創部から50年以上の歴史を持ち、5月まで行われた大学ソフトボール春季リーグで準優勝するなど、勢いに乗ったチームを率いている丹野太郎(早稲田大学)。多忙のため公式戦や練習試合にしか参加できない監督とコーチの代行も務め、選手たちの練習メニューも…

創部から50年以上の歴史を持ち、5月まで行われた大学ソフトボール春季リーグで準優勝するなど、勢いに乗ったチームを率いている丹野太郎(早稲田大学)。多忙のため公式戦や練習試合にしか参加できない監督とコーチの代行も務め、選手たちの練習メニューも彼が作成する。「チームが良い状態でバトンを引き継いだので、最後に勝たないと意味がない」と、唇をかんだ。

早稲田大学ソフトボール部の主将は、1年生から4年生まで全員が選挙を行い、投票数が過半数を超えた3年生が任命される。自分が選ばれた時、嬉しさよりも責任感が重くのしかかった。自分の考え一つでチームの方針や勝敗が決まる。本当にこれで良いのか、やっていけるのかという不安を、丹野は常に持っている。「何が正解かわからないまま進んでいくのは怖い。負ければ今までやってきたことが間違っていたように感じるし、勝てばチーム作りが間違っていなかったとホッとする」。

※練習中のミーティングで戦略について話す丹野(写真右)。炎天下の練習では、15分おきに選手たちに水分補給させることも忘れない

3年生の9月に就任してから、1年後のインカレ制覇を目標にチーム作りを行ってきた丹野。「自分のことはどうでも良い。あくまでもチームが負けない、チームを負けさせないのが理想」と、長いスパンで選手一人ひとりと対人関係を構築した。昨年のインカレ準優勝という結果を越えるために、自分の背中で引っ張るのではなく、選手たちの背中を押す主将像を目指している。

「今までどれだけ調子が良くても、最後に一つ負けてしまえば、それは自分のチーム作りが間違っていたということ。正解がわからないまま進み続けることは大変」。8月の時点で残された任期はあと1ヶ月半。今までやってきたことが正しいかどうかわかるのは、すべてが終わってからだ。刻一刻と迫るインカレに向かって、暗中模索でも進み続けなければならない。練習で培ってきたこと、主将として学んできたことすべてをグラウンドでぶつける。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、丹野選手を特集しています。
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丹野太郎(たんの・たろう)
兵庫県西宮市出身。1996年8月12日生まれ。174センチ、70キロ。滝川学園高校を経て、現在は早稲田大学スポーツ科学部4年。ポジションは内野手。チームスローガン「凌駕」を掲げ、インカレ優勝を目指してチームを牽引する。学生たちで海外遠征も自主的に計画するなど、活躍の場を日本だけでなく世界にも広げている。