全日本学生選手権(インカレ)も3日目を迎えた。この日は男子シングルスの3回戦が行われ、早大からは7人が出場。田中優之介(スポ3=埼玉・秀明英光)、千頭昇平(スポ3=愛知・誉)、木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)といったシード選手が順当にベス…

 全日本学生選手権(インカレ)も3日目を迎えた。この日は男子シングルスの3回戦が行われ、早大からは7人が出場。田中優之介(スポ3=埼玉・秀明英光)、千頭昇平(スポ3=愛知・誉)、木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)といったシード選手が順当にベスト16入りを決め、2016年の王者である小林雅哉(スポ4=千葉・東京学館浦安)、佐藤祥次(スポ4=大分舞鶴)との白熱の早大対決を制した白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)も3回戦を突破した。また、男子ダブルスでは1回戦にインカレ初挑戦の畠山尚(スポ2=神奈川・湘南工大付)・増田健吾(社1=東京・早実)組が出場。「ペアリングはうまくできていると思う」(増田)という畠山・増田組は6−2、6−2のストレート勝ちで、2回戦進出を決めた。


接戦を制し、雄たけびをあげる千頭

 シード選手は順当に勝ち上がった。慶大の福田真大と対戦した田中優はこの日絶好調。持ち味とする力のあるサーブに加え、深くコントロールされたストロークが光り、ゲームを支配する。ファーストセットで2ブレークを奪い6−2で先取すると、セカンドセットは相手にゲームを奪わせずに6−0と圧巻の勝利を収めた。

 千頭はファーストセット、大野翼(関大)スピードのあるボールに苦戦。セットカウント2−5から3ゲームを奪いカウントをタイに戻したが、その後のタイブレークを4ー7とされ、ファーストセットを落とす苦しい立ち上がりとなった。それでも「チャンスはあると思って、自分のプレーを続けることだけを意識していた」と徐々にペースをつかむと、相手にミスにも乗じセットカウント3−3から3ゲームを連取。勝負をファイナルセットへと持ち込んだ。ファイナルセットでは第2ゲームにブレークに成功するが、大野も状態を上げてきた大野にブレークバックを許すなど我慢の時間が続く。それでも「いつもとは違うサーブアンドボレーを入れたりして、強気に大胆に行くことで、相手にプレッシャーを掛けられた」とここから4ゲームを連続で奪いゲームセット。激戦を制し、ベスト16入りを果たした千頭は大きくガッツポーズを決めた。

 予選から勝ち上がってきた熊坂拓哉(亜大)と対戦した木元は「いつもよりも力まずに、攻めのボールでも振れていた」と安定感のあるプレーを披露。ファーストセットを6−3で奪うと、セカンドセットでは先にブレークを許しながらもその後2ブレークを奪い、6−4でストレート勝ちを収めた。4回戦では関東学生トーナメント(春関)優勝の川橋勇太(筑波大)と対戦する木元。「今はそこしか見ていないですね。そこでどれだけ頑張れるか」と気を引き締めた。橋川泰典(日大)との対戦となった小林雅はセットを取り合い迎えたファイナルセット。ライン側を突くショットやボレーなど強気なプレーで試合を優位に進め、このセットを6−1で奪い、3回戦を突破した。田村迅(駒大)と対戦した藤井颯大(スポ3=京都・同志社国際)はファーストセットを6−4で先取し、幸先の良い滑り出しを見せる。しかし、重要な局面でのミスが響き、その後のセットを連続で落とし、悔しい逆転負けを喫した。


白石(左)、佐藤の早大対決は白熱した展開となった

  男子シングルス3回戦、ラストイヤーを迎えた佐藤とインカレ初挑戦のルーキー・白石の同士討ちが実現した。ファーストセットは白石が先に2ブレークを奪い一方的な展開が予想されたが、セットカウント5−1から佐藤が3ゲームを奪うなど意地を見せる。それでも第10ゲームのサービスゲームを白石が手堅くキープし、ファーストセットをものにした。続く第2セットでは佐藤が執念を見せた。このセットも先にブレークを許した佐藤だが、続くゲームでブレークバックすると、第7のリターンゲームも長いラリー戦を制しブレークに成功。重要な局面でポイントを取りきり、試合を振り出しに戻した。勝負のファイナルセットでは白石がボレーやスマッシュ、ダウン・ザ・ラインのショットなど多彩な攻撃を確実に決め、第1ゲームから3ゲームを奪い優勢に立つ。佐藤も続く2ゲームを取り返しセットカウントを2−3としたが、「体力的に僕の方が弱かった部分があって一歩及ばなかった。そこで相手に思いっきりプレーさせてしまった」(佐藤)と、ここから白石はギアを上げ、再び3ゲームを連取しゲームセット。白熱の早大対決はルーキーの白石に軍配が上がった。
「もうちょっと何かできたかなと悔しい反面、自分の力を最大限出せて良かったなと。最後なりには4年生の意地を発揮できたかなと思います」と振り返った佐藤。試合後には白石に声を掛け「ナイスゲーム」とお互いを労った。ベスト16入りを決めた白石は4回戦で春関でフルセットの末に敗れた田中優と再び対戦する。

(記事 林大貴、写真 森迫雄介)

結果

男子シングルス
▽3回戦
◯小林雅哉 [6-2、4-6、6-1] 橋川泰典(日大)
◯田中優之介 [6-2、6-0] 福田真大(慶大)
●藤井颯大 [6-4、4-6、4-6] 田村迅(駒大)
◯千頭昇平 [6(4)-7、6-3、6-3] 大野翼(関大)
◯木元風哉 [6-3、6-4] 熊坂拓哉(亜大)
○白石光 [6−4、3−6、6−2] ●佐藤祥次


男子ダブルス
▽1回戦
◯畠山尚・増田健吾 [6-2、6-2] 阿部称也・上田真央(松山大)

コメント

佐藤祥次(スポ4=大分舞鶴)

――今の心境をお聞かせください

最後の全国大会の個人戦だったので。もうちょっと何かできたかなと悔しい反面、自分の力を最大限出せて良かったなと。最後なりには4年生の意地を発揮できたかなと思います。

――白石選手との対戦になりましたが、どのようなゲームプランを考えていましたか

僕と似たようなタイプの選手で、ガツガツ打ってくるタイプではないので、ゲームを作っていきながらチャンスがあれば前に出ていくかたちを考えていました。

――ラリー戦を想定していたということでしょうか

そうですね。ラリーしていく中でどっちが先に行くかとか、仕掛ける、打たせるといった駆け引きがあったかなと思います。

――セカンドセットはいい流れで試合を進めることができました。振り返っていかがでしたか

ファーストセットは僕のゲームポイントがありながら打たされてのミスとか、向こうのいいプレーがあって、なかなかとり切れなかったところがあって。ファーストセットは最後2-4から5-4にできて、いいイメージを持って終えることができました。僕がファーストセットで行き過ぎていた部分があったので、行くところと行かないところをしっかり分けていった結果、6-3という結果になったと思います。

――ファイナルセットで及ばなかったところはどういったところになるでしょうか

最後の方は足が全く動かなくて。体力的に僕の方が弱かったというか衰えていた部分があったので、そういったところであと一歩及ばなかった部分があって。そこで相手が思いっきりプレーさせてしまったところが悪かったです。最初0-3だったので、そういったところが良くなかったかなと思います。

――連戦の影響はありましたか

いえ。昨日は暑かったですけど、試合は1時間半ぐらいで、無駄なポイントがなかったので。連戦というよりかはあまり練習ができていない部分があったので、そういったところの差がでたのかなと思います。

――最後のインカレとなりましたが、振り返っていただけますか

1年目からインカレを目指してきていたんですけど、ちょっとずつ結果が良くなって。最後の年だったので、去年のベスト16を上回ることが目標だったんですけど、同士討ちで相手の手の内を知れた状態だったので、仕方ないというのは違うかもしれないですけど。全体的に1年の時よりも2年、2年の時よりも3年と学年が上がるにつれて、テニスのディフェンス面だったり、攻めるところが自分の中でできたので。大学に入ってレベルの高い人たちと切磋琢磨(せっさたくま)して練習できで、それ自体もやらなければならない使命感と言うか、やらないと置いてかれちゃうので、そういった危機感を持ちながら4年間できたので、全体的には充実した4年間だったかなと思います。

――最後に夏関(関東学生選手権)の意気込みをお願いします

あまり時間ないですけど、リーグ戦の前で、ここで監督陣にアピールできたかは分からないですけど、最後のアピールの場だと思って一個でもいい結果を出したいです。最後の個人戦なので悔いなく終わって、いい感じでリーグ戦を迎えて、出るか出ないかは分からないですけど、どういった形でもチームの勝利に貢献できるように。最後のリーグを全勝優勝して、王座でも15連覇していいかたちで卒業できればなと思います。

千頭昇平(スポ3=愛知・誉)

――ファーストセットはミスも目立ち落とすかたちとなりました

相手の選手はすごくボールを早く打ってくるってわかっていて。それでもいい時と悪い時があるというのはわかっていたので、ファーストセットは落としてしまったんですけど、チャンスはあると思って、自分のやるべきことをやり続けるようにしていました。

――セカンドセットは徐々にペースを戻した印象でしたが、振り返っていかがですか

相手のミスも徐々に増えてきたので、自分は変に何かをすることもなく、自分のプレーを続けることだけを意識していました。

――ファイナルセットは相手も状態を上げてきて、我慢の時間かが続きましたが、取り切れた要因としては

大事なポイントで、いつもとは違うサーブアンドボレーを入れたりだとか、強気に、たとえ負けたとしても後悔のないように大胆に行くことで、相手にプレッシャーを掛けられたと思います。

――きょうでベスト16入りを決めました。今後もタフな試合が続くと思いますが、

自分は優勝するつもりで来ているので、全然満足していないので、1試合1試合ファイトして勝ちをもぎ取りたいと思います。

木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)

――今日の試合を振り返っていかがですか

あまり考えすぎずに、感覚で行こうと思っていました。できるだけ自然体で、体力も厳しいので、無駄なエネルギーを使いすぎずに戦おうと思っていました。

――試合を通じで良かった点などはありますか

ストロークがいつもよりも力まずに、攻めのボールでも振れていたかなと思います。

――ここまでインカレでの試合を振り返って、ご自身の調子の程はいかがですか

状態はここ1ヶ月ぐらい一般大会でも勝てているので、いいと思います。

――今年度はシングルスでも結果を残していますが、好調の要因は何かあげられますか

特に変えたこととかはないんですけど、6月の国体予選で勝てて、その後の大会でも勝てて、徐々に自信がついてきたのかなと思います。

――今後に向けて一言お願いします

次の相手がすごく強いので、とりあえずそこしか見ていないですね。そこでどれだけ頑張れるかですね。