写真=Getty Images「僕たちの目標はNBA優勝だ。やり遂げたい」トロントに本拠地を置くラプターズは、バックスを破って東カンファレンスを制し、初めてNBAファイナルへと駒を進めた。昨夏、フロントは『チームの顔』だったデマー・デローザ…

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「僕たちの目標はNBA優勝だ。やり遂げたい」

トロントに本拠地を置くラプターズは、バックスを破って東カンファレンスを制し、初めてNBAファイナルへと駒を進めた。昨夏、フロントは『チームの顔』だったデマー・デローザンの放出を決め、ヘッドコーチのドウェイン・ケーシーもチームを去った。大きく顔ぶれが変わったチームを引っ張り続けたのがカイル・ラウリーだ。在籍7年目のラウリーは親友デローザンの後を継いで『ラプターズの顔』となるとともに、個人技で引っ張るのではなく攻守のバランスを重視するようにプレースタイルを変えた。得点は下がったがアシストが増え、そしてチームはプレーオフで勝てるようになった。

「ファイナル進出には大きな意味がある」と『Tronto SUN』の取材に応じたラウリーは語る。

「ずっと壁になっていた一人の選手がこのカンファレンスから去るというチャンスがあり、そこでバックスという素晴らしいチームに勝って、ファイナル進出を実現したんだ」

東カンファレンスではキャバリアーズの1強体制が長く続いた。ラプターズは常に東の強豪でありながら、レブロン・ジェームズのキャブズに阻まれ続けた。『いつか彼を乗り越える』という目標は、レブロンがレイカーズ移籍を選択したことで果たされぬままとなってしまったが、何より重要なのはカナダのトロントにファイナルのゲームを持ってくることだった。

自分たちを阻み続けたレブロンとキャブズのことは、常にラウリーの意識にあるが、それと同時に必要以上に自分たちを過小評価することなく、チームが成長したからこそファイナルの舞台にたどり着いたのだと自信を持っている。

「当時はキャブズのレベルまでどうやったら行けるのか分からなかった。でも、今の僕たちには経験があって、あのレベルまで到達するために次に何をすればいいのかが理解できている。僕自身がそう思えることが、当時との大きな違いだよね」

スパーズで優勝を経験したカワイ・レナードとダニー・グリーンが加入し、マーク・ガソル、サージ・イバカの経験も加わった。ラウリー自身も毎年プレーオフでの場数を踏んでいる。デローザンからレナードへのエース交代でも、レブロンが去ったことでもなく、自分たちが必要なステップを踏んでレベルアップを続けたことがファイナル進出に繋がったと彼は信じている。

「ずっと目指していたファイナルの舞台でのプレーを存分に味わうつもりだ。でも、これで満足したわけじゃない。僕たちの目標はNBA優勝だからね。このまま調子を上げて、やり遂げたい」

スリーピート(3連覇)を目指すウォリアーズは、ファイナルの経験がないラプターズに対して心理的に優位に立つだろう。ただ、ラウリーとラプターズは常に強者に臆せず立ち向かってきた。ウォリアーズ優勢と見られていても、ホームコートアドバンテージを持つのはラプターズだ。今週末からのNBAファイナルはトロント開催からのスタート。『We The North』のスローガンの下、トロントは燃えている。その力が強力な後押しとなるのは間違いない。