思いました。

――流経大はサイドアタッカーの質が高くかなり苦戦していた印象がありましたが自身の対応はいかがでしたか

対応の部分ではやられた感覚も無いし悪くはなかったと思うのですが、サイド起点で置いてくるので自分自身の中できつい時間帯もありました。

――攻撃面ではオーバーラップを求められるポジションだと思います。自身の攻撃参加についてはいかがでしたか

攻撃参加を伺ってはいたのですが、なかなかいい形でボールが入らなくて攻撃の部分ではあまり貢献できなかったかなと思います。

――きょうは下位チームとの対戦で、順位が近いチームとの対戦は勝ち点6の意味を持つとも言われているような試合でした。この先の4試合どのように戦って行きますか

自分たちは後期の目標として勝ち点15を取るという1つの目標を掲げた中で勝ち点8しか取れていないという現状があるので、相手チーム云々というよりも残りの勝ち点7を取るということに注力していきたいなと思います。

FW梁賢柱(スポ3=東京朝鮮)

――途中交代のタイミングでは何か指示はありましたか

きょうは特に何も言われていなくて、ボールを持ったら推進してシュートで終わるというのは常に言われていたので、ピッチにはいつも通り立ちました。自分的にも守備が課題で試合に出れなかったりもしたのですが、最近はチームのためというか、そういうところをやっていかないとチームはうまく回らないんじゃないかなと自分の中で考えていて、きょうもそれを意識してできてよかったです。

――交代で入った後、ピッチ内の雰囲気が変わりましたね

自分はどちらかというと試合に入ったら雰囲気を上げていくキャラなので。外池さんにも常に雰囲気を大事にしろと言われていて、その雰囲気を自分は醸し出すというか、そういう役目なのでプレーでそういう雰囲気というのを出せたのは良かったです。

――得点シーンを振り返っていかがでしたか

無我夢中であまり覚えていないんですよね(笑)。あそこにボールが入ったらシュートまで持っていけるっていうのは自分でも分かっていて、考えずに動いてる感じでした。

――惜しいシュートも何度かありました

その惜しいシュートっていうのは自分の中では一番ダメっていうか良くないっていうか。自分に求められているのは百発百中なので、惜しいシュートを打っても勝てないので。惜しいシュートを全部決められる選手になりたいです。

――苦しい状況が続きますが、次節への意気込みをお願いします

チームの課題である、点を取った後とか試合が終わる5分前ぐらいの終了間際の弱さを、改めてきょうの試合で感じました。チームはすごく苦しい状況ですけど、こういうときにやっぱり力を出さないといけないというか。早稲田は逆境での方が力が出しやすいし、そこの面を存分に出して残留に一歩でも近づけるようにしたいです。あと個人的には前期の中大戦でインアウト(途中出場のち途中交代)っていうかなり悔しい試合だったので、しっかり準備してリベンジしたいです。