「広島3-2巨人」(4日、マツダスタジアム)広島緒方孝市監督が今季始めて退場となった。初回1死走者なし、菊池涼の遊撃への当たりを坂本がさばき一塁へ送球。その送球が高く浮き捕球する間に菊池が一塁に到達。オーバーランした菊池はすぐに手から帰塁し…

「広島3-2巨人」(4日、マツダスタジアム)

広島緒方孝市監督が今季始めて退場となった。
初回1死走者なし、菊池涼の遊撃への当たりを坂本がさばき一塁へ送球。その送球が高く浮き捕球する間に菊池が一塁に到達。オーバーランした菊池はすぐに手から帰塁したが、その前にタッチされ「アウト」とコールされた。
この一連のプレーに、緒方監督がリクエストを要求。検証の結果、判定通りアウトとなった。これに納得出来なかった指揮官はベンチを飛び出して猛抗議した。 リクエストに対する抗議は認めていられない為、球審は制止を促したが、なおも抗議した為に退場を宣告した。
緒方監督は二塁に向かう意思は無かったとの抗議であったと見られるが、この走者の意思の有無の判断はあくまで審判員の判断によるもの。今のルールではリクエストの対象とはならない。 あくまで二塁に向かった後の帰塁に対するリクエストなのでルール通りにアウトの宣告を下したと見られる。

現在アウト、セーフなどに関しては映像で確認できるが、今回のように次の塁を狙う意思があったかや、守備妨害、走塁妨害などは映像を見ても審判員の判断が大きく必要とする事であり、リクエストの対象外である。今回のケースは様々な意見はあるとは思うが、それを議論するのも野球の楽しみであり、機械では判断できない人間味のある野球の醍醐味だと言えるルールである。

文:元プロ野球審判 坂井遼太郎