第8回早関定期戦早大1810-08-00関学大【得点】(早大)1’、15’、41’、44’松本茉奈加、3’、61’村上真帆、11’阪本未周、13’、23’、32’山田仁衣奈、19’高瀬はな、53’土居明日香、64’、81’並木千夏、67’井…

第8回早関定期戦
早大1810-0
8-0
関学大
【得点】
(早大)1’、15’、41’、44’松本茉奈加、3’、61’村上真帆、11’阪本未周、13’、23’、32’山田仁衣奈、19’高瀬はな、53’土居明日香、64’、81’並木千夏、67’井上萌、74’オウンゴール、75’桝田花蓮、79’蔵田あかり
(関学大)なし

 第8回早関定期戦(定期戦)が早大東伏見サッカー場にて行われた。雨の影響で開始が1時間遅れた今年の定期戦はFW山田仁衣奈(スポ4=大阪・大商学園)、MF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)が共にハットトリックを達成するなど、ア式蹴球部女子(ア女)の攻撃陣が大爆発。ア女は試合を通じて相手を全く寄せつけず、18-0の大勝で定期戦8連勝を飾った。

 開始直後から試合は動いた。1分、山田のスルーパスに反応した松本が相手GKをかわしゴール。幸先よく先制に成功すると、ア女はここから怒涛のゴールラッシュを見せる。3分、MF村上真帆(スポ3=東京・十文字)がエリア内で仕掛け左足でネットを揺らすと11分、13分、15分にはMF阪本未周(スポ3=東京・十文字)、山田、松本が立て続けにゴール。19分には松本のパスを中央で受けたMF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が右足を振り抜き、豪快なミドルシュートをゴール右上に突き刺した。開始約20分で6点のリードを奪ったア女。プレスを激しく掛けてこない相手に対し、さらに攻撃のギアを上げる。23分、DF冨田実侑(スポ3=岡山・作陽)とMF高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)で右サイドを崩すと、高橋がシュート性のクロスを供給。これを山田が押し込み追加点を奪った。32分には再び山田がループシュートを決め、早くもハットトリック。さらに松本も41分にロブパスに抜け出し得点を挙げ、こちらもハットトリックを達成。松本は44分にも左足でゴールを奪い、前半だけで4得点を記録した。ア女は10点をリードし、試合を折り返す。


ドリブルを仕掛ける松本。チーム最多の4得点を挙げた

 後半に入ってもア女は前半同様、積極的にゴールを狙う姿勢を見せる。すると53分、バイタルエリアでボールを拾ったFW土居明日香(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)がゴール。また61分、冨田が右サイドを駆け上がりクロスを供給すると、これをファーサイドで待ち構えていた村上が頭で合わせる。64分にはバイタルエリアでボールを受けたMF並木千夏(スポ2=静岡・藤枝順心)が右足を一閃。シュートはポストに当たりながらもゴールに吸い込まれた。さらに67分にはDF井上萌(スポ1=東京・十文字)がロングシュートをゴール左に決めて見せた。途中出場の選手が増える中でも攻撃の質を落とさないア女。74分、DF船木和夏(スポ1=日テレ・メニーナ)がクロスで相手のオウンゴールを誘うと、続く75分には並木とDF吉野真央(スポ1=熊本・聖和学園)のワンツーで左サイドを崩し、最後はMF桝田花蓮(スポ2=ちふれASエルフェン埼玉マリ)がミドルシュートをたたき込んだ。また79分、MF蔵田あかり(スポ2=東京・十文字)が自ら獲得したPKを冷静に決める。そして81分には並木に再びゴールが生まれた。相手にペースを握られることなく、最後の最後まで攻め続けたア女。後半も8点を奪い、結果18-0の大勝で定期戦連勝記録を8に更新した。


右サイドバックで躍動した冨田

 18得点を奪い、相手を圧倒したア女。前期チームを引っ張ってきたスタメン組はもちろんのこと、けがで出場機会に恵まれなかった山田と冨田もスタメンとして結果を残した。これはチームにとっても個人にとっても大きい。さらに途中出場の選手も多く得点に絡むなど、チーム全体として調子は上向き。関カレに向けて明るい材料がそろってきた。しかし「ディフェンスラインでゆっくり回したいところで慌ててしまった。完全に自分たちの技術のミスが目立った」と高瀬が語るように、自陣でのミスからピンチを招く場面も見られた。いくら大差での勝利とは言え、前期もチームとして守備面に課題を残しただけに早急に修正を図りたい。ついに今週の土曜日から関東大学女子リーグ戦(関カレ)が開幕する。全日本大学女子選手権(インカレ)につながる今大会、ア女は2015年以来優勝から遠ざかっている。今年こそ優勝をつかむため、この定期戦での勢いそのままに初戦をものにし、流れに乗っていきたいところだ。「周りももちろん成長していると思うが、完成度は自分たちも自信を持っていい」(高瀬)。夏の中断期間を経て、さらに成長したア女の新たな挑戦がいよいよ始まる。

(記事 永池隼人、写真 菅沼恒輝)


スターティングイレブン

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK16川端 涼朱スポ3東京・十文字
DF冨田 実侑スポ3岡山・作陽
→66分26加藤 希スポ2アンジュヴィオレ広島
DF36ブラフ シャーンスポ1スフィーダ世田谷FCユース
→73分35船木 和夏スポ1日テレ・メニーナ
DF中條 結衣スポ4JFAアカデミー福島
→66分37吉野 真央スポ1熊本・聖和学園
DF源関 清花スポ4ちふれASエルフェン埼玉
→66分31井上 萌スポ1東京・十文字
MF◎8高瀬 はなスポ4ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
MF17阪本 未周スポ3大阪・大商学園
→HT13蔵田 あかりスポ2東京・十文字
MF32高橋 雛社1兵庫・日ノ本学園
→HT12並木 千夏スポ2静岡・藤枝順心
MF10村上 真帆スポ3東京・十文字
→73分19桝田 花蓮スポ2ちふれASエルフェン埼玉マリ
MF11松本 茉奈加スポ3東京・十文字
→73分20秋山 由奈スポ4東京・八王子
FW山田 仁衣奈スポ4大阪・大商学園
→HT30土居 明日香スポ4ちふれASエルフェン埼玉
◎=ゲームキャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)

コメント

MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

――きょうの試合を振り返って

攻める時間がけっこう続いて、点は取れましたが、ビルドアップや守備の部分にまだ課題が見えました。関カレも始まるので、練習の中で質を高めていかないといけないなと感じた試合でした。

――今まで負けたことがなかったこの定期戦への意気込みは

この定期戦に懸ける思いというよりは、関カレに向けて最後調整できる試合だったので、いかに関カレにいい流れを持っていけるか、自分たちでチャレンジしながら関カレに向けていい調整ができればと思っていました。そういった意味ではたくさん点が取れたので、みんながいいイメージで終われたかなと思います。

――前半で10点を取りました

そうですね、もちろん相手との力の差もありましたが、前期は関東リーグなどで点が取れないことが自分たちの課題だったので、点を多く取れたことはプラスの材料だなと思います。

――ご自身もミドルシュートを決められました

ミドルシュートは練習していた部分だったので、そのかたちが出せてよかったなと思います。

――後半も途中出場の選手も得点するなど攻め続けていた印象です

出る選手が代わっても自分たちのやることは変えないというスタンスでやっていますが、それを途中から出た選手たちが体現してくれました。チームに必要なことを出してくれたので、今後連戦になった時は総力戦になると思いますが、そういった意味ではよかったと思います。

――最後は3バックの布陣のように見えましたが

いや、3バックではなかったです。サイドバックに高い位置を取らせていたので、3バックに見えたかもしれないです。一応4枚のかたちではありました。最初は4-1-4-1で、自分がアンカー気味でした。ですがけっこう前からプレスにいける時間帯が多かったので、3バック気味だったかもしれないです。

――先程守備面に課題が出たというお話がありましたが、具体的には

ディフェンスラインでゆっくり回したいところで慌ててしまったところです。相手のプレスが早くてというわけではなくて、完全に自分たちの技術のミスが目立ちました。失点こそしませんでしたが、結局その部分が攻めていても点が取れない試合の時に、痛い失点につながってしまうので、そこは見逃してはいけないですし、減らしていかないといけないなと思います。

――関カレへの調整という部分でこの試合を改めて振り返って

思ったよりも力の差があって、守備面をもう少し確認したかったなとは思いますが、逆に勢いを持って臨めるのかなと思いますし、関カレでは関東リーグでは当たらない相手ともやるのでどうなるかわかりませんが、自分たちのプレーを出せる時間を長くしていかないといけないですし、勢いを持ってとにかく挑みたいと思います。

――関カレでは相手チームの完成度が上がってくることが予想されますが、ア女の完成度は

夏の中断期間を終えて、夏合宿含めすごく有意義な時間を過ごせたなと自分は感じています。チームの雰囲気も明るくというか前向きに練習に取り組めていると思うので、周りももちろん成長していると思いますが、完成度は自分たちも自信を持っていいのかなと思います。

――改めて関カレへの意気込みをお願いします

インカレにつながる試合なので、一戦一戦を大事にしたいです。まずは初戦に勝って、とにかく一戦一戦全員で戦って絶対にインカレ出場を決めたいです。去年は2位で終わっていて関カレで優勝することも目標なので、絶対に勝ちたいと思います。