第68回全日本大学野球選手権大会の決勝戦が行われ、明治大が佛教大を6対1 で下して38年ぶり6回目の優勝を決めた。

 3回に死球や東京六大学リーグ首位打者の添田真海(4年・作新学院)の二塁打でチャンスを作ると、相手のミスで3点を先制。さらに9回には喜多真吾(4年・広陵)の走者一掃の二塁打でダメ押し。

 投げては森下暢仁(4年・大分商)が9回7安打1失点10奪三振で完投し、完封した準々決勝に続く好投を見せて最高殊勲選手賞と最優秀投手賞を受賞した。

歓喜の輪の中心で喜ぶ森下

 優勝の瞬間、森下は歓喜の輪の中心で高く持ち上げられると、人指し指を高く天にかざした。

 2016年秋の明治神宮大会を優勝した柳裕也(中日)以来の投手としての主将就任が森下を大きく成長させた。昨年までは終盤に失点を重ねるなど殻を破りきれなかった。だが、自覚や責任感が芽生えると、ミーティングで「監督にあんなことを言わせるなよ」と仲間を叱咤するようにもなり、善波達也監督は「こんな一面もあるんだ」と感心し、既に2月のキャンプでは「森下を主将にして大正解でした」と称えるまでになっていた。

 そしてリーグ戦に入ってからも、チーム開幕戦こそ敗れたものの、その後は白星を積み重ねて優勝に貢献。今大会中も「野手が助けてくれて、チームのみんなが繋いでくれたおかげです」と常々周囲への感謝の言葉を述べた。

 それは投球にも乗り移り、善波監督は「1球1球、魂を込めて投げてくれて頼もしかったです」と成長に目を細めた。またチームにも強い一体感が生まれ、善波監督が「みんな、ありがとう!」とスタンドに手を振ると、それを嬉しそうに振り返すベンチ外部員たちの姿があった。

 森下は「自分自身を含めまだまだ成長できるチーム」と語った。38年間閉ざされていた重い扉を開けた今、次に見据えるのは尊敬の念を抱いてきた柳以来となる明治神宮大会制覇だ。

胴上げされる森下。視察したスカウトからは「抜ける球が無くなった」「ドラフト1位競合間違いなし」との声も聞かれた

■決勝戦:明治大vs佛教大
明治大 003000003=6
佛教大 000000001=1
【明】○森下-西野
【佛】●中山塁、丸山、福森、木村-坪倉

◎佛教大・吉村颯主将(4年・龍谷大平安)
「悔しいですがベスト4を目標にしてきたので、決勝まで来ることができて良い経験になりました。これまでは手探りでしたが課題が明確になったので、その部分を意識して夏の練習に取り組み、秋にここへ戻ってきたいです」

京滋大学野球連盟としても初めての決勝進出を果たした佛教大。基本に忠実で粘り強い野球を展開して今大会の台風の目となった。写真は先発の中山塁

◎大会特別賞を受賞した東京農業大北海道オホーツク。その主将を務める田辺直輝内野手(4年・佐久長聖)
「日頃から地域や大学の方々に支えられているので、少しでも網走やオホーツクの名前が広がれば嬉しいです。ただベスト4に満足しているわけではないので、全国制覇を狙いに秋にまたここへ帰ってきます」

冬場は氷点下10度を下回る厳しい自然環境を言い訳にすることなく準決勝にまで駒を進めた東京農業大北海道オホーツク。写真は表彰式での田辺主将

文・写真=高木遊