2019シーズンのeBASEBALLプロリーグを盛り上げる主役が決定した。 名前が呼ばれた瞬間、涙を流すもの。じっと喜びをかみしめるもの。ガッツポーズで気持ちを表現するもの。その思いは様々だ。今年で2年目を迎えるプロリーグ。11月3日に開幕…
2019シーズンのeBASEBALLプロリーグを盛り上げる主役が決定した。
名前が呼ばれた瞬間、涙を流すもの。じっと喜びをかみしめるもの。ガッツポーズで気持ちを表現するもの。その思いは様々だ。
今年で2年目を迎えるプロリーグ。11月3日に開幕するリーグ戦を前に16日、都内でeドラフト会議が行われた。プロテストを通過した候補者の中から各球団が今季を共に戦うプレイヤーを選択する。全46選手の中から指名されるのは28名、会場にはプロ野球OBや各球団のマスコットもかけつけプロ野球のドラフト会議同様、円卓に座り選手を指名していった。
球団OBも数多く登場
広島東洋カープの席には、昨年まで広島でプレーをしていたブラッド・エルドレッド氏とオフィシャルサポーターとしてアンガールズの山根良顕氏が登場した。エルドレッド氏は昨日マツダスタジアムで引退セレモニーを行ったばかり、今後はアメリカの駐在スカウトを担うことが決まっている。広島から今朝東京に駆けつけ、球団職員としての初仕事を全うした。
「自分がドラフトで指名された時のことを思いだした、電話で報告を受けたけどすごくドキドキしたよ」自身もパワプロを短い時間だが体験したことがある。「色々な選手を起用することができてすごく面白い、子供たちにもプレーをしてもらって実際の野球にも興味を持ってもらえれば嬉しい」と今後のeBASEBALL界にエールを送った。
昨年の悔しさを胸に
ドラフト候補生は別室で待機し、自分の名前が呼ばれるその瞬間を待つ。
午前11時30分。
第1巡選択選手 大川泰広 東京ヤクルトスワローズ
プロ野球のドラフト会議でもお馴染み、関野浩之氏の読み上げで進行していった。今年1番最初に名前を呼ばれたのは昨年のeドラフト会議で埼玉西武ライオンズから1位指名を受けた大川泰広選手(BOW川)。1位指名だけでなくチームは日本一に輝き、栄えある称号を手にした。しかし継続契約を球団から提示されず、リベンジの2年目を迎えることとなった。
名前が呼ばれた瞬間、感謝の気持ちでいっぱいになったという大川選手。「継続契約が結ばれなかった時から気持ちを切り替えてここまでやってきた。そういった姿も見てもらえたのかなと思う。昨年は打撃面で課題があったので自分の中で強化をしてきたつもりです。2年目のシーズンでリーグを代表する選手になることが目標、eBASEBALLといったら大川と言われる選手になりたい」と並々ならぬ決意を述べた。
大川選手と同じく、今年の注目選手としてあげられていたプレイヤーも夢を掴んだ。
昨年までプレイヤー解説として活躍、プロプレイヤーになるために公務員を退職し今年スポーツブルに入社した菅原翔太選手(ぶんた)は中日ドラゴンズに、東京大学医学部卒業、現読売巨人軍職員という異色の経歴の持ち主、坂東秀憲選手(どぅーけん)は読売ジャイアンツに、社会人野球チームに所属し二刀流プレイヤーとして昨年もeBAEBALLプロリーグで活躍した及川裕也選手(JOY戦士)は北海道日本ハムファイターズにそれぞれ指名され所属球団が決定した。
プロの道を掴むことができなかった選手たち
一方で今年のeドラフトで指名されず、涙をのんだ選手の姿も。
昨年オリックス・バファローズから3位指名を受け代表選手として活躍した矢倉直人選手(N-岡田)は継続契約を掴むことができなかった。「オリックス、パワプロへの思いは誰にも負けないつもりでここまでやってきた、この差を1年で埋めていきたい」悔しさを滲ませた。
初挑戦者も悔しい結果となった。高校3年の國松洋希選手(ゼブラ)は大会前に網膜剥離になってしまったこともあり、本来の力を大舞台で発揮することができなかった。「今回の結果には正直悔いが残ります。来年以降も目指したいと思うので、目をしっかりと治して来年この舞台に帰ってきたい」eドラフトには様々なドラマがあった。
新たな挑戦が始まる
この日指名された28選手と昨年からの継続契約選手、合わせて48選手が2年目のeBASEBALLプロリーグでシーズンを戦い抜く。応援監督でもある真中満氏は「昨年のプロリーグを見て新たにチャレンジをした選手がいたりと、確実にプレイヤーの裾野は広がっている。eBASEBALLでしかできないこと、緊張感や面白さをより伝えていきたい」と新たなシーズンに期待を膨らませた。
eドラフト会議終了後、選手たちは一様にこの言葉を口にしていた。
「指名されて終わりではない、ここからがスタートだと思っています」
それぞれの挑戦は11月3日、幕を開ける。