今年で2年目を迎えるeBASEBALLプロリーグ。いよいよ9月16日に12球団に所属するプロプレイヤーが決定する。今シーズンは1球団の所属選手が1名増え4名で1チームに、リーグ戦だけでなく交流戦も行われるなど新たな試みで戦いが繰り広げられる…
今年で2年目を迎えるeBASEBALLプロリーグ。いよいよ9月16日に12球団に所属するプロプレイヤーが決定する。今シーズンは1球団の所属選手が1名増え4名で1チームに、リーグ戦だけでなく交流戦も行われるなど新たな試みで戦いが繰り広げられる。プロテストを通過し、16日のeドラフト会議に出席する約40選手の中からスポーツブルが注目する選手を紹介する。
超異色の経歴を持つ男が、ドラフトでの指名を待つ。
東大医学部卒、現在読売巨人軍の営業企画部に所属する坂東秀憲選手(どぅーけん・25)。その経歴もさることながらまだeBASEBALLプレイヤー歴10ヶ月にしてドラフト会議の舞台に立つということにも驚きだ。彼はなぜeスポーツの世界へと足を踏み入れたのか、その思いに迫る。
医学部卒、医療の道は選択しなかった
25歳とは思えない、落ち着いた口調で自らの経歴を語りだした。
埼玉県の高校を卒業したあと坂東選手は東京大学医学部健康総合科学科に進学する。健康に関わる問題を様々な視点で解決していく同学科で、地方山間部に在住する高齢者の健康について研究、このテーマで書きあげた卒論は研究奨励賞を受賞し東大総長賞にノミネートされた。その経験を生かし、JICA(国際協力機構)などへの就職も考えたが就職活動をしていく中で「心から楽しめるものをずっとやっていきたい」という思いが強くなっていった。
球団職員としての仕事がきっかけに
小学4年から野球を始めた。東京大学でも野球部に入部したが選手ではなくマネージャーとして任務を全うした。野球が大好きという思いから読売巨人軍に入社、現在3年目でグッズやライセンスなど版権管理の業務を行っている。昨年のeBASEBALLプロリーグ発足に先駆けてeスポーツ事業の担当になったことがきっかけとなった。巨人が指名した選手と関わっていくうちに、自分もやってみないとそもそもの理解は得られないのではないかと考え、まずはコントローラーを持った。
そこから人のプレーを見て、とにかく学んでいった。読売巨人軍の職員であるため、東京ドームでナイターがある日は基本的に帰宅時間が遅くなる。それでも日々1時間から2時間は自宅でeBASEBALLの練習を積み重ねた。感覚が鈍らないようなるべく毎日練習をした。短期間でとにかく集中、もともと負けず嫌いという性格も功を奏し、一気にプロの道を駆け上がっていった。
医学部×球団職員 eBASEBALLに繋がるもの
東大医学部ではラボメソと呼ばれる実験手技を学ぶ講義を1ヵ月間に渡り受講、実験器具を扱う上で繊細な動きは欠かせなかった。「手先の器用さはコントローラーの細かな動きなどeBASEBALLに繋がっているかもしれないですね」と坂東選手は話す。そんな繊細な作業とは裏腹に「思い切りの良さ、強振を使っていく」プレースタイルが強みだ。相手に怖さを与えられるようなプレーをすることをいつも心がけている。そのためにも配球の勉強は欠かさない。業務の中で読売巨人軍のスコアラーと話をする機会もあり、どうしたら相手を抑えられるのか、打てることができるのか、日常の業務で交わす会話も上達への1歩へと繋げているのだ。
選手を思い浮かべてプレーをすることも
自分がプレーをする上で、思い入れのある選手を挙げてもらった。野手だと亀井善行選手、投手だと今村信貴選手だそうだ。亀井選手は「とにかく勝負強い、守備も良い」ここ1番のチャンスに代打で起用することが多いという。今村投手は球持ちが良い上に、フォークの落ち幅が大きいため空振りをとりやすいという強みがある。今村投手とは同級生で実際に話す機会もあり「真面目でしっかりしていますね。自分がプレーで使わせてもらっていることは話したことがないです」とにこやかに語った。
東日本オフライン選考会は読売巨人軍の公式グッズともなっている「状態イイネ」Tシャツを着て臨み、見事ドラフト会議への切符を掴み取った。
プロで日本一になりたい。eスポーツを通して野球をあまり知らない人にも野球の面白さを知ってもらいたい、そんな思いがある。「いつか東京ドームで…例えばデーゲームなどプロの試合が行われた後に、そのままeスポーツの大会が行われるような日がくると嬉しいです。」
野球に対する真っ直ぐな思いでeBASEBALL界に、新風を巻き起こす。
→スポーツブルが注目するeドラフト会議候補者 及川裕也選手(JOY戦士)の記事はこちら
無料スポーツアプリ「スポーツブル」内の「eスポーツ」ページ他、ライブ配信特設ページでは16日、東京・日比谷の「BASE Qホール」で行われるeドラフト会議の模様を午前11時から無料ライブ配信予定。eドラフト会議では、各球団がプロテストを通過した候補者の中から今シーズンを共に戦うプレイヤーを選択する。ここで、2019シーズンの各球団のプレイヤーが決定し、昨年のメンバーを中軸に据えて補強するのか?新戦力をベースにチーム力を一新するのか?2019シーズンにおける各球団の戦いは始まっている。
___ 開催日時:2019年9月16日(月・祝)11:00~16:00(予定) 場所:BASE Q ホール(東京ミッドタウン日比谷) 主催:日本野球機構(NPB)・コナミデジタルエンタテインメント ___