9月15日、阪神競馬場でGⅡローズS(芝1800m)が行なわれる。 このレースは、10月13日に行なわれる「3歳牝馬三冠」の最終戦・GⅠ秋華賞(京都・芝2000m)の前哨戦。春の実績組と夏の上がり馬の比較が大きなポイントになる。 最近…

 9月15日、阪神競馬場でGⅡローズS(芝1800m)が行なわれる。

 このレースは、10月13日に行なわれる「3歳牝馬三冠」の最終戦・GⅠ秋華賞(京都・芝2000m)の前哨戦。春の実績組と夏の上がり馬の比較が大きなポイントになる。

 最近のローズSで目立つ傾向が、1番人気馬の凡走だ。過去5年の1番人気馬で勝利しているのは2016年のシンハライト1頭のみ。同馬はGⅠオークス(東京・芝2400m)など重賞2勝を含む5戦4勝と、実績・実力ともに十分な馬だった。

 過去10年まで遡ると、1番人気で勝利した馬には2011年ホエールキャプチャ、2012年ジェンティルドンナ、2013年デニムアンドルビーがいるが、これらの馬はオークスで3着、1着、3着と好走を見せていた。2015年2着のミッキークイーン(オークス1着)など勝ちきれなかった馬もいるが、オークスで3着以内に入っていないのに、ローズSで1番人気になった馬の信頼度が低いことは間違いない。

 今回はダノンファンタジーが人気を集めそうだが、同馬はオークス5着。昨年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を勝った「最優秀2歳牝馬」という実績馬ではあるものの、このレースに関してはあまり信頼できない存在と言える。

 そこで今回、狙ってみたいのがビックピクチャー(牝3歳/栗東・藤原英昭厩舎)だ。




ディープインパクト産駒のビックピクチャー

 同馬は現在2勝で、重賞は初出走と実績では劣るが、前走の1勝クラス(小倉・芝1800m)では2着馬に3馬身半差をつける完勝だった。減量騎手で49kgという軽量に恵まれたのは確かだが、古牡馬も混じったメンバー相手に勝利したのは評価できる。

 ビックピクチャーの父はダノンファンタジーと同じディープインパクト。ディープインパクト産駒はどのレースでも人気を集めることが多いが、このレースでは人気薄だった産駒も成績がいい。

 2013年10番人気のウリウリが3着、2015年7番人気のタッチングスピーチが1着、2017年6番人気のカワキタエンカが2着。そして2018年は、1番人気のサトノワルキューレが6着と敗れながらも、5番人気カンタービレが1着、2番人気サラキアが2着、13番人気ラテュロスが3着と、ディープイン

 ビックピクチャーは、姉がGⅠスプリンターズSなどGⅠ3勝の名牝、ストレイトガールという良血。そのストレイトガールも5歳時に重賞初制覇を飾ったように、ビックピクチャーも”晩成”の血を受け継いでいるようだ。デビュー時から28kgも馬体重が増え、成長を感じさせる。

 ビックピクチャーを管理する藤原英昭調教師は、2013年のローズSで3着に入ったウリウリも管理しているが、同馬もそのレースの前は500万下(現・1勝クラス)を勝ったばかりの2勝馬だった。藤原調教師は2009年にもブロードストリートでこのレースを勝利しており、ゲンのいいレースでもあることからも期待していいだろう。

 また、今年のこのレースの登録馬にはビックピクチャー以外にも良血馬が多い。アルティマリガーレ(牝3歳/栗東・佐々木晶三厩舎)は、母がGⅡ阪神牝馬S勝ち馬のアルティマトゥーレ、ウィクトーリア(牝3歳/美浦・小島茂之厩舎)は母が2008年GⅠ秋華賞馬ブラックエンブレム、スイープセレリタス(牝3歳/美浦・藤沢和雄厩舎)は母が2004年GⅠ秋華賞などGⅠ3勝のスイープトウショウ。

 さらにビーチサンバ(牝3歳/栗東・友道康夫厩舎)は、母が1999年GⅡ4歳牝馬特別・西など重賞4勝のフサイチエアデールで、全兄が2005年GⅠ朝日杯フューチュリティSを勝ったフサイチエアデール。モアナアネラ(牝3歳/栗東・石坂正厩舎)は、母が2012年「三冠牝馬」のジェンティルドンナという血統だ。

 秋華賞馬の娘が3頭も出走を予定しており、これらの馬が母に近づけるかにも注目したい。