10月20日、京都競馬場でGⅠ菊花賞(芝3000m)が行なわれる。このレースは春のGⅠ皐月賞(中山/芝2000m)…
10月20日、京都競馬場でGⅠ菊花賞(芝3000m)が行なわれる。このレースは春のGⅠ皐月賞(中山/芝2000m)、GⅠ日本ダービー(東京/芝2400m)に続く「3歳牡馬クラシック三冠」の最終戦。今年は皐月賞馬サートゥルナーリア(天皇賞・秋に出走予定)、日本ダービー馬ロジャーバローズ(屈腱炎のため引退)と、「牝馬三冠」最終戦の秋華賞と同じく、春のGI馬が不在のレースとなる。
過去の勝ち馬の血統を見ると、2016年サトノダイヤモンド、2018年フィエールマンと、3年の間にディープインパクト産駒が2勝。2017年の勝ち馬キセキ(父ルーラーシップ)の母の父もディープインパクトなので、3年連続でディープインパクトの血を持つ馬が勝利を収めている。
さらに3着以内まで見てみると、ディープインパクト産駒は2011年トーセンラーが3着、2013年サトノノブレスが2着、2015年リアルスティールが2着、2017年ポポカテペトルが3着と、初年度産駒が出走した2011年から8年の間に6頭が馬券に絡んでいる。
ディープインパクト産駒はどんなレースでも人気になることが多いが、このレースの好走馬は人気薄も多く、サトノノブレスは5番人気(単勝19.5倍)、ポポカテペトルは13番人気(単勝44.2倍)、昨年の勝ち馬で今年の天皇賞(春)も制したフィエールマンも7番人気(単勝14.5倍)だった。「人気薄のディープインパクト産駒に妙味あり」と言えるだろう。
今年の菊花賞には、ディープインパクト産駒はサトノルークス(牡3歳/栗東・池江泰郎厩舎)、メイショウテンゲン(牡3歳/栗東・池添兼雄厩舎)、ワールドプレミア(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)と、3頭が出走を予定している。
この中でもっとも勝利に近いのはワールドプレミアだろう。
前走の神戸新聞杯で3着に入ったワールドプレミア
ここまで5戦2勝で重賞勝ちはないが、前走、約6カ月ぶりのGⅡ神戸新聞杯(阪神・芝2400m)では3着。日本ダービーで3着に入った、同レース2着のヴェロックスから1馬身1/4差(0秒2)差だった。京都コースでは3戦2勝の成績を残しており、新馬戦では後にGⅡ弥生賞(中山/芝2000m)を勝利し、今回の菊花賞も出走予定のメイショウテンゲンを破った。さらに、GⅢ京都2歳S(芝1800m)では3着、500万下のつばき賞(芝1800m)では勝利を収めている。
血統を見ると、全兄ワールドエースはGⅡマイラーズC(京都/芝1600m)でレコード勝ち、GⅢきさらぎ賞(京都/芝1800m)1着、GⅠ皐月賞2着の実績がある。1600m~2000mでの好成績が目立っているが、日本ダービーでも0秒2差4着があるように、長距離がまったくダメだというタイプでもなかった。母マンデラも、GⅠ独オークス(芝2200m)3着で、2700mの仏GⅡのレースでも3着と、長距離戦でも好走を見せている。
また、母の父アカテナンゴは、GⅠ独ダービーなどドイツ、フランスでGⅠを7勝している名馬で、日本では1995年ジャパンC(東京/芝2400m)を制したランドの父としてもお馴染みだ。前述した2011年の菊花賞3着馬トーセンラーは、後のGⅠマイルチャンピオンシップ(京都/芝1600m)勝ち馬。菊花賞でのディープインパクト産駒は、マイラータイプでも好走しており、2400mの好走歴があるワールドプレミアについては、距離を心配する必要はないだろう。
一方、ワールドプレミアよりも人気は落ちるだろうが、サトノルークスにも注目だ。前走のGⅡセントライト記念(中山/芝2200m)で2着。春は皐月賞14着、日本ダービー17着と大敗が続いたが、日本ダービー以来約4カ月ぶりとなる8番人気で出走した同レースで、夏を越しての成長を見せた。
この馬も京都は得意で、昨年11月の未勝利戦(芝1800m)では、2着に3馬身半差を付け勝利。その他、すみれS(阪神/芝2200m)では、GⅠホープフルS2着のアドマイヤジャスタに1馬身1/4差をつけて快勝している。
この馬も血統が魅力的で、全姉タッチングスピーチは3歳秋のGⅡローズS(阪神/芝1800m)で重賞初勝利。その2015年の秋はGⅠエリザベス女王杯(京都・芝2200m)でも3着に入るなど、この時期に急激に台頭した”遅咲き馬”なのだ。さらに、母の父サドラーズウェルズは欧州の大種牡馬で、日本ではスタミナを伝える血統。菊花賞でサトノルークスが開花しても不思議はない。
以上、菊花賞はディープインパクト産駒の2頭に期待したい。