今夏の学生大会を締めくくる関東学生選手権(夏関)決勝の舞台は雨天の影響により、早大のインドアコートへと移された。ここまで激戦に次ぐ激戦を制して決勝まで駆け上がった男子シングルスの白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)は高見澤岳飛(亜大)と対戦。女子ダブルスの下地奈緒(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)組はそれぞれ自身初タイトル、そして今年度関東学生トーナメント(春関)からタイトルに恵まれていない女子部に栄冠をもたらすべく、朝倉菜月・南文乃(亜大)組との決戦へと臨んだ。

★白石はストレート勝ちで優勝!(男子シングルス)


勝利を収めた瞬間、静かにガッツポーズを決めた白石

 準々決勝の岡垣光祐(法大)戦、準決勝の田形諒平(筑波大)戦をそれぞれフルセットの激戦の末に制し決勝へと駒を進めていた白石。第1ゲームを幸先よくブレークに成功したものの、「(体力的に)相当きつかったです。その中でファーストセットは自分から打ちに行こうとしすぎました」(白石)とサーブやストロークのミスも目立ち、その後のサービスゲームをキープできず。第5ゲームまでは互いにブレークを奪い合う展開となった。それでも続くゲームではブレークポイントを握られながらもデュースで粘りキープに成功。その後もワンブレークアップを保った白石だが、カウント5−4で迎えたサービスゲームを高見澤の強烈なスマッシュにも苦戦しキープできず。カウントを振り出しに戻されたが、続くゲームでブレークバックに成功すると、続くゲームも苦しみながらもキープに成功し、7−5でファーストセットを先取した。

 「セカンドセットはもう落ち着いて、フラットな状態で臨みました。ある意味ゾーンに入れたかなと思います」(白石)。その言葉の通りセカンドセットに入るとミスも減り、徐々に白石のペースに相手を引き込んでいく。持ち味である球際の強さでラリー戦を優位に運ぶと、正確に相手の懐を突くフォアハンドでポイントを積み重ねた白石。ファーストセットでは苦しんだサービスゲームでもブレークを許さず、2ブレークアップの6ー1でストレート勝ちで学生大会初優勝を飾った。

 ルーキーながら関東王者の座をつかんだ白石。「自分が優勝するんだという気持ちで今大会は臨んでいた。競ったときに気持ち的に引かずに攻撃的に行けた部分が良かったと思います」(白石)。幾度となく訪れた死線も「優勝する」という確固たる信念に基づく強気のプレーでくぐり抜け、栄冠を手にした。それでも「楽に勝てる試合を取りきれずに競ってしまったのは反省です。優勝で満足するんじゃなくて、もう一度引き締めて頑張っていきたい」(白石)と勝って兜の緒を締めた。絶対的エースとして君臨する島袋将(スポ4=三重・四日市工)も初タイトルを獲得したのは1年時の夏関。今大会の優勝は、白石にとって早大エースへの道の第一歩となるか。

★インカレの雪辱果たした!下地・吉岡組が初タイトルを獲得(女子ダブルス)


優勝を決め、ハイタッチを交わす下地・吉岡組

 「インカレが終わって、二人ですごい話して。インカレでの反省を生かして課題だった部分を改善できました。短い期間でも吉岡の前衛の動きだったり、二人での動きだったり、インカレとは全然違った良いかたちでできたと思います」(下地)。全日本学生選手権で2回戦敗退に終わった下地・吉岡組は互いを見つめ直した。短い期間ながらペアとしての熟練度を高め、悔しさをバネに決勝まで登り詰めた。

 朝倉・南組と相対した決勝、下地・吉岡組は序盤から圧倒した。持ち味である下地の積極的なネットプレーも飛び出し第1ゲームを幸先よくブレークすると、第3のリターンゲームも下地のコースギリギリを突くストロークやボレー、吉岡の強烈なフォアハンドで粘り、25ポイントを取り合ったこのゲームもブレークに成功。主導権を握った下地・吉岡組はその後のサービスゲームでは手堅くキープを続け、このセットを2ブレークアップの6–2で奪った。

 セカンドセットに入ると相手も状態を上げ、互いにサービスキープを続ける一進一退の展開となる。第4ゲームの下地のサービスゲームには幾度となくブレークポイントを握られながらも、デュースで粘ると相手のミスにもつけ込みキープに成功。チームメートの応援にも乗せられピンチを脱すると、3−3で迎えた第7ゲームに均衡が破られた。前衛の吉岡のドロップも光り、このゲームをブレークに成功しリードを奪うと、その後のゲームでキープを続けた下地・吉岡組。セカンドセットを6−4でものにし、ストレートの快勝。試合を通じて一度もブレークを許さない安定した試合運びで優勝を決めた。

 優勝を決めた瞬間、安堵の表情を浮かべハイタッチを交わした下地・吉岡組。今大会の優勝で下地、吉岡ともに初の学生タイトル獲得。加えて、今年度苦戦が続いていた女子部にとっても初のタイトルとなった。「相手が一部っていうこともあって、実際にリーグに出てもおかしくないペアだったので、ちゃんと勝ち切れたのは早大にとって大きかったのかなと思います」(下地)。集大成として臨むリーグに向けても下地・吉岡組の優勝はチームにとって明るい兆しとなった。

(記事、写真 林大貴)


優勝した白石


下地・吉岡組

結果

男子シングルス
▽決勝
◯白石光 [7-5、6-1] 高見澤岳飛(亜大)


女子ダブルス
▽決勝
◯下地奈緒・吉岡希紗 [6−2、6-4] 朝倉菜月・南文乃(亜大)

コメント

白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)

――優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

――大学初タイトルですが、率直な心境としては

嬉しいというのと、今大会は最初から(優勝を)狙ってはいました。上位の選手だったり、先輩も出ていなくて、自分が狙える立ち位置にあったので、しっかり試合前も準備もしましたし、寝る時間とかもルーティン化していたので、集中して臨めたと思います。

――「目の前の試合に集中していた」とおっしゃっていましたが、その中でも優勝は強く意識していたと

一戦一戦大事にしていこうとは思っていたんですけど、その中で優勝は狙っていました。すごくタフな試合も多かったんですけど、優勝をずっと信じてやってきました。去年のインターハイや全国選抜もそうなんですけど、そういう気持ちで臨んだ大会は勝ち切れているので、自信にもなっていました。最後までいいメンタルで臨めました。

――前日の準決勝は非常にタフな試合となりましたが、体力的にはいかがでしたか

きつかったですね。相当きつかったです。きのう足をつった中で試合をしてしまったので、ももが肉離れみたいになってしまって、重心があまり下がらなかったですし。その中でファーストセットは自分から打ちに行こうとしすぎて、ミスも多かったんですけど、なんとか取り切れて。セカンドセットはもう落ち着いてやりました。ポイント取っても吠えないで、気持ちが入っていないわけじゃないんですけど、フラットな状態で臨みました。それがそのままいいかたちで行けて、気づけば6ー1だったという感じですね。ある意味ゾーンに入れたかなと思います。周りもあまり見ていなかったので、応援に返事ができていなかったのはすごく申し訳ないんですけど(笑)、テンションを上げすぎてしまうとまた足にきてしまうかもしれなかったので。一定のテンションでできていたかなと思います。

――セカンドセットではミスも減った印象があります

減りましたね。無理をしないようにしたっていうのもあるんですけど、セカンドセットは良かったと思います。攻めるところだけ攻めて、守りもしっかりできたので。ファーストサーブも結構入っていましたし、相手が雑になったタイミングをしっかり突けたかなと思います。

――大会を通じて良かった点や、成長を感じる部分はありますか

春関、インカレと上がいるからと結構遠慮してしまったり、気持ちの面で引いてしまう部分があったんですけど、トップが出ていないということもあって、自分が優勝するんだという気持ちで今大会はできていたと思います。なので競った時に気持ち的に引かずに攻撃的に行けた部分が今大会良かったかなと思います。

――今大会の結果をどう生かしていきたいですか

これでランキングとかの話になると結構上がるので、ドローでは有利になると思うので。そこは生かしていきたいですね。上は関係なく今後はプレーしていければいいかなと思います。今大会はキープができなくて。今大会は結果としては良かったんですけど、体も結構きついので、温存していくことも大事なのかなと思います。もうちょっと楽に勝てる試合を取りきれずに競ってしまったのは反省ですね。

――初めてとなるリーグ戦も控えていますが、今後に向けては

初めてなんですけど、団体戦の応援の雰囲気とか、それに応えるのも嫌いじゃないので、いいプレーができると思っています。リーグ、国体、全日本選手権と続くので、とりあえずケガなく。優勝で満足するんじゃなくて、もう一度引き締めて頑張っていきたいと思います。

下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)

――優勝おめでとうございます

下地・吉岡  ありがとうございます。

――率直な気持ちとしては

下地 嬉しい!

吉岡 嬉しいです!

――それぞれ大学初タイトルとなりました

下地 決勝にも行ったことがなくて、インカレインドアのベスト4が最高だったんですけど。でもあまり緊張しなくて。決勝って感じはあまりしなくて、普通に「試合だ〜」みたいな感じで(笑)。いつもと変わらない気持ちで臨めたのがいいプレーにつながったのかなと思います。ホームグラウンドで戦えたこともやり慣れているし、応援もあったのでアドバンテージだったと思います。

吉岡 (優勝を)意識はしないようにしようとはしていたんですけど、競った場面とか、最後のマッチポイントは意識してしまいましたね。ただきょうの試合の中でサーブの当たりは良かったので、(セカンドセット)5−4のサービスゲームも自信を持って打てていたかなと思います。

――試合を振り返って

吉岡 どっちかが取れてどっちかが落とすとかではなくて、お互いに取れたり取れなかったりがあったので、雰囲気とかもどっちかが悪くなることもなかったので、取りきれたかなと思います。

下地 サービスゲームでもリターンゲームでもしっかり自分たちからプレーして取れたので、相手にもプレッシャーを掛けられたと思います。ゲームを落としても、自分たちがちゃんとサービスキープができているから大丈夫だって思えたし、強気でいけたからこそいいプレーもあったし、相手も良いプレーをしてくるので、デュースが続いたので、良い緊張感でできていたゲームが多かったと思います。

――インカレと比べて改善ができた部分というのはありますか

下地  インカレが終わって、二人ですごい話して。インカレでの反省を生かして課題だった部分を改善できたのは良かったと思います。短い期間でも吉岡の前衛の動きだったり、二人でのポイントの動きだったりもインカレとは全然違った良いかたちでできたと思います。

吉岡 インカレが終わってから話し合ったり、練習の中でどう改善しようかってなった時に、期間はすごく短かったんですけど、練習試合とかでも意識することをしっかりと頭に入れて夏関に臨めたと思います。

――相手は一部校の亜大のペアで、「リーグ戦も見据えて勝ちたい」とおっしゃっていましたが、その点については

下地  相手が一部っていうこともあって、実際にリーグに出てもおかしくないペアだったので、ちゃんと勝ち切れたのは早大にとって大きかったのかなと思います。

――リーグ戦へ向けて意気込みをお願いします

下地  三度目のリーグ戦で、これまでとは立場が違って、自分が引っ張るポジションなので、プレッシャーとかも感じつつ、苦しい時間もありながら夏を過ごしてきたんですけど、ここまできたらやるしかないと部員全員も思っていると思うので。今回の結果を弾みに、みんなでチーム一丸となって、優勝へ向けてやっていきたいと思います。

吉岡  初めてで、わからないからこそ思い切りのいいプレーができると思うので、引かずに強気でプレーしたいです。対校戦とかではいい状態ではなかったんですけど、今日の試合を機にチームがどんどん良くなっていければいいなと思います。